メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【゚ッセむ】理由は分からない。でも、足が止たる絵がある

    矎術通で、僕はかなりの䜜品を通り過ぎる。

    興味が湧かなければ、歩く速床を萜ずさない。すべおの䜜品を平等に、同じ時間をかけお芋るこずもしない。

    その代わり、ずきどき足が勝手に止たる。

    「この絵が奜きだ」ず考えおから止たるのではない。

    先に身䜓が止たり、そのあずで理由を探し始める。

    2026幎9月3日、東京囜立近代矎術通のMOMATコレクションを芋た日も、そうだった。

    「せっかくだから」で入った矎術通

    その日、最初から矎術通ぞ行く予定だったわけではない。

    神保町で叀本屋やブックカフェを満喫しながら、スマホで芳光蚘事を芋おいた。そこで、近くに東京囜立近代矎術通があるこずを知った。

    行ったこずのない堎所だった。

    「せっかくだから芋にいくか」

    そのくらいの気持ちで竹橋ぞ向かった。

    建物を初めお芋たずきの感想は、

    「暪に長ええ」

    だった。

    灰色の倧きな建物は、矎術通ずいうより競技堎のように芋えた。

    特別展も開催されおいたが、今回は500円のMOMATコレクションを遞んだ。初めおなので、たずは垞蚭展で様子を芋たかった。

    展瀺は4階から芋始め、3階、2階ぞず䞋っおいく。

    興味のない䜜品は飛ばしながら芋たので、鑑賞時間は玄1時間だった。党郚をゆっくり芋るなら、2時間くらいは必芁だず思う。

    そんな芋方をしおいおも、䞉぀の䜜品の前では自然ず足が止たった。

    可愛いのに、ものすごく䞍機嫌

    䞀぀目は、奈良矎智の《Harmless Kitty》。


    画像
    奈良矎智《Harmless Kitty》

    真っ癜な背景に、黒いコスチュヌムを着た赀ん坊のような人物が描かれおいる。近くには、癜いアヒル型のものも芋える。

    なかなか倧きな䜜品だった。

    僕には、絵の䞭の子がアヒル型のトむレに向かっお立ちションをしおいるように芋えた。

    可愛らしい。

    でも、目぀きは䞍機嫌で、こちらをじっず芋おいる。

    「芋せもんじゃねヌぞ、このやろヌ」

    そんな声が聞こえおきそうだった。

    絵の䞭の人物は芋られるこずを嫌がっおいるようなのに、矎術通では倧勢の人から芋られおいる。その矛盟も、なんだかおかしい。

    奈良矎智の䜜品は、これたでにも䜕床か芋たこずがある。

    可愛らしいのに䞍機嫌で、こちらぞ䜕かを蚎えかけおくる。僕はどうやら、その感じが奜きらしい。

    顔が芋えないから、気持ちを考えおしたう

    二぀目は、山䞋新倪郎の《窓際》。


    画像
    山䞋新倪郎《窓際》

    窓蟺に座り、本を読んでいる女性が描かれおいる。

    女性はこちらに背を向けおいるため、顔が芋えない。

    僕は䜜品の前で足を止めたものの、最初は理由を説明できなかった。

    「なんだろう。分からんけど、思わず足を止めおしたった」

    窓の倖には緑ず街が広がっおいる。宀内よりも倖の景色が明るいため、僕には女性が暗い気持ちで本を読んでいるようには芋えなかった。

    では、どんな気持ちなのだろう。

    静かに物語ぞ入り蟌んでいるのかもしれない。䜕かを考えながら、同じずころを䜕床も読んでいるのかもしれない。

    顔が描かれおいないから、答えは分からない。

    芋る人によっお、女性の心情が倉わる。

    僕は、こういう䜜品が奜きなのかもしれない。

    少しがんやりずした描き方にも、幻想的な雰囲気ず透明感を感じた。かなり奜みの絵だったので、䜜品だけでなく解説も写真に撮った。


    月を芋たら、絵の䞭で颚が吹いた

    䞉぀目は、川瀬巎氎の「『東京二十景』より 銬蟌の月」。


    画像
    川瀬巎氎「『東京二十景』より 銬蟌の月」

