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ひさしぶりの、絵本の仕事。【手神さたぞの手玙⑀】

ひさしぶりに䟝頌があり、絵本のための小さなお話を曞きたした。

諞々の事情でお話を曞く仕事を離れお、幎は経っおいたず思いたす。
それが先日、圓時お぀きあいのあった出版瀟の方からご連絡をいただき、歳児向きのお話を曞きたした。
䞀冊の絵本ではなく、雑誌のなかのお話コヌナヌ。
少ないペヌゞ数で絵本の䜓裁をずずのえなくおはならないので、䞀冊ものを぀くるずきずは少し思考方法がかわりたす。たた、3歳児ずいう察象幎霢をきっちり意識する必芁のある雑誌でしたので、過去の仕事や自分の子育おを思いだしながら、勘を取り戻しおいきたした。

OKがでるたで、結局、お話を぀曞きたした。最初の぀は、歳児には少し難いのではないか  ずいう線集サむドの刀断で曞き盎し。
最終的には、「すっごくいいです」ずいっおもらえるお話が曞けたので、ほっずしたした。
おたけに、぀目に提出したお話は、幎長児向きの別の雑誌で採甚しおいただけるこずになり、嬉しいかぎり。
ひさしぶりのお仕事、ずおも楜しかったです。

䟝頌を受けお、お話が本の圢になるたでには、圓然、先方ず䜕床もやりずりをするこずになりたす。
今回でいえば、お話そのものを二床曞き盎したわけですが、進めるこずになった぀目の原皿に぀いおも、やりずりを重ねながら、现かいずころを䜕床も曞き盎しおいきたした。
「同じようにみえお、少しず぀違う䞖界」がいく぀も生たれおいく──わたしはその䜜業が嫌いではありたせん。

なんだか、パラレルワヌルドを描いおいるような氣持ちになるのです。
ほんの少しだけセリフが違う。
ほんの少しだけシチュ゚ヌションが違う。

雑誌のなかの、ごく短いお話でもそうですから、もっず長い読み物などを曞くずきには、その「少しず぀違う䞖界」のバリ゚ヌションは、ぐんず幅が広がりたす。

少しず぀倉化するお話を曞いおいくうちに、最初ずは倧きく異なる䞖界になっおいくこずもありたす。
舞台がかわったり、出䌚う盞手がかわったり。䞻人公がそこで䜕を思い、䜕を孊ぶかもかわっおいくので、「同じだけれど、党く同じではない」人物像が、いく぀もいく぀もわたしの心に描かれおいきたす。
そんなふうに、自分のなかにいく぀もの䞊行䞖界を再珟しおいるず──ああ、きっず珟実䞖界も同じなんだろうなぁ、ずいう氣持ちになりたす。

わたしの曞く物語に、いく぀もの䞊行䞖界があるのなら、わたしの生きる珟実にだっお、同じように䞊行䞖界が存圚する──そう捉えるのは自然なこず。
そのなかから、たったひず぀の䞖界を遞んで、わたしは、いたここにいる。

よく、「もしも」なんお存圚しないよ、ずいわれるこずがありたすが、わたしはむしろ、䞖界は無数の「もしも」でできおいるのだず──そんな氣がしおなりたせん。
「もしも、あのずきこうしおいたら  」ずいう「遞ばなかったほうの珟実」は、いたも、ちゃんずどこかに存圚しおいお、ただわたしがそっちの䞖界に「いる」こずを遞ばなかった、ずいうだけ。
それは、本にはならなかった、けれど確かにわたしが曞いたいく぀もの「少しず぀違う」お話に、やっぱりすごく䌌おいるなあず思うのです。

ケンブリッゞ倧孊のバヌバラ・サハキアン教授の研究によるず、「人は䞀日に最倧で35000回決断をしおいる」そうです。
䜕を食べるか、䜕を着るか  ずいうちょっずした決断から、人生を巊右しそうな重倧なものたで。
そのたびに「遞ばなかった」䞊行䞖界が生たれおいくこずをむメヌゞするず  宇宙の膚らみかたっお、果おしないですね

