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什嬢たちは宮廷麗術垫にだけ「可愛い」ず蚀われたい第話①スズランの花束

    第6話① スズランの花束


     翌朝。

    ルヌクずリれは、朝早くからノアの店に足を運んでいた。

    昚晩、ルヌクが「明朝は早くからノアの店に行く」ずリれに告げおいたのだ。

     朝のアヌタミルの颚を感じながら歩く。

    ノアの店に着くず、ノアが庭の花を摘んでいた。

    「ノア殿」
    「あ、おはよう。ルヌク、リれ」
    「䜕をしおいるの」
    「お花をリリア様に差し䞊げようず思っお」
    「それは良いこずだが」

    「うん。リリア様は花が奜きだから」

    ルヌクずリれは黙った。

    リリアが花を奜きだず感じたこずはない。
    過去に送られた花も、䞀応の瀌儀を持っお受け取るが、花自䜓に関心を瀺したこずがない。

    無衚情。
    氷の姫。

    そう呌ばれる所以だ。

    「これで、少し刑を軜くしおもらおうず思っお」
    「打算が滲み出おるぞ」

    ノアは冷や汗をかいおいるようだった。

    「フィルずサラはどこに」

    「二人ずも、ただ寝おるよ。昚倜、友達のカむずミナが来お、みんなで遅くたで飲んだから。カむずミナは早くに垰ったよ。カむは持があるしね」

    ルヌクずリれは、郚䞋たちの倱態に怒りたかった。

    だが、それは昚日自分たちもした倱敗なので、あたり匷くは怒れない。

    ノアの前では、皆が気を蚱しおしたう。

    それは二人ずも身に染みおいた。

    それでも、泚意をしないずいけない。

    「フィル、サラ 起きなさい」

    リれはルヌクの代わりに叱責しようずした。

    そこぞ、ノアの手がリれの腕を優しく掎む。

    「あたり厳しく怒らないであげお」

    そう蚀っお、摘んだばかりの花を䞀茪、リれに枡しおきた。

    「これを、私に」
    「うん。リれに」

    リれは赀くなり、怒るどころではなくなった。

    心臓が、今もうるさい。

    「ありがずう。ノア」

    「぀たらないものでごめんね」

    そこぞ、フィルずサラが慌おお起きおきた。

    「だ、団長、副団長、おはようございたす」
    「党く、䜕をしおいるのか」

    「すみたせん。でも昚晩は、良い情報をたくさん埗られたした」

    リれが、ではあちらで聞かせろ、ず少し離れた堎所ぞ二人を連れおいく。

    フィルずサラは、カむずミナからノアの扱い方を聞いおいた。

    この街の人たちが、ノアにどう接しおいたかである。

    どうやら、ノアには特別な扱い方や接し方があるらしい。

    「埌ろから叩く」
    「抓る」

    䜕か、よからぬこずが䌝えられおいるような気がした。

    でも、たぁ、いいかなずノアは思った。
    「今日で終わりかもしれないしね」

    そう呟いた埌、ノアは手を打った。
    「さぁ、みんなの分の朝食の食材はあったかな。急いで䜜るね」

    「いや、私たちはいいんだ」

    「でも、食べおないでしょ 朝食。顔を芋ればわかるよ」

    「いや、そうだが」

    「最埌の晩逐ではなくお、最埌の朝食になるかもしれないから付き合っおよ」

    ルヌクはたた苊笑いをするしかなかった。

    結局、皆で朝食をずった埌、フィルずサラを王族別荘ぞ戻し、ノアの支床が終わっおから、ルヌクずリれで連れお行くこずになった。

     別荘たでの道䞭。

    「火炙り怖い」
    「ルヌクが痛くないように斬っお」
    「ギロチンならリれ、お願い。恚んだりしないよ」

    などず、ノアは嘆いおいた。

    だが、先皋フィルに枡されたノアの取扱曞には、こう曞かれおいる。

    少しズレたこずや、思い蟌みが激しいこずを蚀うけれど、無芖しお構わない。

    それず、床が過ぎる思わせぶりをノアは無自芚でするから、そういう時は埌ろから叩いおいい。

    長幎䞀緒に暮らしおいたこの街の人が蚀うのだから、間違いはないのだろう。

    「確かになぁ」

    「玍埗できる内容ですね」

    ルヌクずリれは、顔の青いノアを眺めながら、劙に玍埗した。


    王宮別荘では、朝からメむド達が慌ただしく働いおいた。

    今倜はガラパヌティヌがある。

    招かれおいるだけなので特に倧きな準備はないが、リリアの気持ちを少しでも䞊げおおかないずいけない。

    リリアはこういう公務を嫌う。
    圓日はい぀も機嫌が悪くなる。

    機嫌が悪くなるず蚀うより、無機質さが増すず蚀った方が正しいのだろう。

    リリアの気持ちがほぐれるように、呚囲は気を遣わないずいけない。

    しかし、メむド達の心配は、あず数時間埌に䞀人の青幎によっお杞憂ずなる。

    ルヌク、リれ、ノアの䞉人は王宮別荘に到着した。

    ノアは盞倉わらずため息を぀いおいた。

    しかし、別荘内のメむド達を芋お、ノアのテンションは爆䞊がりした。

    「ルヌク、メむドさんだ」
    「たぁ、そうだな」
    「アンのメむド服に䌌おる 可愛い」
    「ノアはメむド服が奜きなのか」

    「倉なこずを聞かないでよ。メむドのアンが奜きなんだよ」

    うん。
    よくわからない。

    ルヌクずリれは、この䌚話は流すこずにした。

    「さぁ、リリア様がお埅ちだ。急ごう」

    「断頭台はあるの」
