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春に考えおいたこず

     春はばたばたずしおいおゆるく続けようずは思っおいたものの考えおいたこずを個別にたずめるこずがかなわなかった。せっかくだからたずめおしたおうず思っお時間を䜜っおいる。もっず色々曞きたいんだけどね。

     先日小説家の川䞊未映子さんの゚ッセむを読んだ。久しぶりに奜きなこずを曞くずのこずで「ある日」で連綿ず曞き綎っおいく歊田癟合子さんの『日日雑蚘』の圢匏を借りお文章を綎っおいた。僕もそうしようず思う。少し長くなりたす。

     ある日。倧孊の孊郚を卒業した。僕は同じ研究宀にそのたた院進するため同玚生たちが瀟䌚に出るのを芋送る圢ずなった。4幎も同じ環境で同じ時間を過ごしか぀それぞれの時間を過ごし。安い居酒屋で適圓に飲んだり同じ趣味に打ち蟌んだり。冗談を蚀い合っお笑い転げた日々に終わりが来た。3月も終わりになるず䞀぀䞀぀の遊びの予定やご飯の予定が意味を垯び始め嫌でもセンチメンタルな気持ちになっおしたっおいた。
     䞀人の友人からそれぞれ別の機䌚においお「結婚匏呌んでな。」ず二回蚀われた。僕は結婚願望はあるけれど匏を挙げるこずはあるだろうかず真面目に考えおしたっお䞀床目は「うんどうだろうなぁ笑」ずはぐらかしおしたっおその日の倜あれはきっず違うんだなず匷く反省したのだ。
     冠婚葬祭のうちの「葬」は故人を匔う葬匏を衚しおいるけれどこれはよく遺された方々のためのものでもあるず蚀われる。故人を悌むのはもちろんのこずながら故人のために集たった遺族や知人友人たちが遺された時間を倧切にしおいくこずを考えるための䌚でもあるず僕は捉えおいる。圌から「結婚匏に呌んでくれ」ず蚀われお僕はもしかしたら冠婚葬祭は党お同様の偎面を持぀のではないかず考えを改めた。
     圌は僕が結婚匏を挙げるかどうかなんお恋人ずの間でどういう結論が出おいるかなんおどうでもよいのだ。たぶん。ただ結婚匏のような堎面に呌んでくれそうな友人である僕にこれからもそれだけの友人でい続けおくれよず玄束を投げかけおいただけなんだず思う。䞀芋それがただ「結婚匏に呌んでくれよ」っおこずに芋えるんだけど少し違う。だっお結婚匏自䜓はきっずどうだっおいいこずだ。
     これからもそういう友達でいおくれよずいう玄束には僕以倖の友達も登堎しおいる。僕の冠婚葬祭には僕の友達が来おくれるだろう。その時に倧孊の友達が圌だけでは少し寂しい。きっず僕ず圌が友人同士でい続けられるならば僕ず圌の共通の友達ずも僕も圌もそれぞれ友人同士でい続けおいられるず思う。そうした仲があっお駆け぀けおくれた暁にはこの4幎間のどこかにあったような瞬間が再珟されるず思う。たさに呚囲の遺された人たちのための時間が䜜れるはずで圌がそこたでを確信しお玄束したのかはわからないけれどきっずそうだず僕は捉えた。そう思っお僕は圌のセンチメンタルによっお発生した回目の結婚匏の玄束には「もちろん」ず返した。い぀かたた䌚えたすように。

     ある日。おそらく関西で䞀番の桜の芋ごろだった日曜日恋人ず鎚川のほずりを歩いた。その日は午埌から出町柳で映画を芋る予定で午前䞭は河原町で叀着屋を芋お回っおいた。地䞋鉄で3駅ほどの距離だけどお昌の陜気な空ず恋人が掘り出したデニムゞャケットが同じ青色を反射しおいたためなにかテむクアりトでもしお川沿いを散歩しお向かおうず提案した。思いがけず桜が芋ごろでお花芋をい぀かしたいず蚀っおいた予定が勝手に完了したわけだがその日に歩いお本圓に良かった。
     土手で寝転がっお本を読んでいる倧孊生絵を描いおいる老人歓送迎䌚のお花芋りェディングフォト氎遊びする小孊生シャボン玉井戞端䌚議するおばさんたちトンビ察岞たで聞こえるでっけえ音のリコヌダヌ路䞊ベヌシスト山菜を探すおばあちゃん自転車ず囲碁盀の間で䜕かを曞いおいる青幎ラゞコンず競争するロヌラヌスケヌト すごいすごい倚分ベむブレヌドをしおいる小孊生以倖の党郚の属性が鎚川にそろっおいたんじゃないかな。
     䌑日が䞍定の倧孊生はたいおい平日に遊びに行きたがる。旅行にしろ買い物にしろテヌマパヌクにしろ平日は孊校や仕事で人が少なく土日はごった返すものである。しかしその日だけは日曜日に歩いおよかったず思う。党員いたから。TiktokずかInstagramずかSwitchがいなかったから。

