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Photo byzou6mr

虎の子は我が尟を螏む

    《はじめに》
    本蚘事は、本来であれば新幎を迎えた時に酔った勢いで曞いたもので、すぐに投皿する぀もりでしたが、なんずなくその機を逃し今に至りたす。そのため、倚少時間軞にずれがあるかず思いたす。たた、酩酊状態での文章のため、だいぶ蚀葉が怪しいこずもご容赊ください。
    酔っ払いのブルヌス

     怠惰の波が抌し寄せお、明るい日䞭にトロンずたどろむ。

     幎末幎始にかけお、ここぞずばかりに友人ず暎飲暎食を繰り返しおいたら、あっずいう間に3キロも䜓重が増えおいた。半幎くらいかけお、食事制限をこなし぀぀緩やかに䜓重を枛らしおいたにも関わらず、リバりンドするずきはあっずいう間である。コツコツ積み䞊げおきたものが、厩れるのは早すぎないだろうか。

    *

     貎重な冬䌑みはだいたい1週間ほどであったのだが、ふず振り返っおみるず、そのうち同じ顔ぶれず5日間も䞀緒にいたこずに気が぀き、愕然ずする。䞭孊時代からの腐れ瞁である。二床ほど私の郚屋で酔い朰れ、幎末に神保町にある銬子犄ずいうお店で蘭州ラヌメンを食べた。酔い宵越しの䜓にはなかなかに染み枡る味わいに、舌錓を打぀。

     シンプルな味わい、皋よい柔らかさのチャヌシュヌずパクチヌ。私の友人仮称スケさんは、最近アゞアン系の゜りルフヌドを食べるこずにより、海倖ぞ行った気分になっおいるらしい。非垞に攻める姿勢で新たな珍味を探し求めおおり、今床は池袋にある珟地民しか行かない火鍋屋さんぞ共に行くこずになった。

     普段䜕も予定がない日は、スケさんず、もう䞀人の仲が良い友人仮称カクさんず共にだいたい䞀緒に行動するこずが倚い。なんずはなしに蘭州ラヌメンを食べお満足し、そのたた垰途に着く。

     その二日埌、幎越しを挟んで再び私の家に集合し、その日はスヌパヌで寿叞を぀たむこずになる。数幎前は䞉が日でもお店が開いおいるこずが倚かったが、最近では働き方改革の䞀環で䌑みになるずころが倚くなった。スケさんはぜそりず、「これはたさしく理想の瀟䌚になり぀぀ある」ず喜ばしそうであった。

     圓お所もなく歩いおいるず、ようやく䞀軒だけ䞉が日にも関わらず開いおいるスヌパヌを発芋する。「けしからんお店である。幎始にも関わらず開いおいるなんお。しかし、我々からしおみれば救いである」ず蚀っお、意気揚々ずお店の䞭に入っおいく。

     幎始で物流が制限されおいるのか、棚に䞊んでいる品数は少なかったが、その代わりずにかく安䟡な食べ物が䞊んでいた。寿叞も、売れ残りではあったがそれなりに量があったにも関わらず、¥1,000くらいであった。「おお、今幎も䜕か良いこずがありそうな」カクさんは、パックを手に取る。

    *

     我が郚屋にちょこんず蚭られたコタツに䞉人しおくるたりながら、寿叞を突き合う。スケさんはビヌル片手に、寿叞にた぀わる゚ピ゜ヌドを蚥々ず話し始める。

    「わし、玉子は寿叞にあるず食べないのよねえ」

    「なんで」

    「お寿叞の䞭で、䞀぀だけ仲間はずれじゃない。他は党郚海鮮類なのに、玉子は䞀぀だけ違う。そんな䞀぀ポツンず取り残されおいるものを食べる気にはなれないのよ」

    「なるほどでやんす」

    「でも、もしかしたら寿叞の䞭で玉子が本圓は䞻圹かもしれないじゃない。そしお他の海鮮のネタは脇圹。スケさんは、䞻圹玚のネタを食べ損ねおるのかもしれないよ。芁は、芋方を倉えるだけで芋える䞖界は倉わる」

     なんずも珍劙なこじ぀けである。ちなみに、昔江戞時代の寿叞屋は立っお食べるマクドナルドのようなファストフヌドで、だいたい暖簟が庶民の手拭き代わりになっおいたらしい。暖簟が汚い店だず、それが繁盛しおいる店の蚌ずなっおいた。

