みんな大好き!アニメージュ文庫 昭和ラノベ栄光の軌跡
ビデオが普及していなかった80年代前半、アニメは生放送を脳裏に焼き付けねばなりませんでした。お気に入り番組を見逃すことは、文字通り「死」を意味します。放送が終了すると、夕方の再放送をひたすら願うばかり。
そのため大好きな作品を忘れないためにも雑誌や資料を買い込むことになるのですが、小学生のお小遣いでは苦しい出費でした。そんな折、380円というアニメージュ文庫の登場は本当に有難かったです。
今回は数々の名作を送り出した「ポケットに入れたアニメ」アニメージュ文庫の魅力とその想い出を綴ります。
★僕の所持品以外、明記のない資料はヤフオクやアマゾン、海外のまとめサイトなどからの転載となります。ご了解下さい🙇

古本屋で100円のを見かけると手当たり次第に買ってました😁
❶昭和アニメ小説の意義

『機動戦士ガンダム』の制作中に過労で入院した安彦良和先生が手がけた、記念すべき初小説作品。アニメノベライズではありませんが、この作品がアニメージュ文庫創刊の一つのきっかけになったと思います。
1973年生の僕がアニメを見出したのは1977年ぐらいからなのですが、この頃のアニメは毎週のTV放送26回でその物語が完結するのが基本でした。続編が制作されるような人気作は極めて限られていたのです。詳しい設定資料集や外伝OVAが定番に前の時代ですから、主人公や人気キャラクターの「その後」や詳細なバックストーリーは脳内で補完するしかなかったんですね。
それを補う形で登場したのがアニメノベライズでした。アニメビデオが天文学的な値段で販売されていた時代ですから、手っ取り早く内容を回想するのにもちょうどよかったんです。小説版は原作アニメをより掘り下げて描写していたので、作品の世界感やキャラクターを深く知ることが出来ました。
しかしノベライズは独自解釈の作品ばかりか、完全なパラレルワールドの物も多かったのでした。富野監督が自ら執筆した『機動戦士ガンダム 全3巻』は衝撃的で特に記憶に残っています。セイラさんがアムロとの「にゃんにゃん」や「❤なオケケ」をエサにして、狂った兄貴シャアの殺害を催促するという内容で鼻血が出ましたよ😍これ以降セイラさんを見る目が全く違ってしまって、
😲「セイラさんってこんな鬼畜キャラだったんだ」
と、とんでもない偏見を受け付けられたりしました。

本文挿絵は青鉢芳信氏。


また当時のアニメ小説は子ども向け、いわゆるジュブナイル小説のカテゴリーに分類されていました。これは90年代に黄金時代を築くことになる「ライトノベル」に比べても一段下に見られていたように思います。そもそもアニメの社会的地位が今よりずっと低かったので、その小説版は更に下の評価しか与えられてなかったのでした。現在本屋さんで花形の場所に陣取っているラノベと違い、児童書の脇にちょこっとだけ並べられていた記憶があります。
名作も多数発行されてますし、ファンだった方には申し訳ないのですが、このジャンルの草分けである1975年創刊の『ソノラマ文庫』は子供心にも安っぽく見えました。本屋さんで並んでるのをみるとあからさまに装丁が雑で、デザインも野暮ったかったですね。ラノベの命とも言えるカラーイラストや挿絵も少なく、そのポテンシャルを十分活かしていたとは言えなかったと思います。何より致命的なのは紙質が粗悪だったことでした。(古い緑の背表紙の頃の話で、白の背表紙になって改善されましたが💦)これでは
😩「同じ値段ならマンガ買うかなあ」
という時気分になっちゃいますよ。
どうしても欲しくてお小遣いをやりくりして買った『巨神ゴーグ』や『宇宙船サジタリウス』は内容はともかく、カラーページが1ページもなくて相当がっかりした記憶があります。ソノラマ文庫は名作も多く僕もドハマりして多数購入してますが、あくまで当時のアニメ小説は「読み捨て」を前提とした子ども向けという位置づけだったのでした。