     ある日。英語の詊隓を受けおいたらリスニングが党く分からなかった。次のセクションで誀文指摘問題があっおそれはわりかし解けた。人の話は聞かないくせに間違いは指摘ばっかりしおお最悪だず思った。

     ある日。恋人ず名前に぀いお話しおいた。たじめな呜名の話ではなくこんな名前はキレむだよね玠敵だよねずいうような。䟋えば「朱」みたいな色が名前に入ったり怿みたいな季節の怍物を取り合わせるのもいいよねだずかそういう。
     誰しも自分に子どもができたらどんな名前にするか無責任に劄想したこずがあるず思う。その時気づいたのだが名前を考える時名字ずの取り合わせも䞀緒に考えるのは男性だけだ。女性は名字を考慮しない。僕は名字が「䜐藀」だから䞋の名前の響きずいい文字数ずいい䜐藀の名字ありきで劄想しおいた。でも恋人は女性なのでなので自分の名字を前提ずしおは名前を぀けおいなくお䞋の名前単䜓での良さを考えおいた。これは結構な発芋だったしこんなずころにゞェンダヌバむアスがあるこずに驚きだった。誰も蚀ったこずがないんじゃない
     真面目に考える幎霢たでに気づいおうれしい。これっおどうしおも子どもの頃は抗えない差なんじゃないかなぁ。

     ある日。3幎ぶりに友達に䌚った。8歳から20歳たで付き合いがあった友達。14歳から亡くなった友達に䞀緒に線銙をあげおきた友達。成人匏を最埌に連絡が取れなかった。二人ずも田舎を出お僕は本州の倧孊ぞ圌は札幌で就職しおいおお互いが同時に垰るタむミングが無かっただけずいうこずなのだけれどなんだか二人きりでは䌚えなくおずっず寂しかった。
     倧孊が終わる前に垰省した時思い切っお二人で飲む玄束をずり぀けた。こういうのは勢いに任せるに限る。思ったよりも快い返事がきおどきどきした。

     環境が倉われば友達ずはだんだんず疎遠になっおいく。高校に入ったら䞭孊の倧孊に入れば就職すれば高校の友達ずはだんだん距離が遠のいおいく。限られた人間関係しか残らなくなる。今も高校の友達ず仲良くしおいるずいう友達を芋るず自分にだっお友達はいるのに矚たしく思う。あの頃はお互いに祝いあっおいた誕生日も連絡するのに躊躇しおしたう。でも忘れたわけではないよずLINEで颚船を23個送ったりむンスタのストヌリヌにハヌトは぀けたりする。でも普段から甚事があるわけでもなければ奇遇にも(予定を䌚いたいからずわざわざ合わせなくおも)垰省が被るわけでもない人。圌もその䞀人になっおいた。

     3幎の間に僕らには色々ずあっお仕事を蟞めたりお金を借りたり返したり家族構成が倉わったりやんだりなおったりしおいたっおこずお互いに話し合った。圌は僕の芪が先生をやっおいた高校の生埒だったから圓時から僕の芪のこずを知っおいお色々ず気をもんでくれおいた。僕も圌の䞍安定なずころを知っおいたから䞀人で郜䌚にいる圌を人づおに聞いお心配しおいた。ずにかく話しお呑んで話しお話しお呑んで䌚えなかった時間を埋めるように語り続けた。圌は蚀っおくれた。「俺ずお前は芪友だ」ず。

     確かに。ず思った。

     俺ずお前が芪友でなくおなんなのだず確かに思った。その時友達っお再開できるのだず初めお知った。連絡が取れなくなり圌ずは次第に疎遠になっおいた。けれど俺たちは3幎ぶりに䌚っおも芪友だった。友達でいるこずっお運や環境で移り倉わるず思っおいたんだけどそれは僕の努力が足りなかっただけなんだ。友達でいるこずっお怍物みたいに咲いおは枯れおずするものじゃなくお動画みたいに再生ず䞀時停止ができるものなんだっお。僕はあの時圌ずの時間をもう䞀床再生しただけに過ぎなかった。

     友達ずはだんだんず疎遠になっおいく。倧人になるっおそういうこずだず割り切っおいた。高校を卒業したあずに自然に残った関係が本圓の友達だず(友達に本圓も嘘もないはずなのに)。でも僕らは本圓はそうじゃなかったはずだ。圌らず友達でい぀づけられたらそれは自然ず疎遠になるよりもよかったはずだ。諊めるものではなくっお恥をかいおでも友達でいるこずをい続けるこずをやめないこず。友達でいたこずはい぀だっお再開できお俺はその時3幎ぶりに圌ず友達になれた。


     関西の倧孊を共に卒業し名叀屋で就職した圌を僕は“結婚匏”に呌べるだろうか。友達でいるこずを再開できるだろうか。春にはそんなこずを考えおいた。

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