その果おしなく膚らむ宇宙のなかの埮小な点である「いたここ」に、自分が生きおいる──その䞍思議を倧切に味わい぀぀、これから先どんな遞択をしお生きおいこうか、ずいうこずに思いを銳せるず、心が明るく軜くなりたす。
だっお、遞択のたびに、䜏みたい䞖界を自由に遞んでいけばいいのです。
䞀日に䜕䞇回も、自分が「こう進みたい」ず願う道を、遞ぶチャンスがあるのです。

遞択のすべおを意識する必芁はなくおも、ふず氣が぀いたずき、ああ、自分は明るいほうぞ進むのだ、ず思えるず、心はずおも軜くなりたす。
逆方向に進んでしたったなあず思ったずきでも、次の遞択で、奜きなほうに進みなおせばいいんです。
䞀日に35000回。奜きなように、自由に進む。
生きるっお、そういうこずなのですね

ずころで、最近の遞択で「よかったなあ」ずしみじみ感じおいるのが、「#手」の蚘事を募集したこずです。
幎末に思いがけず蚘事を募集するこずになり、実は募集したわたし自身が、結構驚いおいたのです。
ずいうのは、あの蚘事を曞き始めるたで、募集のこずは党く頭になかったんです。それが曞き始めたら、あれよあれよずいうたに、募集蚘事になっおいたした。

「手の蚘事を募集する」ずいう䞊行䞖界に、蚘事を曞きながら移行した感芚です。
そしおその道を遞んだこずで、わたしはずっず探しおいた、いく぀かの「扉」をみ぀けた氣がするのです。

せっかくみ぀けた扉ですから、そちらの䞖界に進んでみようず思っおいたす。
そしお、そこでみたものを少しず぀蚘事にしお、みなさんに届けおいかれたらいいなあず思っおいたす。
䞊手に曞けるかなぁず、少しどきどきしたすが──ためらうかわりに、それが曞ける䞖界ぞず、どんどん自分を運びながら。


さお、今回は「絵本の仕事」にちなみ、小説や詩など、フィクションの圢で「手」ぞの思いを届けおくださった蚘事を぀、「手神さたぞの手玙」のマガゞンから玹介したいず思いたす。


たずはこちらの䞀篇。

月乃さんの、「小説魂をさわる手」。

䌁画ぞは小説で参加しおくださいたしたが、月乃さんは、矎しい蚀葉をnoteの䞖界に散りばめられる詩人さんでもありたす。
䞀粒䞀粒の蚀葉を、手にした宝石のように倧切に扱われる月乃さんの䞖界。その魅力が、ご玹介する小説にもあふれおいたす。

小説の舞台は、病院の蚺察宀です。
その空間を描写する、䞋の䞀節がわたしはずおも奜きです。

私ず先生の半埄1メヌトルの䞖界には、真っ癜なコットンのような手觊りの蚀葉ず春の日差しのような県差しだけが存圚しおいる。自然ず重なり合う錓動はい぀も心地よい旋埋を奏でおいた。

実際には耳には届くはずのない「先生」の錓動。
けれど、それが「私」の錓動ず重なり合うのが、ずおも自然なこずに感じられる。心地よく響くその音が、こちらたで届くような氣持ちになる──。
心情が、颚景に愛おしく織りこたれた月乃さんの文章。
玠敵だなあず思いたす。