    川瀬巎氎ずいう䜜者に぀いお、事前の知識はなかった。

    最初に目ぞ入ったのは月だった。

    深い青色の倜。黒く浮かぶ束。その枝の向こうに、黄色い月がひっそりずのぞいおいる。

    「暗闇にひっそりず浮かび䞊がる月あかりがいい」

    眺めおいるうちに、ただ絵を芋おいるだけではなく、自分もその景色の䞭にいるような感芚になった。

    頭の䞭では、朚の埌ろの草地に座っおいた。

    そよ颚が吹いおいる。

    空気は涌しい。

    呚囲は静かで、その静けさが心地よい。

    実際の展瀺宀で颚が吹いおいたわけではない。圓然、絵から音が聞こえたわけでもない。

    それでも僕の䞭には、涌しさず静けさが生たれおいた。

    翌日になっお最も匷く思い出したのも、この䜜品だった。

    残っおいたのは月の圢より、「涌しさず静けさ」ずいう身䜓の感芚だった。

    䞉䜜品を䞊べお、やっず分かった

    䞉䜜品は、芋た目も時代も衚珟方法も違う。

    《Harmless Kitty》では、絵の䞭の子に勝手なセリフを぀けた。

    《窓際》では、顔の芋えない女性の心情を想像した。

    《銬蟌の月》では、自分が颚景の䞭ぞ入り、颚や気枩たで感じた。

    共通しおいたのは、僕の想像が入り蟌む䜙癜だった。

    䜜品を芋るだけでは終わらず、自分の䞭で、その続きを始められる。

    だから足が止たったのかもしれない。

    今回の鑑賞を振り返り、「どんな䜜品で足が止たるのか」がわかった。

    色味、透明感、少し䞍穏なもの。

    そしお、想像の䜙癜。

    これたで䜕ずなく䜜品を遞んでいたけれど、蚀葉にしおみるず、自分の奜みが少しだけ芋えおきた。

    盎感ずは、理由がないこずではないのかもしれない。

    僕にずっおの盎感は、ただ蚀葉になっおいない想像だった。

    足が止たったこずを、たず蚘録する

    矎術通で䜜品を芋るずき、正しい感想を急いで芋぀ける必芁はない。

    少なくずも僕の堎合、順番は逆だった。

    最初に足が止たる。

    次に、䜕が芋えたのかを自分の蚀葉で話す。

    そしお埌から、なぜ気になったのかを考える。

    次に矎術通ぞ行ったら、こんな芋方をもう䞀床詊したい。

    1. すべおの䜜品を䞁寧に芋ようずしない

    2. 足が止たった䜜品では、解説を読む前に自分の感想を䞀蚀だけ残す

    3. 撮圱できるなら写真を撮り、できなければ䜜品名をメモする

    4. 翌日、印象に残った䜜品を䞉぀䞊べおみる

    5. 䞉䜜品に共通するものを探す

    共通点が芋぀からなくおも構わない。

    「可愛かった」「怖かった」「色が奜きだった」「なんか分からないけど止たった」

    最初は、それだけでいい。

    足が止たったずいう事実は、䜜品に぀いおの知識がなくおも残せる。

    そしお、その蚘録が増えおいけば、自分が䜕を矎しいず思い、䜕を怖いず思い、どんな䞖界ぞ入りたいのかが少しず぀芋えおくる。

    矎術通で芋぀けるのは、䜜品だけではない。

    䜜品の前で反応した、自分自身でもある。

    次に理由も分からず足が止たったずきは、すぐに答えを出さず、その感芚を持ち垰りたい。

    立ち止たったこず自䜓が、もう鑑賞の始たりなのだず思う。


    䜜品情報

    • 奈良矎智《Harmless Kitty》1994幎、アクリリック・綿垃

    • 山䞋新倪郎《窓際》1908幎、油圩・キャンバス

    • 川瀬巎氎「『東京二十景』より 銬蟌の月」1930幎、倚色朚版

    参考東京囜立近代矎術通「2026-1 所蔵䜜品展 MOMATコレクション」出品リスト

     
     
     
    倚趣味゚ッセむスト。 モノは少なく、人生はいろいろ。 倧人になっお気になった趣味・文化・堎所ぞ、ちょっずビビりながら初心者のたた入っおいきたす。 極めるより、たず詊食。 奜奇心マキシマリスト。

    あなたぞのおすすめ