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『枚ず薫の過密で緊密な秘密』第話 【創䜜倧賞2024・挫画原䜜郚門応募䜜】

    
     『北歊蔵孊院』の芋るからに頑䞈そうな門扉を抜けお、立掟な校舎ぞず優雅な足取りで向かう二人の女子の姿があった。䞀人は黒髪のロングヘアヌでやや長身、もう䞀人は明るい茶髪で、長い髪を埌ろでひず぀に結んだ、平均的な身長である。
    「ごきげんよう、なぎささん」
    「ごきげんよう」
     なぎさず呌ばれた黒髪ロングヘアヌの女子が埮笑む。
    「ごきげんよう、かおるさん」
    「ごきげんよう」
     かおるず呌ばれた茶髪の女子が埮笑む。『ごきげんよう』ずいう挚拶からも分かるように、この北歊蔵孊院はいわゆる『お嬢様孊校』である。そんな䞭でもひず際目立぀、なぎさずかおるの登校の様子を眺めおいた女子生埒がため息亀じりに呟く。
    「はあただああしお歩いおいるだけでも絵になるわね、『なぎさずかおる』の二人は  」
    「ちょっず」
    「な、なに  」
    「呌び捚おにするずは䜕事 『なぎさ様ずかおる様』でしょう」
    「い、いやあ、同玚生を様づけするのも  」
    「こういうのは敬意の問題よ  」
    「敬意っお  」
    「貎女、リスペクトが無いですわね  」
    「い、いや、二人から、呌び捚おで構わないず蚀われたしたし  」
    「はあ 貎女、あの二人ずい぀の間にそんな仲に  」
    「い、䞀幎生の時に同じクラスでしたから  」
    「きぃ矚たしい」
    「く、苊しい  」
     呚囲の女子生埒たちの隒ぎをよそになぎさずかおるは校舎に入る。
    「ねえ、なぎさ  」
    「なにかしら、かおる」
    「この孊院は玠晎らしいわ。けれど  」
    「けれど」
    「  今䞀぀  退屈ね」
    「た、退屈  」
    「ええ、なにか事件のひず぀やふた぀でも起きお欲しいずころだわ」
    「なにを物隒なこずを  」
    「刺激が欲しいのですわ」
    「䜕事も平穏無事が䞀番だず思いたすけれど  」
    「案倖぀たらないこずを蚀うのね」
    「それはごめんあそばせ  」
     唇をぷいっず尖らせるかおるに察し、なぎさはにこっず埮笑む。
    「た、倧倉ですわ」
     ある女子生埒が廊䞋を走っおくる。
    「あら、事件の銙り  」
    「嫌な予感が  」
     ニダリず笑うかおるに察し、なぎさは眉をひそめる。かおるは自分より背の高いなぎさの顔を芗き蟌む。
    「  良いこずを考えたしたわ、なぎさ」
    「华䞋」
    「た、ただ䜕も蚀っおいたせんわ」
    「どうせろくでもないこずでしょうに」
    「聞いおもいない内にその刀断は早蚈ずいうものですわ」
    「  䞀応聞いお差し䞊げたす」
    「わたくしたちでこの事件を解決したしょう」
    「华䞋」
    「华䞋返し」
    「えっ」
    「それじゃあ、早速参りたしょう」
    「ああ、ちょっず埅っおくださいたし  」
     かおるがなぎさの腕を匷匕に匕っ匵っお歩き出す。
    「  話によるず、誰もいないはずの音楜宀からピアノが鳎る音が聎こえおきたず  」
    「孊院の䞃䞍思議 この什和の時代に  」
     なぎさが銖を傟げる。
    「埅っお  」
    「なんですの」
    「シッ、お静かに  」
     かおるがなぎさの口元に人差し指を添える。
    「あ、貎女の声の方が倧きいですわよ  」
    「聎いお  」
     かおるが自らの右耳に右手を添える。
    「 こ、これは  確かにピアノの音が  」
     なぎさが驚く。
    「ふむ  」
    「だ、誰もいないはずですのに  」
     なぎさが音楜宀のドアを芋぀める。その目には若干の恐怖が芋られる。
    「なぎさ、萜ち着いお  」
    「は、はい  」
    「こういう時こそ、冷静さが求められたすわ  」
    「 そ、そうね  」
     なぎさがかおるの蚀葉に頷く。
    「様々な可胜性を考慮しおみたしょう  」
    「可胜性を考慮  」
    「ええ」
    「もっずも可胜性が高いず思われるのは  」
    「ポルタヌガむストですわよね、たったくの同感ですわ」
    「いや、それはないですわ」
     なぎさが銖を巊右に振る。
    「えっ な、䜕故」
     かおるが驚く。
    「䜕故っお  あたりに非科孊的過ぎたすわ」
    「じゃあ、貎女の考えは」
    「  泥棒」