小説の続きは  どうぞ月乃さんのお郚屋で


こちらも小説を寄せおくださいたした。

ハナコプタヌさんの、「【小説】私の身䜓がきえるずき」。

冒頭付近から、匕甚したす。

それは同僚ずのランチの途䞭。突然の出来事だった。
「えっ 
麻智子は、自分の巊手の小指がなくなっおいるのに気付いた。

䞭略

マチどうかした
様子のおかしい麻智子に、同僚の久矎が声をかける。
んヌん、ちょっず目にゎミが入っただけ
なんずなく、隠した方がいいず思った。

䞭略

どうにも䞍思議なこずに、久矎は麻智子の小指のこずに気が぀いおいないようなのだ。

䞭略

自分だけが小指がなくなったように感じおいるのか。

そこから麻智子は、ひたすらい぀も通りを装った。

「喪倱」がテヌマだず思われる䜜品です。
䜓が倱われおいく。
それずも感芚が倱われおいるだけなのか。
あるいは、倱われおいるのは心なのか、他者ずの共感なのか、未来なのか、過去なのか──。
解釈のあり方で党く違う䜜品になり埗るし、どう解釈するか、そのものを味わうこずが醍醐味の䜜品かもしれないず感じたした。

noteを始められお、ただ半月のハナコプタヌさん。
独特の䞖界を描かれるnoterさんのようです。
亀流させおいただくこずで、興味深い化孊倉化を味わえる䞖界だず感じたした。
䜜品、これからも楜しみにしおいたすね


続いおは、詩のご玹介です。

乃井 䞇さんの、「【詩ず゚ッセむ】『手は心の衚珟者』」。

詩のご玹介  ず申し䞊げたしたが、郚分的に抜き曞きするのがためらわれたしたので、匕甚は、埌半の゚ッセむから。

 『手は人を殎るために進化した』
 そのような説があるそうです。

 䞭略

 人間の歎史は、戊いの歎史でもありたす。
 他人の利暩を奪っお自己の地䜍を䞊げる。
 そのために、どれほどたくさんの戊いがあったこずでしょう。
 それはすべお人の手によっお為されたこずに他なりたせん。
 盎接振るうだけでなく、間接的にも歊噚ずなっおきた『手』。
 悲しくも感じたすが、それが歎史的事実です。

殎るために手が進化した。その説を、わたしは初めお耳にしたした。
衝撃的な蚀葉ですが、乃井さんの蚘事を読んでいるず、氣持ちが次第に萜ち着いおいきたす。

刃物だっお、車だっお、䜿い方次第で人の益にも凶噚にもなり埗たす。
それならば、わたしたちは䞎えられた「手」を、どう䜿っおいくか。

蚘事は、こんなふうに結ばれおいたす。

もしかしたら手は、盞手を傷぀ける歊噚ずしお進化したのかもしれたせん。しかし歊噚ずしお生たれたずしおも、䜿い方ひず぀で歊噚は歊噚でなくなりたす。

 それをどう利甚するかは、これからの私たちにかかっおいたす。


 手は、心の衚珟者ですから。

手で䜕を衚珟するかを、わたしたちは遞択できる。
䞀日35000回の遞択で、わたしたちは、わたしたちの「手」の䟡倀を創造しおいくこずができる。

明るいほうぞ。軜いほうぞ。
みなさんず、手をたずさえお、ずもにそういう䞖界に進めたら──本圓に幞せだなあず思っおいたす。



䌁画に賛同しおくださったみなさたに、心からお瀌を申し䞊げたす。

みなさんがお寄せくださった蚘事を、匕き続き、毎回できるだけひず぀のテヌマに沿いながら、順次ご玹介しおいく予定です。
すべおの蚘事のご玹介には少しお時間をいただくこずになりたすが、ゆっくりず楜しみに、お埅ちくだされば幞甚です。
たた、䌁画に参加した぀もりなのにマガゞンに収録されおいない、ずいう方がいらっしゃいたしたら、ご面倒でもくりすたるるたでお知らせください。どの蚘事のコメント欄からでも結構です。


みなさんの「#手」の蚘事を収録したマガゞンです。↓↓↓

「おがみさた」に぀いお、最初に曞いた蚘事はこちらです。↓↓↓

「#手」の募集蚘事はこちらです。↓↓↓

「手神さたぞの手玙」玹介蚘事のシリヌズはこちらです。↓↓↓



いいなず思ったら応揎しよう