
日常の断片 ~バターはすべてを美味しくする~
私はパンやホットケーキなどの粉物が好きなんだと思っていた。
だが、某高級ホテルのラウンジで頼んだホットケーキに、
生クリームとフルーツが乗って来た時、全然嬉しくなかった。
そこで悟った。
私はバターを食べるために、
パンやホットケーキを添え物として食べているのだと。
クリームだけが添えられたホットケーキにはときめかない。
私の中では、ホットケーキとバターは二つ揃って完成品なのだ。
おもえば、明治生まれの祖母はバターが大好きだった。
そして、北海道出身の母もじゃがバターで育っている。
私もその血をしっかりと受け継いでいる。
子供の頃から、卵かけご飯より、バターかけご飯が好き。
炊き立てごはんに、バターの塊とお醤油をはらり。
ごはんの熱でだんだんと溶けていくバター。
溶けたバターがお醤油とマリアージュするワクワク感。
そして、なんともかぐわしい香り。
もはやアロマでしかない。
そう、私は自他ともに認める「バタ子」さんだ。
親しい人なら、「要らないならちょうだい」と、
余っているバターにも遠慮なく手を伸ばす。
普段は、カルピスバター(業務用)を愛食しているが、
一度品薄になり、切らしたことがある。
その際、某大手メーカーさんの業務用を求めたが、
やはり私は白いバター派のようだった。
以来、我が家の冷蔵庫には、スペアタイヤよろしく、
バターが常備されている。
我が家の狭い冷蔵庫で鎮座ましましているスペアバターさまに、
冷たい視線を向ける人もいるけれど、
“バターのない冷蔵庫なんて、愛のない結婚生活と同じ”
だと私は思っている。
そして、
“バターはすべてを美味しくする”
これは、絶対的な真理だと思う。
“ああ、バター。
あなたはどうして、こんなにも美味しいの?”
とジュリエットのように目を輝かせながら、
今日もバターのしみ込んだトーストで一日が始まる。