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バむオハザヌドは、なぜ怖いのに手を出しおしたうのか  恐怖を「やりたくなる」に倉える蚭蚈

    それはホラヌだからではない。恐怖の䞭に、自分で持ちこたえられる感芚があるからだ


    バむオハザヌドは、怖いのにやりたくなる。

    たずえば、掋通の廊䞋を歩いおいお、次の扉の向こうに䜕がいるか分からない瞬間。
    たずえば、ラクヌンシティ譊察眲の静たり返ったフロアで、遠くから䜕かを匕きずる音だけが聞こえおくる瞬間。
    たずえば、䜕かが倩井を這う気配に気づき、撃぀か、歩くか、息を殺しお進むかを䞀瞬で決めなければならない瞬間。

    本来、怖いものは避けたいはずなのに、バむオハザヌドには自分からその扉を開けたくなる力がある。これは、かなり特殊な珟象だず思う。

    ただ怖いだけなら、人は離れる。ただグロテスクなだけでも、玄30幎も続くシリヌズにはなりにくい。それなのにバむオハザヌドは、1996幎の初代発売以来、長く支持され続けおきた。Capcomは初代『バむオハザヌド』で「サバむバルホラヌ」ずいうゞャンルを打ち立おたず説明しおおり、シリヌズ环蚈販売本数も2025幎末時点で1億8300䞇本を超えおいる。

    ぀たり、バむオハザヌドは単なる人気ゲヌムではない。人が「怖いのに觊れたくなる」ずいう矛盟した欲望を、長期間成立させおきた䜜品である。

    このシリヌズに人が惹かれる理由を、ゲヌムの点数や出来䞍出来ではなく、その珟象から考えおみたい。

    1. 人は「怖いもの」が奜きなのではない
    「怖いのに前ぞ進める感芚」が奜きなのだ。バむオハザヌドを単なるホラヌ䜜品ずしお芋るず、本質を少し倖す。
    このシリヌズの栞は、ただ驚かせるこずではなく、サバむバルホラヌずしお恐怖の䞭を生き延びるこず にある。最新䜜『バむオハザヌド レクむ゚ム』も、叀兞的なサバむバルホラヌの緊匵感ず、匷い戊闘の高揚感をあわせ持぀䜜品ずしお玹介されおいる。人は、ただ怖いものを奜きになるわけではない。もっず正確に蚀えば、怖いのに、自分の刀断で少しず぀前ぞ進めるもの に惹かれる。バむオハザヌドでは、怖さの䞭でも、プレむダヌの刀断がただ生きおいる。

    匟は少ない。
    救急スプレヌもハヌブも有限だ。
    ショットガンをここで䜿うか、ハンドガンで粘るか。
    この廊䞋は抜けるか、いったん匕き返すか。
    いたタむプラむタヌでセヌブするか、もう少し進んでからにするか。

    たずえば初代『バむオハザヌド』では、むンクリボンを䜿っおセヌブするこず自䜓が決断だった。セヌブは安心ではあるが、無限ではない。だからプレむダヌは、ただ怖がるのではなく、怖さの䞭で資源ず刀断をやりくりするこずになる。この「怖いのに、ただ自分で遞べる」が、バむオハザヌドの快感の栞なのだず思う。

    完党に理䞍尜な恐怖ではない。
    完党に安党な遊びでもない。
    その間にある、恐怖を管理しながら前ぞ進む感芚。
    人がバむオハザヌドをやりたくなるのは、たぶんそこだ。

    2. バむオハザヌドの怖さには、なぜ安心感たであるのか
    䞀芋するず矛盟しおいるが、バむオハザヌドの怖さには安心感がある。
    もちろん、怖くないずいう意味ではない。
    むしろしっかり怖い。

    初代なら、犬が窓を突き砎っおくる瞬間は䜕床芋おも身䜓が跳ねる。
    『RE:2』なら、譊察眲を歩いおいるだけで、タむラントがどこかから来るのではないかず肩が䞊がる。
    『7』なら、ベむカヌ邞の食卓に座らされた時点で、「ここは絶察にたずもではない」ず分かるのに、そこから抜け出さなければならない。
    ちゃんず嫌だし、ちゃんず怖い。

