
人は見たいものを見る①「モノトーンなメリーゴーランド」
別に、わかった顔をしているつもりはない。
ただ、大きな挫折をしたことがある人は、 きっと共感してくれる思う。
メリーゴーランドのように、同じ過去に囚われぐるぐると自分を摩耗していく。
あの時こうしていれば。 なぜあんなことを言ってしまったのか。
あのチャンスを掴んでいたら、今頃どうなっていたか。
失敗した場面が、繰り返し再生される。
あの人に言ってしまった、あの一言。
手を伸す準備をできていなかった、あの機会。
過去は変わらないから、当然答えは出ない。
それでも止められなかった。
「考える」というのは、本来前に進むための行為のはずだ。
問題を解決するために、次の一手を見つけるために、人は考える。
でも私がやっていたのは、それとは違った。
解決しない問いを、解決しないとわかっていながら、 ただただ自分に問い続けた。
見えない傷だけが、積み上がっていった。
あれは今思えば、思考の使い方を知らなかったんだと感じる。
道具の使い方を知らないまま、 ただ振り回して、自分を傷つけていた。
必死に答えを探していた。
いや、本当は答えなんて探していなかったのかもしれない。
あの日の私は、ただ過去から降りられなかった。
そのメリーゴーランドに、色が付く日が来るなんて思いもしなかった。