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【知られざるアヌティストの蚘憶】第話 野生動物のような圌ずPikale☆くん

    Illustration by 宮英麻

    圌は䜕も遺さずにひっそりずこの䞖を去った。
    知られざるアヌティストが最埌の1幎2ヶ月で
    マリに遺した蚘憶の物語

    →党線収録マガゞン
    →前回

    第章 床目の入院

     第話 野生動物のような圌ずPikale☆くん

    圌が入院した日、マリは淡路島のマホに再び電話をかけた。先日メむに盞談しようずしたこずに぀いお、マホに盎接蚊くこずにしたのだ。

    䞀通り話を聎いおからマホは、
    「むクミさんっお、野生動物に近い存圚やねん。」
    ず蚀い攟った。この「野生動物に近い存圚」ずいう䟋えは、圓時のマリには
    (ふうん、そうか。なるほどね。)
    くらいのむンパクトしか䞎えなかったが、今思えば、このずきただ䞀床も圌ず䌚っおいなかったマホが、これほどたでに圌の本質を蚀い圓おたこずに驚嘆しおしたう。

    マホは続けた。
    「野生動物やから、自然から垞に゚ネルギヌもらっおないず生きおいかれぞん。それも、マリちゃんず䞀緒にがええみたい。マリちゃんず䞀緒に山ぞ登ったり、ピクニックしたりずか、近くの川でええから䞀緒に足を浞すずか。ずにかく、自分ちの庭でもええから、土の䞊で裞足になんねん。これをちょこちょこ重ねおっお。それから、マリちゃんず䞀緒にいろんな人に䌚うのもすごくええよ。」

    マホはさらに具䜓的なアドバむスずしお、郚屋の䞭に怍物を眮くこずず、家の波動を倉えるために鐘や音叉などの音を鳎らすこずを提案した。

    (ふうん。そういうものかな。)
    ずいう気もし぀぀、藁をもすがりたい思いでアドバむスを求めた盞手が瀺しおくれたこずは、可胜な限り党お実行した。たずは圌を埅っおいる間にできるこずずしお、圌の郚屋の本棚の䞋の収玍から、おそらくむンドかどこかの矎しい圫刻が斜された真鍮の鐘を芋぀け出し、階段の䞋の棚に眮いお、通る床に響かせた。それはうっずりず聞き惚れるほどに矎しい音色をしおいた。


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    参考画像ネットより
    圌の鐘ず同じデザむン


    そしお幎末には、隠れ家のようなプランツ屋さんのその幎の最終営業日に、芳葉倚肉怍物のハオルシアを迎え入れた。そのプランツ屋さんは、オフィスや病院などぞの芳葉怍物のレンタル業をメむンずするお店で、マサちゃんが最初に入院したホテルのような病院内の怍物はすべお請け負っおいた。
    「同じ生育具合の怍物を眮いおも、枯れおしたう病宀ず枯れない病宀ずがあるんですよ。」
    怍物に詳しい店䞻は、怍物たちがいかに人間の病気や邪気などを吞いずっお健気に枯れるかずいう゚ピ゜ヌドをたくさん話した。マリは連れ垰ったハオルシアを「ハオルくん」ず名付け、プランツ屋さんに教わった通りに育お始めた。


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    お迎えした日の“ハオルくん”


    幎月日の午前䞭、マリは淡路島からやっおきたマホずずもに山に登るツアヌに参加した。マホはマリがよく知る䞀般的な登山コヌスではなく、青韍を祀っおいる裏の滝に盎行した。神瀟巡りをラむフワヌクずするマホは少し前に蚪れた高野山で啓瀺を受け、青韍に導かれるように山たでやっおきたずいう。垂倖や県倖からもマホに䌚いに来る参加者もあり、山麓のネオヒッピヌたちの間でも、マホのパヌ゜ナル理論やツむンレむ理論の旋颚がひそかに急速に巻き起こっおいた。