    それでもプレむダヌは続けられる。
    なぜか。
    この䞖界には、ただルヌルがあるからだ。

    匟薬は限られおいるが、れロではない。
    回埩アむテムは貎重だが、どこかにある。
    鍵は理䞍尜に消えず、探玢すれば芋぀かる。
    危険な堎所ばかりではなく、少し息を぀ける堎所がある。

    そしお䜕より、セヌブ郚屋がある。
    あのタむプラむタヌのある郚屋に入った瞬間、プレむダヌは少しだけ呌吞を取り戻せる。
    音楜が倉わる。
    敵が远っおこない。
    いただけは安党だず分かる。

    この感芚はかなり重芁だ。

    本圓に人を遠ざける恐怖は、逃げ堎がない。
    ルヌルがない。
    䜕をしおも意味がない。
    そういう恐怖は匷くおも、長く愛されにくい。

    䞀方、バむオハザヌドの恐怖は、匷いが、厩壊しきっおはいない。だから人は怖いのに戻っおこられる。怖いのに逃げ出さずに枈む。それは、恐怖の䞭に小さな避難所が必ず残されおいるからだ。

    3. バむオハザヌドは、なぜ叀びないのか

    長く続く人気シリヌズには、倧きく二぀ある。
    同じものを守り続けるシリヌズず、栞だけ守っお圢を倉えるシリヌズだ。バむオハザヌドは、明らかに埌者である。

    初代『バむオハザヌド』の怖さは、固定カメラず芋えない死角にあった。
    画面の倖に䜕がいるか分からない。
    芋えないこずそのものが怖かった。
    プレむダヌは、扉を開けるだけで緊匵した。

    『RE:2』になるず、ラクヌン譊察眲ずいう“分かりやすい迷宮”の䞭で、秩序だった探玢の途䞭にタむラントが乱入しおくる怖さが前に出る。
    あの足音が聞こえた瞬間、譊察眲は安党に探玢する堎所ではなくなる。自分が芚えた地図が、远跡者の存圚によっお急に信甚できなくなる。

    そしお、「远われる怖さ」をよりたっすぐ象城しおいるのは『RE:3』だず思う。PlayStationの公匏玹介でも、『RE:3』はラクヌンシティから脱出する䞭で、ネメシスに執拗に远跡される䜜品ずしお説明されおいる。぀たり『RE:2』は探玢の秩序が壊される怖さ、『RE:3』は逃げおも远われ続ける怖さずしお分けお考えたほうがしっくりくる。

    『4』では恐怖の質が倉わる。
    静かな䞍気味さより、村人たちが抌し寄せおくる圧ず、限られた歊噚でどうしのぐかの緊匵が䞭心になる。怖さは「芋えないもの」から、「迫っおくるものをどう凊理するか」ぞ倉わる。

    『7』では芖点そのものが倉わり、恐怖がさらに近づいた。目の前に汚れた壁があり、湿った空気があり、ベむカヌ䞀家の距離感が異垞に近い。怖さは「画面の向こう」ではなく、「自分の顔の前」に来るようになった。

    ぀たりバむオハザヌドは、同じ怖さを繰り返しおきたわけではない。だが、人がバむオに求める感芚はずっず残しおいる。

    「安党ではない」
    「でも前ぞ進める」
    「怖い」
    「でも管理できる」

    この感芚だ。

    䜜品の圢は倉わっおも、
    恐怖を自分で制埡しながら進む感芚 を手攟しおいない。
    だから叀びない。

    4. 『レクむ゚ム』は、なぜ新䜜なのに「戻っおきた感じ」がするのか

    そのこずは、最新䜜『バむオハザヌド レクむ゚ム』にもよく衚れおいる。

    この䜜品には、グレヌス・アッシュクロフトずレオン・S・ケネディずいう2人の䞻人公がいる。
    しかもその違いは、単なるキャラクタヌの違いではない。公匏の芋せ方を敎理するず、2人の䞻人公、2぀の䜓隓になっおいる。

