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戦国群雄の思考②「竹中半兵衛の思考」

    戦国時代の群雄が、脳内で繰り広げる「思考だだ漏れ」の小説テイストです。リアルな地名や武将の心理描写を交え、張り詰めた時代の空気感を描き出します。

    竹中半兵衛の思考

    (天正7年・1579年。播磨・三木城包囲戦の陣中。)

    「ゲホッ……また血か。

    胸の奥が焼けるように熱い。
    私の命は、この三木城が落ちるまで持つのか?
    いや、持たせねばならぬ。
    筑前(秀吉)様は、私が死ねばただの『陽気な人たらし』に戻ってしまう。
    あの御方を天下人に押し上げるのが、私の最後の策戦だというのに。

    それにしても、この播磨の泥沼はいつまで続く?
    別所長治め、頑なに移ろうとせぬ。
    兵糧攻め(三木干殺し)は確かに確実だ。
    兵を損なわずに敵を干上がらせる。
    しかし、時間がかかりすぎる。
    私の寿命がそれを許さぬ。

    織田信長という男は、結果しか見ぬ。
    遅れれば、筑前様すら切り捨てられるぞ。
    荒木村重が有岡城で謀反を起こしたのも、あの信長への底知れぬ恐怖が原因だ。

    ……官兵衛。
    あの男は今、有岡城の土牢で朽ち果てようとしているのか。
    それとも、本当に織田を裏切ったのか?
    いや、違う。
    黒田官兵衛はそんな愚か者ではない。
    奴の眼は、常に私と同じ先を見据えていた。
    信長ではなく、秀吉の時代を。
    ならば、なぜ信長は官兵衛の息子(松寿丸)を殺せと命じる?
    狂っている。
    恐怖で人を支配するやり方は、いつか必ず破綻する。
    私は信長の命令に背き、松寿丸を隠した。
    これが露見すれば、竹中家は一言のもとに取り潰し、私も即座に首を刎ねられるだろう。
    だが、それでいい。
    私は信長の家臣ではない。
    秀吉様の軍師だ。
    未来の天下人のために、必要な布石を打ったまで。

    ゲホッ、ゲホッ……視界が霞む。
    身体が鉛のように重い。
    死ぬのは怖くない。
    だが、私の頭脳が、この混沌とした戦国を整える前に停止することだけが口惜しい。

    筑前様、どうか次の策を間違えんでくだされ。
    私が居なくなっても、官兵衛が……いや、官兵衛が生きて戻らねば、織田の闇に呑まれますぞ。

    急がねば。
    城内の兵糧の残量をもう一度計算し直すのだ。
    あと、何日持つ……?」

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    #オールカテゴリ部門

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