
『大成功を予言されたはずなのに」 1 入り口
ある芸事教室に通い始めたきっかけは、占い。
この町のセレブと呼ばれる先生には友人が多い。その多い友人の中から選ばれ、時折開かれるお茶会に呼ばれることは 私には小さな誇りだった。
その日は何かのお祝いで、いつもより多めの人数が集まっていた。
家族や仕事の話題から、そのうち自然と先生が推す占いの話になっていった。
誰かが話し始めたのか、先生だったのかはもう覚えていないが、その場のほとんどが その占いを受けていたことは明らかだった。
空気はとても賑やかで、持ち寄った高級菓子と、先生が入れるお茶の感想を挟みながら、皆が我れ先にと占いの結果を披露した。
疑う理由はひとつも浮かぶことなく、盛りに盛り上がるお喋りの流れで、私も予約をした。
後日受けた占いで、何かお稽古を始めるといいと言われ、素直に受け入れることにした。
お稽古といえは、お茶会に呼んでくれた先生の芸事教室しか選択肢はないと思った。
今こう書いてみると、あのときの判断が自分の意思だったかどうか、分からなくなってくる。
ただ、その時はそれが良い判断で、自分に回ってきた 自立への小さな入り口のように感じられた。
2 高揚 ⬇️