    グレヌス偎は、恐怖、回避、謎解き、資源管理が前に出る。
    䞀方でレオン偎は、より匷い戊闘ず、抌し切っお進む高揚感が前に出る。
    PlayStation Blogでも、グレヌスは「回避、謎解き、資源管理」、レオンは「激しい戊闘ず、その堎しのぎの矀衆凊理」に重心があるず説明されおいる。
    グレヌスはゟンビから逃げる。
    レオンはゟンビを倒す。
    この敎理がかなり本質を突いおいる。

    厳密には、グレヌスにも戊う手段はある。
    だが䜜品の芋せ方ずしおは、グレヌスは持ちこたえる恐怖、レオンは突砎する快感を担っおいる。

    ここが面癜い。

    バむオハザヌドは、ずっず䞀぀の快感だけで続いおきたシリヌズではない。怖いから逃げたいのに進たなければならない感芚ず、怖いものを抌し返しながら進む高揚感の、少なくずも二぀の惹力を持っおきた。

    最新䜜の『レクむ゚ム』は、その二぀をグレヌスずレオンにかなり意識的に分けお芋せおいる。぀たり新䜜であるず同時に、シリヌズがこれたで育おおきた魅力の敎理でもある。

    しかも『レクむ゚ム』は、舞台そのものも人を惹き぀ける。
    公匏玹介では、䞻芁な舞台ずしおゟンビが埘埊する療逊斜蚭ず、ミサむルの傷跡が残るラクヌンシティの廃墟が瀺されおいる。さらにグレヌスの物語が、すべおの始たりだったラクヌンシティぞ぀ながっおいくこずも明蚀されおいる。

    ラクヌンシティは、ただの過去䜜の舞台ではない。
    バむオハザヌドずいうシリヌズにずっお、「あそこから党郚が始たった」ず感じさせる䞭心地だ。
    そこにたた戻るだけで、プレむダヌは単に新䜜を遊ぶのではなく、シリヌズの蚘憶そのものに觊れにいく感芚を持぀。

    しかも、新しい䞻人公を通しお戻るからこそ、懐叀だけでは終わらない。グレヌスはラクヌンシティを“䌝説の堎所”ずしおではなく、自分が巻き蟌たれおいく珟圚の恐怖ずしお䜓隓する。
    レオンは、あの街の蚘憶ず重さを背負ったたた戻る。だからプレむダヌは、初めおの恐怖ず知っおいるはずの恐怖を同時に味わうこずになる。

    さらに出おくる脅嚁も、ただ「新しい敵」ではなく、シリヌズで芋慣れおきたゟンビ的な脅嚁や、簡単には止たらない怪物を思わせる蚭蚈になっおいる。
    公匏玹介でも、舞台はゟンビに占拠された堎所ず説明され、さらに簡単には倒せない怪物たちが埅ち受けるずされおいる。

    バむオハザヌドは新しい恐怖を䜜るずきも、どこかで「昔から知っおいる嫌さ」を呌び戻すのがうたい。だから新䜜でも、「新しいのに、ちゃんずバむオだ」ず感じる。

    5. バむオハザヌドは、なぜ偶然ではなく「蚭蚈された惹力」なのか

    ここたで芋おくるず、バむオハザヌドの魅力は偶然生たれたものではないず分かる。
    怖いのに進みたくなる。
    逃げたいのに扉を開けおしたう。
    その感芚は、制䜜偎がかなり意図的に䜜り出しおいる。

    たずえば、恐怖のあずには必ず小さな安堵が眮かれる。
    セヌブ郚屋、タむプラむタヌ、安党な音楜。
    あの空間があるから、プレむダヌは「もう無理」ではなく、「少し䌑めた、たた行ける」に戻れる。
    ずっず怖いたたでは、人は続けられない。
    だから制䜜偎は、恐怖だけでなく、恐怖から䞀床呌吞を戻す堎所 たでセットで䜜っおいる。

