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Photo byフィンセント・ファン・ゴッホ / メトロポリタン美術館

自宅の“におい”に気づけること。

    生活の中での“におい”は結構大切で。
    雨の日は雨の“におい”がするし、山に入ると草木の“におい”がする気がする。
    きっと久しぶりに母校に行けば独特の“におい”がするだろうし、阪急梅田の高架下はドブの“におい”がすることで有名だ。

    “におい”は記憶を呼び覚ます効果もあるらしく、「プルースト効果」と呼ばれ、エビデンスもあるらしい。

    ただ、この“におい”というものは結構難しくて、いつも同じ“におい”を感じ取ってくるとどんどん感度が下がってくる。
    温度や気温は慣れないけど、“におい”は割と慣れてくる。つまり、“におい”を感じなくなる。

    “におい”をあえて強引に“記憶”とするならば、記憶は過去系だからこそ意味を持つ。記憶の矢印は過去に向く。そして“におい”も過去に向くと捉えてみる。この偏見に則ると、未来に“におい”はない。

    未来に対して“におい”を感じるということは、あなたの経験の中に“におい”を感じる感度があるからだ。

    あなたの感じることの出来る“におい”はあなたの生活と密接につながっている。

    最も難易度が高いのが「自宅の“におい”に気づくこと」だ。
    久しぶりに実家に帰ると「実家の“におい”」がする。ここで過ごした日々がよみがえる。

    自宅の“におい”に気づくのはとても難しい。
    だって毎日帰るし。特にリビングなんて家の中心だ。気づけるはずがない。

    何かに熱中している時は、“におい”なんて必要ない。
    けど、何かに立ち止まってしまう時に“におい”は必要だ。“におい”のおかげで思い出せるものが沢山ある。

    いつか私は自宅のリビングの“におい”を感じ取る日が来るのかもしれない。
    それがいい日なのか、わるい日なのか、まだ分からない。

    けど、少なくともその日までは生きている。

     
     

    四隅

     
     
    ヒョウゴニイルヨ

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