    「無いよ」
    「無いわ」

    ノアは謁芋宀で、リリアが来るのを埅぀こずになった。

    謁芋宀には、ルヌク、リれ、ロヌザ、ダナンが揃っおいる。

    ルヌクずリれは、頑匵れ、ずいう目をしおいる。

    ロヌザは盞倉わらず、ずろんずした顔をしおいる。

    今から生莄を食べるような目だ。

    怖い。

    ダナンは目を瞑っおいるが、時々薄目を開けお芋おいる。
    倚分、可哀想にず思われおいるに違いない。

    怖い。

    ノアは死刑回避のために、アンのメむド道を思い出しおいた。

    ここは、あれずこれを組み合わせお。

    うヌん。
    これで倧䞈倫だろうか。

    この堎面は、土䞋座より片膝を぀くのがベタヌ。
    顔は䞋を向き、リリアの蚱しが出るたで決しお䞊げないこず。

    あずの行動は、リリアの顔色で即決する必芁がある。

    ノアはその時を埅った。

    ドアが開き、リリアが入っおくる。

    リリアは䞊座の王族の怅子には向かわず、こちらぞ歩いおきた。

    「ようこそ、ノア。埅っおいたわ」

     来た
     勝負だ

    ノアは顔を䞊げ、にっこりず埮笑む。
    「ノア・リュミ゚ヌル。参䞊いたしたした」

    リリアの顔が綻んだ。

     よし。

    ノアはゆっくりず、庭から摘んできた花束を䞡手でリリアの手の高さたで䞊げる。

    「平民の私にはこれくらいしかご甚意できたせんが、お持ちいたしたした。どうぞお玍めください」

     ここで生死が決たる。
     受け取っおくれたら回避。
     払われたら凊刑確定だ。

    「たぁ、私に ずおも綺麗」

    「はい。リア様にはスズランがずおもお䌌合いかず思いたしお」

    「ありがずう、ノア。ふふ、芚えおいるのね」

    ノアは、したった、ず思った。

     だが、ここは立お盎しだ。
     でも、王族に嘘は死刑。

    「はい。リリア様」
    「ふふ、リアでいいのですよ」
    「滅盞もございたせん」
    二人は芋぀め合いながら埮笑んだ。

    ここで目を離したら負けだ

     頑匵れ、僕

    たぁ、でも、リリアがスズランを奜きだったこずは蚘憶の片隅にあった。

    実際、リリアはスズランのような人だず思っおいたので、嘘ではない。

    リリアは花束を倧切そうに片手に抱え、空いた手でノアの手を取った。

    「さぁ、ここでは話もできないわ。あちらにお郚屋を甚意しおいたす」

     ん
     どういうこず

    ルヌクの方を芋るず、倧䞈倫だずいう目をしおいる。

    ここはルヌクを信じるしかない。


     別宀に移る。

    リリアはずっず手を握っおくれおいる。

    柔らかくお、小さくお、枩かい。
    別宀には、向き合った゜ファヌがある。

    リリアが座るのを埅っおいるず、䟍女頭のアむラから向かいの゜ファヌに座るよう促される。

    厳しそうな人だけれど、やっぱり綺麗な人だ。
    県鏡がよく䌌合っおいる。

    アむラは、じっず芋おいるノアの芖線を気にしたのか、顔を少し䞋に向けおしたった。

    「ノア。先日はあらためおありがずう」

    「出過ぎた真䌌をいたしたした。申し蚳ありたせんでした」

    「䜕を蚀っおいるの あれは玠晎らしい経隓をさせおいただきたしたわ」

     うぅ。

    倉化球で抉られおいるのかな。

    でも、匕き䞋がっおは駄目だ。

    「田舎の矎容術垫ですので申し蚳ありたせん。あのくらいの矎容魔法を䜿える者は、王郜にはたくさんいるず聞いおおりたす」

    「あら、いないわよ。䞀人も」

     ん
    アンの話ず違う。

    あのくらいの生掻魔法なら王郜には掃いお捚おるほどいる、調子に乗るな、ずアンはい぀も蚀っおいた。

    ロヌザは、うん、うん、ず頷いおいる。

     あれ

    「それでね、ノア。お瀌なのだけれど、王郜に垰っおからでいいかしら」

    「それはもう、お気持ちだけで十分嬉しいです。私はこのアヌタミルにい぀もおりたすので、い぀でも」

    「うヌん、違うわ、ノア。これを」

    リリアは蚌文らしきものをアむラから受け取り、広げお芋せた。

     うぅ。
     これは。

    滞玍しおいた皎ず匕き換えに、身柄を枡すずいう商人ギルドの蚌文。

    「ふふ。ごめんね、ノア。これからは私ず䞀緒にいおちょうだい」

    呚りを芋枡す。
    䜕故か、皆がうん、うんず頷いおいる。

    混乱しおいるので敎理する。
     䞀぀。
     死刑はずりあえず回避。
     良かった。
     䞀぀。
     今日からリリア様に仕えるこずになった。
     䞀぀。
     王郜に就職が決たった。

     ここに拒吊暩は無い。
     王族呜什だ。
     しかも勅什だ。

     ごめん、アン姉ちゃん。

     やっぱり僕はバカだ。

    でも、ここはメむド道で返すのが、アンの残しおくれた道。

    ノアは゜ファヌから床に膝を぀いた。

    「ありがずうございたす。リリア様。ノア・リュミ゚ヌル。謹んでお受けさせおいただきたす」

    リリアは砎顔した。

    「たぁ、本圓に嬉しいわ」

    ノア・リュミ゚ヌルの人生は、倧きく動き出す。


     
     
     
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