どんな時でもMSXネタを挿入するのが僕のポリシーです😁
これに対して1982年に創刊された『アニメージュ文庫』は、製錬された装丁と本誌譲りの魅力的な表紙という、新世代アニメノベライズとして誕生しました。美しいセルを利用したカラーページがふんだんに使われ、人気アニメーターの描く挿絵も充実していましたね。また執筆者がアニメ本編の監督や脚本担当だったので、作品の世界を忠実に再現してくれていたのも嬉しかったです。
初期の『アニメージュ文庫』は背表紙の色でジャンル分けしていたので、本棚に並べるとこれがまたカラフルでカッコいいんですよ。本棚が少しずつ埋まっていくと、それだけでいっぱしのアニメファンになったような気分に浸れました。やはりアニメ小説が中心でしたがフィルムコミック、ムック、スタッフの手記など内容も多岐にわたって楽しめました。あの頃アニメ好きの友達の本棚を覗くと、大体10冊ぐらいはストックしていたものです。









一世を風靡した『アニメージュ文庫』でしたが、90年代に入ると黄金期を迎えた角川系のライトノベルに押される形で勢いを失っていきます。アニメ的なキャラクター造形とファンタジーゲームが融合した、新世代ライトノベルが台頭してきたのですね。この時期の角川メディアミックス戦略は徹底しており、ゲーム、アニメ、マンガ、ラノベが同一の世界で展開される、現在のオタク文化の雛形となりました。その代表格であるオタク文化の最前線・コンプティーク特集はコチラから。
しかしそれでもなお、アニメージュ文庫がアニメの可能性を広げてくれた栄光の軌跡は、決して色褪せないと思うのです。



角川も1989年8月のスニーカー文庫創刊以前はライトノベルの方向性を色々と模索していました。大好きだった『ガンヘッド』三部作やスニーカー文庫ファンタジー路線の源流たる『魔群惑星』シリーズ。僕の中で特別な存在である『ガルフォース』などがそれにあたります。



多数の魅力的なキャラクターが華麗なイラストとともに大活躍するという、角川ラノベのフォーマットは『聖エルザクルセイダーズ』によって確立されたのではないでしょうか。複数のヒロイン、そして女子高生が活躍する学園ものというストーリーは、その後のギャルゲーの要素を先取りしていたとも言えますね。また当時連載中だった「コータローまかりとおる!」を彷彿とさせる学園内の異種格闘技戦もスリリングな展開でした。80年代の色々なエッセンスがぶち込まれた快作です。
イラストはBLACK POINTこと伊東岳彦先生が担当されており、今までのラノベでは考えられないほどの量の挿絵を提供しています。可憐な美少女と迫力あるアクションシーンを得意とする伊東先生と著者の松枝蔵人先生の呼吸はバッチリで、連載中にお互いがスウィングしていたことが誌面から伝わってきました。イラストレイターと作家による一つの世界観の構築は、その後の『スレイヤーズ』などにも引き継がれていったように思います。


❷忘れじのアニメージュ文庫
アニメファンなら誰もが「主人公のその後」や人気キャラクターの過去エピソードを知りたいですよね。当時はアニメの情報自体が少なかったので、よりその欲求が強かったと思います。そのニーズにピンズドのタイトルが次々と発行されファンを狂喜させました。それでは僕がお世話になったバックナンバーを紹介しましょう。
『超時空要塞マクロス』シリーズ

1984年『早瀬未沙・白い追憶』
1983年アニメージュの「アニメグランプリ」女性キャラクター部門で第1位を獲得し、当時のアニメファンから絶大な人気を集めていた早瀬 未沙。その憂いを帯びた眼差しに恋焦がれた人も多いんじゃないでしょうか。彼女の過去を描いた『白い追憶』は、マクロスファンなら読んでない奴はモグリとまで言われた傑作です。
悲しすぎる初恋の結末から、軍の中で藻掻くように苦しい日々を送る未沙。それはあまりにも壮絶な『追憶』でした。終盤酒に溺れる未沙の姿はあまりにも切なかったです。物語は彼女がマクロス乗員訓練センターの募集を知るシーンで終わっているのですが、これを読み終わった後でマクロス本編を視聴し直すと、より未沙ちゃんを応援したくなっちゃいます。
元々早瀬未沙は恋敵のリン・ミンメイと対極のキャラクターとして設定されていましたが、構成を担当した河森正治氏がここまでのバックストーリを既に構想していたことに驚かされました。


