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詩 『茶色の空—本当の空が消えた日—』

    Sora

    茶色——それは、フランスでナチスを意味する色。
    茶色——それは、全体主義を意味する色。
    茶色——それは、自由の死を意味する色。

    『茶色の朝』の執筆者、フランク・パブロフに敬意を表す。
    わたしは、排他主義と選民思想に「NO」と叫ぼう。

    綺麗な青空が、汚い茶色に染まらないように。
    切実に願う。


    『茶色の空』

    民衆は今日も旗を振る。
    茶色に染まった一つの旗を。
    「安心、安全、国民ファースト!」
    無意味なスローガンを熱烈に。
    男も女も、老人も、若者も。
    自己陶酔の極みで叫んでいる。
    イッている顔で、目は虚ろ。
    口からよだれが垂れている。
    彼らは同じことしか叫ばない。

    「安心、安全、国民ファースト!」
    彼らの足元には踏みつけられた三色旗。
    自由、平等、友愛の旗が。
    彼らは痛みに気づかない。
    傷つき、苦しみ、踏み躙られて。
    国を追われる人々の。

    「あわれみの心のない、
    悪を恥じ憎む心もない、
    礼節のかけらもない、
    そんな奴は人間じゃない」。
    孟子の叫びも聞こえない。
    「学ぶことの少ない者、
    そんな奴は牛の如く、
    ただ肉が増えるだけ。
    知恵は少しも増えないのに」。
    仏陀の嘆きも届かない。

    わたしは部屋に閉じこもる。
    耳を塞いでも聞こえてくる。

    傷ついた人の嘆きが。
    自分に酔いしれる悪鬼の叫びが。

    部屋の窓から見上げた空は、
    今日も茶色に染まっていた。



    あとがき

    ※この詩は、現実の誰かや組織を名指しで批判する意図ではありません。
    むしろ、理念が空虚化し、誰かの苦しみに鈍感になってしまう社会の空気への問いかけです。
    傷ついた声が、届く世界であってほしい。そんな願いを込めています。

    わたしたちは自由を手にしています。
    時には、自由が翼ではなく、鎖のように重く感じるかもしれません。

    自由を失ってから、その大切さを理解するようでは、遅い。

    映画『スター・ウォーズ』に、パドメ・アミダラという人物がいました。
    彼女は映画の終盤で、こう言っていました。

    「自由は今死にました。万雷の拍手の中で」。

    あなたは、どう感じましたか。

    茶色の朝が来ないように。
    帝国の夜が来ないように。

    わたしは、願っています。

     
     
     

    Sora

     
     
    私の感じた想いを、物語というかたちにして綴っています。あなたの心にそっと寄り添う、やさしい傷薬となりますように。 静かな感情をすくい上げる詩や短編を綴っています。 読書メーターでも本の感想や記録を綴っています。 https://bookmeter.com/users/623744

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