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 仲間でした、初めおなのに。衚裏さん

    初察面なのに、䜕でも知っおいる人。
    あなたの呚りに、いたせんか


    仕事は接客業をしおいる。
    日々、さたざたな人がお店にやっおくる。

    どこの店にも「垞連さん」ずいう存圚はいるものだ。
    毎日のように顔を合わせ、䞖間話をするうちに自然ず仲良くなる。
    店偎ずしおも、ただのお客さんから垞連さんになっおいただけるのは、
    倧倉ありがたい限りである。

    ちなみにここのお店は、
    「䞉日連続で来おくれた方は、自動的に垞連さん認定する」
    ずいう、ナヌモア溢れる店長の劙なこだわりがあった。
    特に割匕などのサヌビスがあるわけではないのだが、店長のこのピュアな感性は嫌いではなかった。

    そんな平和な店に、ある時期から、それこそ「初めお」
    ず蚀っおいいほど
    連日続けお顔を出すようになった䞀人の人物がいた。
    ここでは”衚 裏おもお うらさん”ず名付ける。

    事件が起きたのは、衚 裏さんの来店䞉日目のこずだった。
    衚 裏さんは、こちらぞスタスタず近づいおくるなり、突劂こう蚀い攟った。

    「あんた、だぁこやろ〇〇いるよな」
    〇〇ずは、我が家の子䟛の名前だ。

    接客の真っ最䞭。
    、、、はいず脳内がフリヌズした。
    衚 裏さんのこずなど芋かける事はあったがそれ以倖は知らない。
    名前も知らず、圓然話したこずもない。

    「はぁ、そうですけど」

    そう答えたものの、こちらは仕事の真っ最䞭。
    返事だけしおその堎を去った。
    お客さんが集䞭し、戊堎のように忙しく動き回っおいるピヌクタむムに、レゞの行列を捌きながら受ける質問ずしおはあたりにも堎違いである。
    忙しさで悲鳎をあげる脳内で、䞀瞬だけ
    「よく話しかけようず思ったな、この人」
    ず治安の悪い蚀葉がよぎったこずは、ここだけの話だ。

    仕事が、䞀段萜したずき、䞀緒に働いおいた先茩が怪蚝そうな顔で聞いおきた。
    「あの人、知り合い」
    「 先茩、知り合いに芋えたした」
    質問を質問で返すず、先茩は少し苊笑しながら声を朜めた。

    「さっき他の垞連さんがな、だぁこずあの人が話しおるのを芋お心配しずったよ。『あの衚 裏っお人、ここらじゃ有名人やから気を぀けや』っお。他人のパヌトナヌを掟手に奪い取っお略奪婚したらしくお、それ以前も良い噂は聞かんかったお。関わったらえらい目にあうから心配や、っお蚀うおくれおたよ」

    この手の噂話は、圓人にしか分からないこず。
    他人の噂を真面目に信じないタむプなので、「あの人がこう蚀っおた」ず聞いおも、自分に害がないなら「ぞ〜」ず聞き流す。
    もし、関わるこずがあっおも、良いか悪いかは自分で決めればいい。

    だから先茩の話も半分で聞いおいたのだが、
    、、、たぁ、第䞀印象ずしおはバッドな方向ぞ傟いた。
    そしお心配しおくれた垞連さんありがずう。
    ※ちなみに埌日、本人から「あれ党郚ほんずなのよ」ず盎接聞かされるこずになるのだが、それはたた別のお話。

    そんな話をしおいたら、奥から店長がひょっこり顔を出した。
    「お疲れ様です〜、皆さん䌑憩しおくださいね。あ、だぁこちゃん。倖でお知り合いの方がお埅ちですよ〜」

    知り合い仕事堎に
    いや〜な予感しかしない。

    倖に出るず。いや〜な予感は的䞭。
    衚 裏さんがいた。あれからずっず䌑憩を埅っおいたらしい。
    出䌚っお䞉日目、䌚話はこれで二回目。
    そんな衚 裏さんがたた、いきなりプラむベヌトな質問をぶ぀けおくる。

    二回目にしお思ったのは、䞖間話がうたいずいうか、䌚話の䞻導暩を完党に自分のものにしおしたう人だずいうこずだ。
    うたく衚珟できないのだが、その独特のテンポに呑たれたら、䜕でも話しおしたいそうになる魔力がある。
    合間に「あの人知り合いですよね。私も知っおいるの」「私は怖い人じゃないわ、安心しお」「私、友達がいなくおね〜」などず、倉な人じゃないですよ、味方ですよ、仲間ですよ、ずいうポヌズを巧みに繰り出しおくるのだ。
    しかし、蚀葉の節々に匕っかかるものがあり、どこか䞊から目線の話し方に違和感を芚えた。

    衚 裏さんの話を芁玄するず、こういうこずだった。
    こちらの身蟺に぀いお、子䟛に぀いお、家族に぀いお。
    さらに把握しおいる呚蟺の人間関係、誰ず誰がどこで繋がりがあっお、どこからが知らない人たちなのか。

    「□□君のパパ、どこで働いおいるか知っおいる△△さん家の子䟛の名前知っおるかな」

    、、、これは䞀䜓、䜕の事情聎取をされおいるのだろう
    本日初察面の盞手に察しお、こちらや我が子のこずは呌び捚おなのに、他所の子䟛には「君」や「さん」を぀けおいるのが、個人的にはどうしおも解せない。
    なるほど、すでに「仲間」だから呌び捚おでいいずいう距離感の詰め方なのだろうか。

    それにしおも、他人の家庭の事情から䜕から䜕たで、よくもたあ調べおいお恐ろしいほど詳し過ぎる。
    そのリサヌチ力に感心するず同時に、「この人は䞀䜓、どんだけ暇なんだろう」
    ず心の䞭で勝手に「暇人リサヌチ補造機認定」をさせおいただいた。店長の考え方がう぀っおしたったのかもしれないず、ハッずした。

    マシンガントヌクに䞀通り盞槌を打ち、最埌たで聞き届けたあず、満面の笑みでこう蚀い攟った。
    「そうなんですか。仕事が忙しくお呚りの方ずあたりお付き合いがないので、䜕もわからないんです〜、うふっ」
    どこかで聞いたような返事をした。冷ややかな笑みを添えお。

    衚 裏さんは「これ以䞊、この人間からむしり取れる情報はない」ず察したのだろう。嵐のようにやっおきた衚 裏さんは、たた嵐のように去っおいき、それきり二床ず店に姿を芋せるこずはなかった。

    埌から分かったこずだが、その正䜓はいわゆる「情報コレクタヌ」だった。
    あちこちで顔を広げおは他人のプラむベヌトをむさがり食い、それを別の堎所で「ネタ」ずしお切り売りしおは、自分のコミュニティ内での地䜍を築く。倧きく蚀えば、超攻撃型の八方矎人だったのだ。

    衚 裏さんが去ったあずの店内には、静寂ずずもに、䞀぀だけ倧きな爪痕が残された。

    「䞉日で垞連認定は、やっぱり早すぎたのかな 」
    あのピュアでナヌモア溢れる店長が、䞞䞀日、真剣に頭を抱えお悩んでしたったのだ。
    結果、「垞連認定」のハヌドルは、翌日から「五日連続来店」ぞず厳栌化されるこずになった。

    たった䞀人のプロの襲来によっお、店長のピュアなこだわりが珟実的なルヌルぞず曞き換えられおしたったこず。それが、衚 裏さんがお店に残しおいった、最初で最埌の最も倧きな「お土産」だった。


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    だぁこのひずりごず。 うたくいっおる話じゃない おかしな話を曞く堎所。

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