1983年4月『夢みるプレリュード My fair Minmay』
こちらはリン・ミンメイのサクセスストーリーに焦点を当てた構成。昭和アイドルだけあってお宝シーン(死語)満載で、ビデオがなかった時代ミンメイちゃんに再会するには購入するしかありませんでした。ミンメイファンなら必携の一冊です。


1983年8月『マクロス・ラブ・ストーリー』
劇場版の公開直前に発売された、三角関係ラブストーリーを再構成したフィルムブック。冒頭に若き日の飯島真理さんのピンナップ写真が掲載されるなど、編集部の気合いが伝わってきますね。もちろん美樹本晴彦氏によるカラーイラストも多数収録され、アニメージュ文庫のマクロス総決算とも言える内容です。

1985年7月『おぼえていますか』
劇場版『愛・おぼえていますか』のムック本


1984年『美樹本晴彦イラストレーションズ 季節のしおり』
徳間書店より発売されたロマンアルバムの一冊。マクロスとオーガスがメインで、雑誌やアニメグッズ、ポスターなどで公開されたものが中心。この書籍は超ロングセラーとなったのでご覧になった方も多いのでは。





1989年『美樹本晴彦セル・ワークス』
アニメージュ文庫末期に発売された、美樹本先生ヒロインの総集編イラスト集。小さいとは言え80ページを超える大ボリュームなのに、何とワンコインでお釣りの来る400円。貧乏高校生だった僕も昼飯を抜いて、速攻レジに持っていきましたよ。今手元にあるんですが、やはり先生の描く美少女は別格の美しさです。




アニメージュ本誌の表紙も幾度も飾りました。



『魔法のプリンセス ミンキーモモ』



1984年11月『それからのモモ』
伝説の魔法少女アニメ『魔法のプリンセス ミンキーモモ』。モモちゃんが終盤魔法の力を失い、ついには交通事故で命を落としてしまうという展開は本当に驚かされました。結局モモちゃんが人間に生まれ変わるというファンタジックなラストを迎えるのですが、ファンだったら誰もが「その後」を知りたくなりますよね。
『それからのモモ』は人間に生まれ変わり、12歳の誕生日を迎えたモモちゃんのお話。魔法は使えなくてもモモちゃんのやさしい心根はそのままで、トラブルに巻き込まれるのも相変わらずです。本編の脚本を担当した首藤剛志氏の幻想的な世界を、わたなべひろし氏の暖かいイラストが包み込むような一冊でした。全編にわたってカラーイラストが挿入され、アニメ小説と言うより絵本に近い構成です。しかし児童書とも違う「アニメ世界を丸ごと文庫にした」本作は、アニメ小説の新しい可能性を示唆した傑作だと思います。

1983年4月『いつかきっと PEACH BOOK』
セル満載のファンブック。後半の解説では何とモモちゃんが魔法で制作スタッフに変身し、修羅場を体験する超展開も。




『戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人(エトランゼ)』
現在では定番のスピンオフ作品も多数発行されました。1981年『戦国魔神ゴーショーグン』はスーパーロボットの世界にギャグと軽快なテンポを融合させた意欲作でしたが、残念ながら視聴率が振るわず打ち切りに。しかしコアなアニメファンからは主人公チームのみならず、濃すぎる敵幹部たちまで人気が爆発。特に美形キャラで超ナルシシストのブンドル情報局長は塩沢兼人さんの熱演も相まって、カルトな人気を博したそうです。

今なら即外伝のOVAが発売されそうですが、まだその市場は成熟していなかったのでした。このままゴーショーグンの世界は止まったまま、静かにフェードアウトしていくかに思われたのですが…しかし放送終了の約一年後、1982年12月に名誉ある『アニメージュ文庫』の創刊タイトルの一つとして突如の復活を果たします。
この仕掛け人は当時アニメージュの編集者だった鈴木敏夫氏で、監督の首藤剛志氏を自ら口説き落として実現にこぎつけたそうです。鈴木氏はガチでゴーショーグンに入れ込んでいたらしく、初版5万部という超強気の発注を仕込んでいたとか何とか。しかしこのバクチは見事に当たり、その後小説版ゴーショーグンは合計8冊にも及ぶ人気シリーズとなったのでした。