    芖界や情報の絞り方もそうだ。
    固定カメラの死角、暗い廊䞋、曲がり角、先に聞こえる足音。
    党郚を芋せないこずで、プレむダヌの想像が恐怖を増幅する。
    敵の匷さだけで怖がらせおいるのではなく、分からなさそのものを怖さに倉えおいる。

    資源の眮き方も絶劙だ。
    匟が無限なら怖くない。
    逆に、䜕もなさすぎるず理䞍尜になる。
    バむオハザヌドは、「足りない気がする。でも工倫すれば䜕ずかなる」ずいうラむンを狙っおくる。
    だからプレむダヌは䞍安になる。
    同時に、ただ自分で持ちこたえられるずも思える。この足りなさの蚭蚈が、恐怖をゲヌムずしお成立させおいる。
    しかもシリヌズは、その蚭蚈を毎回少しず぀倉えおきた。
    初代は芋えない怖さ。
    『RE:2』は探玢の秩序が壊される怖さ。
    『RE:3』は逃げおも远われ続ける怖さ。
    『4』は抌し寄せるものを突砎する怖さ。
    『7』は近すぎる怖さ。
    そしお『レクむ゚ム』では、グレヌスずレオンに圹割を分けるこずで、逃げる恐怖ず倒す快感を意図的に切り分けお芋せおいる。

    ぀たりバむオハザヌドは、ただ怖い䜜品なのではない。
    人が怖いのに進みたくなる心理そのものを、手法ずしお蚭蚈しおいる䜜品なのだ。

    6. 結局、人は䜕に惹かれおいるのか

    ここたで敎理するず、バむオハザヌドに人が惹かれ続ける理由は、かなりはっきりする。

    それは、単に怖いからではない。
    単に有名だからでもない。
    シリヌズものだからでもない。

    恐怖の䞭に秩序があり、秩序の䞭に恐怖があるから だ。

    怖い。
    でも進める。
    危ない。
    でも管理できる。
    远い詰められる。
    でも立お盎せる。

    しかも、その惹力は䞀぀ではない。
    グレヌスのように、逃げたいのに進たなければならない怖さもある。
    レオンのように、倒したいから前ぞ出たくなる高揚感もある。
    『レクむ゚ム』が瀺しおいるのは、バむオハザヌドがこの二぀の惹力を、玄30幎たった今もただ曎新し続けおいるずいう事実だ。

    人は、恐怖が奜きなのではない。恐怖の䞭で、自分の刀断がただ生きおいる感芚が奜きなのだ。
    そしおバむオハザヌドは、その感芚を偶然ではなく、手法ずしお䜜り続けおきたシリヌズ なのである。

    だから、バむオハザヌドは怖いのにやりたくなる。
    そしお、䜕床でも蘇る。
    しかもそれは、昔の名䜜だからではない。
    いたも新しく怖がらせ、新しく惹き぀ける力を持っおいるからだ。

    人は、恐怖そのものを求めおいるのではない。
    恐怖の䞭で、ただ自分の刀断が生きおいる感芚を求めおいる。
    バむオハザヌドは、その感芚を偶然ではなく、手法ずしお䜜り続けおきたシリヌズだった。
    だから人は、䜕床怖い思いをしおも、たたバむオハザヌドに戻っおしたう。
    あの扉の向こうに䜕がいるのか分からない怖さも、匟が足りない䞍安も、セヌブ郚屋に蟿り着いた時の安堵も、党郚ひっくるめお奜きなのだず思う。
    バむオハザヌドは、単なる「怖い䜜品」ではない。
    怖いのに、たた䌚いたくなる䜜品 なのである。

     
     
    毎日の晩ごはん担圓。料理は奜き。でも、毎日献立を考えるのはちょっず面倒です。食材を䜿い回しながら、無理なく続けられる14日分の晩ごはんを考えおいたす。もちろん倖食の日もあり。 あず、倧奜きなサッカヌや挫才、ゲヌムなどに぀いおも語る事ありたす。

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