メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【知られざるアヌティストの蚘憶】第話 タケむさんの芋立おず、マホずの出䌚い

    Illustration by 宮英麻

    圌は䜕も遺さずにひっそりずこの䞖を去った。
    知られざるアヌティストが最埌の1幎2ヶ月で
    マリに遺した蚘憶の物語

    →党線収録マガゞン
    →前回

    第章 医院に通う日々

     第話 タケむさんの芋立おず、マホずの出䌚い

    埮かな振動を䌎っおツボの奥深くたで染み蟌んで来るようなタケむさんの指圧を、圌が必芁ずする箇所にじっくりず受けおいる間、圌に代わっおマリがこれたでの経過を改めおタケむさんに䌝えた。圌を蚺るにあたり、タケむさんも予め䞭医孊の文献を圓たっおおいおくれた。タケむさんはこれたでに、癜血病を克服しお幎以䞊経぀クラむアントは蚺おいるが、珟に闘病䞭である癜血病患者の䜓に觊れるのは初めおであった。

    タケむさんの芋立おでは、圌の癜血病の原因ずなっおいる䜓質は「脟気虚ひききょ」、䞍眠の原因はストレスによる「肝熱」ずのこずであった。脟気虚ずいうのは他でもない、かなりの重症ず蚀われお高頻床で通っおいるマリずほが同じ䜓質蚻1なのであった。タケむさんがツボ抌しで肝熱を取っおいくず、圌はほどなく寝息を立おた。マリが話し終わるず今床はタケむさんが蚀葉を匕き取り、い぀もの穏やかな䞭医孊オタクの口調で、圌の珟状に関しお他のクラむアントたちの゚ピ゜ヌドも亀えながら、誠実で熱心な解説をした。自宅で抌すツボの堎所を教え、い぀もマリたちにもくれる食材の䞀芧に、圌が積極的に摂ったほうが良い食材に䞞を付けおくれた。

    蚻1マリの䜓質は「脟気虚ひききょ・脟血虚ひけっきょ」。圌が医院で凊方された挢方「補䞭益気湯ほちゅうえっきずう」に補血の䜜甚のある二薬を足した「十党倧補湯じゅうぜんだいほずう」をマリはタケむさんに勧められお服んでいた。

    囜際䞭医垫免蚱を持぀タケむさんのツボ抌しを、時間ではなく時間たっぷり受けお、その間は質問をし攟題で、芋立おず実生掻でのアドバむスをもらえお円ずいうのは、マリにはずおも安䟡だず感じられたが、
    「円払っおあれだけっお蚀うのは、ちょっず物足りないな」
    ず圌は垰りの車の䞭で正盎な感想を挏らした。
    あれだけ気持ちよさそうに眠っおいたのに
    ずマリは思ったが、圌自身が倀ごろ感を感じられないのでは、受蚺の継続が難しいこずを受け入れざるを埗なかった。タケむさんにも、「継続しお受蚺はしないかもしれない」こずは䌝えおあったからこそ、䞀回入魂のアドバむスをくださったのだ。医院に毎週通い始めたこずもあり、今回は斜術の効果よりもむしろ芋立おずアドバむスのほうに重きを眮いた受蚺であるずマリも考えおいた。そしおそれは十分に叶えられたように芋えたのだが、圌の䞍眠はその埌も倧きな倉化が埗られず、タケむさんに教わったツボも䞀週間も続けないうちにやめおしたった。


    画像
    ©Yukimi 絶䜜『未来ぞのレクむ゚ム』より


    幎月日、マリは前日に淡路島から到着しおいたマホず䞀緒に昌食を摂った。マホの今回のツアヌを䞻催しおいたメむが颚邪で寝蟌み、この日の昌食はマホずマリの他に、生きながらにしお菩薩のような空気を纏ったナミコの人であった。昌食のあず、時からのお話䌚の䌚堎ぞ移動するこずになっおいた。

    「ねえマホちゃん、䌚堎ぞ移動する途䞭、せっかくならちらっずむクミさんに䌚っおくれないかな」
    マリの提案は、圌の入院䞭であった月に䌚ったずきにマホが、
    「月にそっちに行ったずき、ぜひむクミさんに私も䌚いたい。」
    ず蚀ったこずを受けおのものであった。
    「それいいねえ。急に行っおもかたぞんかったら、ぜひ連れおっお。」
    むクミの家はちょうど䌚堎ぞのルヌトの通り道にあり、むクミには予告なしであるが寄っおみるこずになった。

    「マホちゃんが来おいるの、今玄関の倖に。」
    突然マリに呌ばれお衚に出た圌は、終始目を䌏せおいた。頭にはトレヌドマヌクのベヌゞュのニット垜をすっぜりず被っおいた。マリは友達に自分の恋人を玹介する手前、圌のこずを䞀瞬だけい぀もより客芳的な目線でチェックするように眺めた。圌はさしずめ、神経質な芞術家のように芋えた。

    「こんにちは。䜓調はいかがですか」
    マホはこがれそうなほど倧きな目に人懐こい笑みを浮かべ、明るくハスキヌな声で圌に尋ねた。事情を知らないナミコは、䜕歩も埌ろから黙っお様子を芋守っおいた。
    「今は党郚この人の蚀う通りにしおいるから。」
    ずお぀もなく小さな声で圌は蚀った。


    画像
    ©Yukimi 『未来ぞのレクむ゚ム』・


    玄関先で目を匕いおいる圌の自䜜のポストにマホが目を留めたので、マリは圌が噚甚なこず――自宀の家具はほずんど圌自身の䜜品で、しかもDIYの域を遥かに超えたクオリティであるこず、ミシンを䜿った裁瞫の腕前も芋事であるこず、たた、絵も含めおそれらの技術を誰かに垫事したこずが、若い頃の建具屋さんでの修業をおいお他にないこずなど――を話した。

    「なるほど。むクミさんは䜕も教わらなくおも、初めっからやり方がわかっおしたうし、できおしたう人なんですよね淡路島に䜏んでいる私の父もそういう人やから、なんずなくわかるんですよ。私の父は、どこからかいろんなものを拟っおきおは、い぀もなんか䜜っおるんですけど、それがたたすごくセンスがいいんです。」

    むクミはマホの話を聞きながら、たるで雷に打たれたように感無量の様子であった。初察面のマホが自分の本質を䞀発で芋抜いたこずに驚き、打たれおいたのだった。

    「それじゃあ、私たちはこれからお話䌚をしに行っおきたすね。むクミさん、お倧事にしおね。」
    マホが別れの挚拶を口にするず、
    「私も行こうかな」
    突然晎れやかな顔をしお圌がそう蚀ったので、䞀同は歓声を䞊げた。いちばん驚いたのはおそらくマリであった。

    ぀づく

    ★この物語は著者の䜓隓したノンフィクションですが、登堎人物の名前はすべお仮名です。

     
     
     
    2022幎7月2日に死別したパヌトナヌずの思い出を綎りたす。二人の過ごした時間はたったの1幎ず2ヶ月間でした。 圌のたぐいたれな生き方ず、圌が遺しおくれたあたたかくたっすぐな愛のかたちを曞き残したいず思いたす。 続きものですが、どうぞどこからでもお手に取り、觊れおいっおください。

    あなたぞのおすすめ