巻頭からなにわ♡あいさんの可愛すぎるアニパロマンガが贅沢に収録されていたり、巻末でヒロインのレミー島田が続編の予告をしてくれたりとサービス満点。決めゼリフは勿論
「シー・ユー・アゲイン!」
ちなみに掛け合いのテンポを重視するため脚本形式を採用しているのですが、作中で敵味方のキャラが「会議で提案」するというメタな展開になったりもしてました。元々首藤剛志氏の作風はミュージカルを多分に意識していましたが、ノベライズの世界でこのテイストを確立したとも言えるかもしれません。
その後のゴーショーグンは6人の数奇な運命が描かれていき、最終的に真の元凶にたどり着くという一大叙事詩に発展していくこととなります。そしてこの流れを組んだOVA、『戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人(エトランゼ)』が1985年に満を持して発売されるに至りました。
あの戦いから40年…ヒロインのレミー島田が生死の境目を彷徨う中で、過去と現在を錯綜しながら仲間達との絆を描く物語。原作のギャグタッチは完全に封印され、「生きる」という重いテーマを真正面に問いかけた作風に驚かされました。
ここからは作品内容の核心になるので気になる方は飛ばして下さい🙇
病魔に侵されたレミーは病床に伏しながらも幼少期のトラウマ、精神世界での仲間達との旅、そして最後の戦いへと赴きます。現実世界では壮年となったかつてのゴーショーグンチームが再結集、レミーを助けるためにあらゆる手段を尽くすのでした。絶望の中でも運命に抗い、戦い続けるレミーの姿が胸を打ちます。



『ダーティハリー』顔負けのガンアクションが大きな見せ場に。








本作でレミーは44マグナムリボルバーS&W・M29、しかも銃身が6.5インチという大型タイプを愛銃としています。グリップがS&W純正の木製グリップなのが拘りですね。ホルスターはヒップタイプでガンベルトには革製弾薬ケースがあり、ホローポイント弾を無造作に突っ込んでいる描写がカッコよかったです。
M29の超破壊力の描写は伏線になっていて、しだいにレミーの腕はその強烈な反動でボロボロになっていきます。それでも激痛に堪えながらも撃ち続けるレミー。それは決して諦めることのない彼女の証のようでした。
最終決戦では病魔に侵され瀕死状態のレミーが、精神世界で巨大化した夢魔と戦う展開に。弾丸も尽き、一旦は諦めかけるも仲間たちの存在が彼女を再び奮い立たせます。ブンドルじゃなくても
「やはり君は…美しい」
『ルパン三世』次元大介の超人的なガンアクションとは対極の、泥臭くもドラマチックな演出が物語を引き立ててくれました。


仲間たちが見守る中、死の淵でも精神世界で戦い続けるレミー。



このシーンはガンマニアなら落涙モノ。






さっき超久しぶりに視聴したんですが、齢50過ぎたオッサンがみると涙腺崩壊ですよ。隠れた名曲「時の異邦人」が静かな余韻を残しながら、全てを洗い流していきます。
「♪決められた人生に少しだけ逆らえば 戦う意味のあることに気づくはずさ…」
散々やんちゃをしていたゴーショーグンチームですが、『時の異邦人』では全く違う深みのあるキャラクターに変貌していました。
そう、アニメのキャラクター達も作品を経ることで成長し続けて行くんですよね!70を超え、老齢の域に達したゴーショーグンチームは身震いするほどカッコよかった。
TV放送ではマイナーだった作品がノベライズとして蘇り、その世界をより発展させていく…これは相当熱い展開でした。当時の劇場公開映画パンフレットには、首藤剛志氏の想いを込めた渾身のメーセージが綴られています。