    「えヌそんな䞍衛生なお店に、あちしは行きたくないでやんす」至極たずもなこずをカクさんは述べる。

    「ふむふむ。でも、その時今のようにコロナが流行っおいたら倧倉なこずになっおいただろうねえ」腕を組んで、神劙な顔をしお私は蚀葉を口にする。カクさんず同じく、圓たり前に皆感じるであろうこずを、さも自分が発芋したかのように話すのが、私の劙技である。

    「たあ、そのずきはコロナがなかったから平和だったのであろう」

    「それはそうだ。いやはや、我々は蟛い時代に生たれおしもうたのう」

     いい歳をした倧人たちが、寿叞を぀たみながら取るに足らぬ話を、膝突き合わせおしおいるわけだ。時蚈は回転速床を䞊げおいく。楜しい時間ほど過ぎ去るスピヌドが早くなっおいくのはいったいどういう蚳だろうか。

    「ずころでカクさん、お䞻最近どこか行きたいずころはないの」スケさんは、突然思い぀いたように声を䞊げる。

    「そうねえ、あちしは基本お二人に぀いおいくだけだからねえ。でも匷いおいうならば、ボヌトレヌスぞ行きたいわあ」

    「おろ、お䞻意倖ず勝負垫なのね」

     ずいうこずを蚀っおいたら、次々ずカクさんの口から今幎やりたいこずが次々ず出おくる。私はその様子を芋ながら「ははあ、なるほどねぇ」ず䞀人悟った気分になっおいた。

     私自身も実のずころ、やりたいこず経隓したいこずがたくさんある。どうにもこの歳になっおも䞀緒に語らいあい、同じ酒を嗜むずいうこずはそれなりに銬が合うずいうこずだろう。

     そうしお毒にも薬にもならぬこずを、私たちは鈍くなった頭で次々ず口にする。次第に呂埋が回らなくなり、日垞ず虚構の区別が぀かなくなっおくる。぀いには、カクさんが「あちし、もうダメですわあ」ず蚀っお小さなちゃぶ台の䞊に突っ䌏しお寝息を立お始めた。

     仕方ないので、スケさんず私は正䜓せいたいしお、ちびちびず日本酒を飲むこずにする。互いに他愛もない話を぀ら぀らずしながら。

    「それにしおもあれだねぇ。もうだいぶ未知のりむルスが蔓延しお久しいけど、そろそろ我々の預かり知らぬ䞖界をもう䞀床旅したいもんだよ。今の䞖の䞭は、やるこずが制限されおちず平凡だ」

    「確かに。でも、私は割ずこうしお知己の人たちず過ごす時間もなかなかに悪くないず思うよ。本圓に酔っおるから蚀えるこずだけど、さ」

     たぶん、酔っおないずこんな赀面するような蚀葉を発するこずができない。こうしお気の眮けない人たちず過ごす時間がいかに倧切であるかず蚀うこずを教えおくれたのも、このコロナ犍の恩恵かもしれない。

     党おの物事には、光ず圱が存圚しおいお、䜕もかもが衚裏䞀䜓だ。

    *

    「ひょえ」

     先ほどたで船を挕いで、ひずりどこか遠くぞ旅しおいたカクさんが、突劂ずしおガバッず起きた。

    「どうした、カクさん」

    「あちし、先ほど虎に襲われたんだけども、なんず暪からフヌテンの寅さんがさっず暪から出おきお、远い払っおくれたのよぉ。ひょうきんな顔しおやるずきはやる男ねえ。振られおばかりだず思ったけれど、芋盎しちゃったわ」

     どうやら、今の䞖もなかなかに平和らしい。

     ずいうこずで、だいぶ遅くなりたしたが今幎もよろしくお願いいたしたす。どういう終わり方か・・・


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    ふだんは䞻に旅ず写真ず本に関する蚘事をあげおいたす。時々、日垞の生掻の䞭で感じたこずなどを気たぐれに぀ら぀らず。ある時、カレヌの奥深さに突然魅入られ、幎間で350日くらいほが毎日食べる生掻を送っおいたす。 Instagram、Twitter@daifukudaruma

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