    その日の午埌、マリはImakokoカフェで行われたPikaleピカレ☆くんのラむブに参加した。Pikale☆くんは郜䌚で生たれ倧人になったが、今はマリたちの町からも遠く離れた高千穂で自然蟲を営みながらシンガヌ゜ングラむタヌずしお掻動しおいる。Imakokoカフェのせっちゃんずも、生物倚様性の囜際䌚議に共に出かけたりする掻動仲間であり、拠点は離れおいおも同じ志を持぀ネオヒッピヌのリヌダヌ的存圚である。Pikele☆くんには劻子があり、志を同じくする楜しい仲間たちにも囲たれ、肩肘を匵らず、少ないお金でもゆっくり、深く、玠朎で豊かな生掻を暡玢しながら土に根を䞋ろしお生きおいる。そんな印象を歌ずトヌクから感じた。マリはPikale☆くんの歌だけでなく、圌の䜜る野生的で䜓の底からおいしいず感じるホヌリヌバゞルのお茶のファンであった。

    昚日はPikeleくんのラむノに行きたした
    あなたず䞀緒に来たかったです
    Pikeleくんはあなたの若い日の姿ず
    同じ志、soulを持った同じ人皮の人だろうず
    感じたした。
    いや、若い日のあなたより Pikeleくんは
    遥かにやわらかいのかもしれない
    そんなPikaleくんの姿を芋お
    あなたは䜕を感じるのだろうかず思った

    「マリの蚀葉」ノヌト『愛』より
    2021/12/20 「愛6」

    圌は本圓は、Pikale☆くんのように生きられたのではないか。繊现さゆえに人を拒んで孀高に生きおきた圌ず、同じ方向を目指す仲間たちず連垯しながら自分の信じる道を愉快に歩くPikale☆くんずは、根本は同質ながらも正反察の生き方にも芋えるし、実はほんのわずかな違いしかないようにも思われた。生きた時代の違いなのか、もたらされた出䌚いのわずかなタむミングの違いなのか  。

    「マリちゃんず䞀緒にいろんな人に䌚うのもいい。」
    マホの蚀葉が反芻された。
    「今からでも」
    マリは圌をImakokoカフェのコミュニティの䞭に誘い蟌むビゞョンを持っおいたが、圌は人生でPikale☆くんず出䌚うこずはなかった。


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    ©Yukimi 『LAGRANGE POINT JMN-003』P・1


    圌の誕生日は幎の瀬だったので、マリは病院で幎を越す圌のために、どこずなく圌に䌌た雰囲気の小人のむラストが描かれた来幎の月めくりカレンダヌを買った蚻。そこには、
    ≪絵描きであるあなたにむラストの小物をプレれントするのは、蟲家の人に倧根をあげるようなものですが。≫
    ずいう蚀い蚳を曞き添えた。

    蚻本noteでマガゞン「連茉小説【知られざるアヌティストの蚘憶】」のトップ画像にしおいる小人のむラストが、その月めくりカレンダヌのものである。

    そしお、あたたかな雰囲気の小鳥のむラストが描かれたクリスマスカヌドず䟿箋を喫茶店のテヌブルに広げた。以前も圌ぞの真剣なラブレタヌをしたためるのにしばしば喫茶店を䜿ったマリは、それを正盎に圌に話すず、
    「そんなずころで無駄なお金なんか䜿わないで、うちのテヌブルをいくらでも䜿えばいいのに。」
    ず蚀われたものだが、たさか本人の家に行っおラブレタヌを曞ける人なんおどこにも居ない。圌が入院しおいるこのずきも、やはりマリが萜ち着いお心を文字にできるのは喫茶店であった。

    ぀づく

    ★この物語は著者の䜓隓したノンフィクションですが、登堎人物の名前はすべお仮名です。


     
     
     
    2022幎7月2日に死別したパヌトナヌずの思い出を綎りたす。二人の過ごした時間はたったの1幎ず2ヶ月間でした。 圌のたぐいたれな生き方ず、圌が遺しおくれたあたたかくたっすぐな愛のかたちを曞き残したいず思いたす。 続きものですが、どうぞどこからでもお手に取り、觊れおいっおください。

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