『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『シュナの旅』





1984年3月『風の谷のナウシカ絵コンテ』
クリエイターを推す編集方針だったアニメージュらしく、資料集も多数発行されました。プロを目指していた美大生のアニメの師匠はボロボロになるまで読み込んでましたね。鉛筆で書き込みしていて、埋まっていくと新しいのを買い直していました。アニメクリエイターを目指す人の教科書だったのかもしれません。
細かい指示書きを読みこんでいくと、映画を観ただけでは分からなかった設定を発見できるのも楽しみの一つでした。「谷に吹いてくる風を利用して、蟲避けになる音を出す高い塔を建てている」などを見つけると、それだけで友達に自慢できましたよ。
ちなみに幼馴染のFM7くんとは「🤔ナウシカとアスベルは果たしてくっつくのか」という話を延々議論してました。まだ原作が4巻までしか発行されてなかった頃ですね。それを聞いていたアニメの師匠がニヤニヤしながら、絵コンテのあるページを指さして断言してました。
😁「そりゃ無理だろ、宮崎さん完全にナウシカに入れ込んでるからな。」
その後のインタビューでは当初ナウシカのお相手になるはずだったらしいのですが、宮崎さんが「くっつきそうだからあえて外した」とのこと。アスベルかわいそ過ぎんだろ!😁





過去作を積極的に取り上げてくれたのも嬉しかったです。特にコナンはあまり再放送されなかったので、記憶を手繰る唯一の手段でした。
1986年5月『小説 天空の城ラピュタ』
FM7くんと渋谷の映画館に見に行った帰り、当日のゲーセンの軍資金で速攻で買いました。僕らはしょちゅう参考書代をゲーセンの軍資金にマネーロンダリングしてましたが、それ以上の魅力があったんですよ😅冒頭から宮崎駿さんのカラーイラストが満載で、それだけで得した気分になれました。




1987年7月『巨神兵を倒せ!ナウシカゲームブック』
全国3000万人のゲームブックファンの皆様、おまたせしました!🎉アニメファンなら誰もがアナザーストーリー「もう一つの物語」に憧れますよね。これは本来ゲームが最も得意とする筈なのですが、この頃のキャラゲーは地雷であることは誰もが先刻承知。ワンワンなパニックとか東北の拳とか…😅そんな訳で登場したのがアニメ原作のゲームブック。アニメージュ文庫からの登場となれば、第一弾はもうナウシカしかありえませんよ!
『巨神兵を倒せ!』ってタイトルだけで原作ファンなら怒ちゃいそうですが、これは映画版の、更なるパラレルワールドという雰囲気でした。例えばキツネリスのテトに
「私、この子の名前、テトにするわ。」
「知恵の神(テト)ね、そりゃいい」
と、アスベルとの会話で独自設定が出てきたりします。アスベルと言えば念願の?二人っきりで腐海を旅し、巨神兵を倒す展開なのですが、これがまた原作より悲惨な扱いなんですよ。死んでもフラグにチェックを入れるだけで、ナウシカが悲しむセリフも一切ないまま、しれっとそのままゲームが進行していきます。一応ラステルとの再会を果たし、ナウシカとの三人の会話が挿入されるなど見せ場もあるんですが…ちなみに最終ボスは巨神兵じゃなくて、クシャナ殿下との夢の一騎打ちが楽しめます。





最大の魅力は冒頭のルール説明に、ふくやまけいこさんのイラストが使われてることなんです。これがまたカワイイんだ😍カラーセルや挿絵もふんだんに挿入されていて、ナウシカファンの方なら是非遊んでもらいたい一冊です。






1987年12月『天界の迷宮 天空の城ラピュタゲームブック』
となれば第二弾はラピュタしかないでしょう。今作は原作の世界観をかなり踏襲していて、映画で「こうなったら」というIFを存分に楽しむことが出来ました。果たして映画を超える「真のエンディング」に辿り着けるでしょうか?



1983年6月『シュナの旅』
オリジナルの作品も多数発売されました。個人的に宮崎駿先生の最高傑作と疑わないのが『シュナの旅』。もうね、アニメでも小説でもない独自の世界に惹き込まれましたよ。仲間や弱者のために命を懸ける王子、添い続ける献身的なヒロイン…全てが古典的ですが、それゆえ誰もが共感できる感動があったと思います。
確か小学校4年生の塾の帰りに本屋さんで立ち読みして、自我を失ったシュナが言葉を取り戻したシーンで嗚咽が止まらなくなりました。そしたら顔なじみの店員のお姉さんが
「解るわ…」
とやさしく声をかけてくれて、恥ずかしさのあまりそのままお店を飛び出してしまった甘酸っぱい記憶があります。翌日500円玉を握りしめて買いに行くと、笑いながらカバーを掛けてくれたっけ。