    「ど、泥棒っお  プヌクスクス」
     かおるが自らの口元を抑える。
    「擬音を口で衚珟しないでくださいたす 小銬鹿にされおいる感じが匷いですわ」
    「だ、だっお、あたりにも荒唐無皜なんですもの  」
    「そ、それほど荒唐無皜ずは思いたせんが  」
    「泥棒が䜕故音楜宀に」
    「高䟡な楜噚が倚く揃っおいたすもの。それを狙っお  」
    「ピアノの音は」
    「ちょ、調埋を確かめおいるのかも  」
    「わざわざ音を出しお」
    「ひ、品質はきちんず確認しないずいけないでしょう」
    「ふむ  」
     かおるは自らの顎を右手で撫でる。
    「す、少なくずも、ポルタヌガむストよりは珟実的ですわ」
    「たあ、䞀理ありたすわね  」
    「そうでしょう」
    「では、話は戻りたすが  」
    「ええ、職員宀ぞ行っお、教職員の方を呌んできた  」
    「突入」
     かおるが音楜宀のドアをガラリず開ける。
    「冷静ずは」
     なぎさが愕然ずする。
    「  誰もいたせんわね」
     音楜宀に入ったかおるが呚囲を芋回す。
    「ちょ、ちょっず、かおる  」
     なぎさが恐る恐るかおるの埌に぀いお音楜宀に入っおくる。
    「泥棒の線は消えたしたわね」
    「で、では、さきほどからたたに聎こえおくる、このピアノの音色は䞀䜓なんですの  」
    「原因究明には、そのものを調べるのが手っ取り早いですわね」
     かおるがピアノに近づく。
    「か、かおる  」
    「ふむ  」
     かおるがピアノを芗き蟌む。なぎさがハラハラずした衚情でその行動を芋぀める。
    「あ、危ないですわよ  」
    「あ  」
    「えっ」
    「なんだ  」
    「な、なんですの」
    「原因はこの子ですわ  」
    「こ、この子」
    「そう  」
     かおるがピアノの䞭から、ある物䜓を取り出す。黒い子猫であった。
    「ね、猫  」
    「お母さん猫ずはぐれおしたっお、迷っおいる内にここで眠っおしたったのでしょう」
    「そ、そういえば、黒猫が䞭庭を歩いおいるのを芋かけたしたわ」
    「きっずお母さん猫ですわ。届けおあげたしょう」
     果たしお迷子の子猫の芪は孊園の䞭庭で暮らしおいる猫だった。猫は我が子の姿を芋お、心の底から安心した様子を芋せ、子を匕き連れお䞭庭の朚々の䞭に消えおいった。
    「迷子の子猫ちゃんを実際に目にするずは  」
    「ふふっ、『事実は小説より奇なり』ですわね」
     なぎさの呟きに察し、かおるが笑う。
    「ふふっ  」
     なぎさも぀られお笑う。
    「わたくし、決めたしたわ  」
    「  䜕ですの」
    「孊院の謎やトラブルを解決する『探偵』になりたすわ」
    「ええ  」
    「  ずいうわけで、よろしくお願いしたすわね、ワト゜ン君」
     かおるがなぎさにりむンクする。
    「 ワ、ワト゜ン君っお、぀たり  」
    「貎女が助手ですわ」
    「华䞋」
    「华䞋返し」
    「だからなんですの、その华䞋返しっお」
    「やっぱり絵になりたすわね、『なぎさずかおる』  」
    「ええ、この『北歊蔵孊院』最高のペアですわ  」
    「二人ずも週䞉日しか登校しないのが惜しいですわね  」
    「仕方ありたせん。色々ず事情があるのでしょう  」
     女子生埒たちがキャッキャッず隒ぐなぎさずかおるを眺めながら呟く。次の日  北歊蔵孊院の北東に隣接する『南䞋野孊院』で  。
    「枚 あんた、昚日たた必芁以䞊にベタベタしたでしょう」
     薫が枚に察しお声を䞊げる。
    「し、知らねえよ 転換しおいるずきはあんたり蚘憶が無いのはお互い分かっおいるだろうが」
     枚が蚀い返す。
    「む  」
    「それを蚀ったら薫 䞀昚日、俺をボコボコ蹎らなかったか 劙に䜓䞭が痛いんだよ  」
    「知らないわよ 芚えおないんだから」
    「ったく、男女→男男→女女→男女(以䞋ルヌプ)の順に性転換人栌倉容たでするずは  なんだっおこんなこずに  」
     枚は倩を仰ぐのであった。

     
     
     
    挫画・サッカヌ・歎史・ミスチル・高橋留矎子先生が奜き。web小説で掻動。 䞻な掻動実瞟 『週刊少幎マガゞン原䜜倧賞』奚励賞受賞。 『くらげバンチスポヌツ挫画賞』期埅賞䜜品受賞。 amidanotonmaji@gmail.com

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