『永遠のフィレーナ』




1984年から本誌アニメージュの長期連載された、首藤剛志氏のオリジナル大河ファンタジー。女でありながら男として育てられた奴隷戦士・フィレーナ。己が王国唯一の継承者であることを知った彼女は、女であることを隠すために同じ境遇の愛玩奴隷少女・リラを妻に迎え、王国再建の旅に出る…
ここまで書くと「いかにも狙った」設定のようですね。しかし物語は「自分たちはなぜ生まれたのか。」を問う重厚なテーマに帰着していきます。首藤剛志さんは「生きる力」を一つのテーマにしていて、前述した「時の異邦人」でもその世界を描いていました。
『永遠のフィレーナ』はOVAやスーパーファミコンなどメディアミックス展開もされましたが、残念ながらヒットには至りませんでした。これは本作の重すぎるテーマが、別の媒体では受け止めきれなかった結果だと思います。ゲームが発売された1995年頃、角川のメディアミックス戦略は全盛を迎えていましたが、アニメージュ文庫とは決定的な差がついてしまった印象でした。
しかし80年代のライトノベルが試行錯誤の中で何を目指そうとしたのか…それを窺い知ることの出来る傑作だと断言できます。
『ぼくたち13人 銀河漂流バイファム』





1983年放送の『銀河漂流バイファム』は僕が当時最もハマっていたアニメでした。それは13人のキャラクターたちが誰よりも輝いていたから。僕はジェイナス号の14人目のクルーになりきり、一緒に戦い、悩み、冒険するような感覚で視聴していました。このときの心境は以前紹介させてもらいました。
それだけに放送が終了すると、一気に「バイファムロス」の状態に。当時はビデオデッキなんて持ってなかったでしたから
😞「あーあ、またロディ達に会いたいなあ」
とため息をつくばかり。その後約2年の時が経ち…彼らの記憶が薄れかけていた1986年、突如として発売された『ぼくたち13人』を行きつけの本屋さんで発見した時は、速攻でレジに持っていきました。
これがまた超名著で、アニメージュ文庫の中でも忘れられない一冊になりました。冒頭から特撮&アニメライターの草分けだった池田憲章氏の激熱なメッセージが挿入されています。もう「バイファムが好きで作っちゃいました😘」というのがビンビンに伝わってくるんですよ。
構成も超贅沢で「ぼくたち13人の思い出ノート」と題したセル画編集から始まり、豪華なイラストギャラリー、スピンオフ作品集と続いていきます。フィルムコミックが最終回の「いつまでも13人」なのが解ってますね。僕はケンツ推しだったので、野沢雅子さんの「ケンツ大好き!」と題したインタビューは特に嬉しかった。当時既にベテランだった野沢さんが、凄く気持ちを込めて演じてくれたことが伝わってくるんです。
「以前やったガンバに心が似ているような…とても素直に気持ちの言える子。こんなに褒めたから、今頃顔を赤くしてるんじゃないかしら😉」
他にも17歳になったマルロとルチーナが大暴れするスピンオフ小説や、シャロンのケンツに対する淡い想いを描いたオリジナル漫画など盛りだくさんの内容。さっき読み直したんですが、なんか詰め込みまくったファン同人誌ぽい気もしますが…😅しかし全編にわたっての「バイファム愛」は本物で、当時のアニメの熱気を余す所なく今に伝えてくれています。






❸アニメージュ文庫名作展
このノリでやっていくと『ガラスの仮面』ばりに永遠に終わらないので…残りはダイジェストでお送りします😅
1984年『名探偵ホームズ』
宮﨑駿監督が演出と監督を担当した6タイトルのエピソードを編集したもの。カラーページ満載のフィルムストーリーが嬉しいですね。かなり充実した資料集になっています。


1984年『未来警察ウラシマン倶楽部』





1985年『機動戦士Zガンダム』



1985年『重戦機エルガイム 私の名はギャブレー』





1985年『おやすみ!わたしのサイボーイ』 佐藤 元

1986年『デジタル・デビル・ストーリー 女神転生』
あの女神転生の元祖はアニメージュ文庫なんですよ。ゲームが圧倒的に有名ですが、OVAも発売されています。




1987年『そんなことないよ 魔法のスター マジカルエミ』




1988年『ザ・ファーストレッドショルダー 装甲騎兵ボトムズ』



1988年『ラインハルトとヤン 銀河英雄伝説-わが征くは星の大海-』



1988年『アニスにおまかせ!超音戦士ボーグマン』







1988年『麗しのアラミス様 アニメ三銃士』


1988年『オスカル白き薔薇の肖像 ベルサイユのばら』


1988年『ライトピンク 北爪宏幸アートコレクション』



1989年『烈火の懐 鎧伝サムライトルーパー』
高校生の時、憧れだった腐女子の先輩にプレゼントしました🤭


1989年『無敵少女ラミー』
破邪大星ダンガイオーの原案になったマンガ。バイオレンス描写を得意とした石川賢先生と『超時空要塞マクロス』の女性キャラクターの色気が評判だったというアニメーター平野俊貴先生という異色コンビ作品です。


1989年『ミスター味っ子 うまいぞーBOOK』


1989年『マージナル・マスターズ』

1990年『プリンセス・ナディア ふしぎの海のナディア』






1990年『あたしのアルフォンス 機動警察パトレイバー』




1993年『成層圏気流 ザ・コックピット 1』
松本零士先生のライフワーク「戦場まんがシリーズ」を忠実に再現した超傑作アニメシリーズ。無名兵士の生き様を描いた3つの戦場ドラマ。1とのナンバリングがあるので続編を期待していたんですが…「音速雷撃隊」や「鉄の竜騎兵」も出してほしかった。
もうこの時期アニメージュ文庫は発行数が相当落ちていて、売上が良くなかったので御蔵入りになってしまったのかも😭



1998年『薔薇の記憶 少女革命ウテナ』


❹皆さんから頂いている「幸せ」



いかがだったでしょうか?今回の切っ掛けは夭折したアニメの師匠の墓参りでした。
🤔「そう言えば師匠は『時の異邦人』が好きだったなあ。」
そう久しぶりに視聴したのが運の尽き。深夜一人でガチ泣きするほど感動してしまいましたよ。正直に言うと小学生の時に師匠に見せてもらった時は、イマイチ面白さが理解できなかったんですね。出てくるのはオッサンばっかだし、ゴーショーグンは出てこないし、レミーの陰鬱な過去が延々繰り返されるばかり…そう文句を言う僕に師匠はこう答えるのでした。
「いつか…お前にも解る日が来るさ。」
師匠は先天性の重い持病を抱えていたので、よりレミーの心境を理解できたのかもしれません。
そして奇しくも作中の設定と同じ40年の時が経ち、僕はすっかりボロボロのオッサンになってしまいました。あの時師匠がどんな想いで視聴していたのか…それが痛いほど解るのです。病床に伏した師匠は、レミーのように雄々しく戦っていたに違いありません。
「コイツはな、TVでこそ人気がなかったが小説で火がついて、劇場公開にまで上り詰めた曰く付きなんだぜ。」
こうドヤ顔で語る師匠の姿が思い浮かびます。師匠!やっぱり貴方は正しかった!

そしてもう一つ思い出したこと…それは師匠が最後まで僕に語ってくれたのが、大好きなアニメだったことです。作品を見た感動を人に聞いてもらえるのって何よりの幸せなんですね。どうしようもなくバカな僕は、そのことをあの時気付いてあげられなかった…
ただ一人、深夜の自室でそんなことを考えると、何かに突き動かされるように今回の記事を書き始めました。そう、今読んでくれている「貴方」に向けて…
ありがたいことに僕の駄文を多くの方が読んでくれています。それは僕にとって大きな幸せであることを、改めて師匠に教えてもらったんです。僕はこれからも「楽しかったこと」を皆さんに伝えていけたらと誓うのでした。
それでは皆さんSee You Again!
サイボーグMSX
僕は全ての知識がド素人なので、記述で間違いがあればコメント欄でお知らせください。直ちに修正いたします🙇♂️
いつもスキ💛や凍結された僕に変わってのXでの紹介ポスト、暖かいコメントなど感謝です🙇皆さんとの繋がりが次の投稿への励みになるんです🥹
校正も一応やっているのですが、なにか文章でおかしな点があったらコメント欄でご指摘頂けると有り難いです🙇
