都道府県もろくに覚えてない私が初めての海外旅行にいった/ベトナム
先日、せっかくベトナムに行ってきたので、ここに記しておくことにする。
このnoteは、やたらと長い。私の経験が主だから、ためになることはないと思う。ああ、こんなことがあるんだな、と思ってくれたら嬉しい。
私はベトナムのことを少しも知らなかった。地理で東北六県までしか覚える気のなかった私には、どこにあるのか、皆目見当もつかなかった。
それでも将来、いつか海外旅行が行きたかった。でも、まあ、一生日本で生きていくんだろうなって思いながら生きてきた。それを変えてくれたのは彼の存在だ。
彼は海外に住んでたことがあるみたいで、英語がほどほどにできるらしいのだ。一緒ならなんとかなるかも?と淡い期待を抱いて、ベトナムの地に降り立った。
1日目 ダナン
私たちはハノイではなく、リゾート地のダナンだ。羽を伸ばしてゆっくりするのが目的……だったはずなのに、結果的に思ったより忙しい日程になってしまった。
東南アジアの「GO!タクシー」こと、「grab」でタクシーを呼び、ホテルに向かう。
信号がないのに車やバイクが動き回る姿は壮観だった。なぜか荷台に冷蔵庫やらとうきびを乗せて車の間を通り抜けているバイクの猛者を見ると、なんだかヒヤヒヤする。あちこちでクラクションが鳴って、なになに、どうしたの?と日本人的には気が気ではなかった。有名なバイタク(バイクタクシー)には、怖すぎて逆立ちしても乗れそうになかった。
初日、日本発時間は10時ごろ。ダナンには大体15時くらいに到着した。ホテルに着いたのは大体16時くらい。
ウェルカムドリンク
時差は2時間。日本の方が早く時間が過ぎる。
飛行機で5時間移動して2時間が巻き戻ったことになる。ミニタイムトリップだ!と興奮したものの、時差は全く感じなかった。

蒸し暑い中、冷たい飲み物が喉を滑り落ちていく。なんという名前の飲み物かはわからないけど、驚くほど甘くて美味しかった。
アメジストみたいに綺麗な液体が、かき混ぜると薄く広がる。南国の旅の始まりを予感させてくれた。
街路樹ドリアンと換金
荷物をホテルに置いて、いざ、換金しに向かう。ちょっと遠回りをして、街並みをぶらっと楽しむことにした。
街並みはやっぱり日本で見られないものばかりで面白い。その中でも特に紹介したいのはこれ。
ドリアン。なぜか、木に実がなってた。
驚いたことに、ドリアンというのは木から直接生えるらしい。これが街路樹のようにあるのだ。日本でいう、どんぐりみたいな扱いなのだろうか……。

ポピュラーな食べ物らしく、リヤカーに山ほどドリアンが載せられていて、露天で売られているのをよく見かけた。
そういえば、ホテルの注意書きにも
「Strictly no durians and fish in the rooms.」
(客室内へのドリアンおよび魚の持ち込みは厳禁です。)とあった気がする。
そんなに臭いのかな?とおもっていた。木になっている状態では、あまり匂いを感じない。
スーパーを覗いた瞬間、その謎は解けた。そこには山盛りのドリアン……。
臭い。生臭いような、なんだか嫌な香りが鼻腔をくすぐる。私はその瞬間ドリアンが嫌いになった。
一切食べたことがないのに失礼極まりないが、無理だった。人が食べてはいけないものの匂いがする。
そんなこんなたどり着いた換金所でお金を交換してもらう。
窓口で長電話しているお姉さんがいて、ひたすら待たされる。どこも忙しいんだな、と思いつつ、暇をつぶしに周りのショップを少し見に行っている間に彼が2万円の換金を終えていた。ベトナムドンに変わった2万円の札束を彼はしきりに数えて、レートを調べている。
「どうしたの?」
「なんかちょっと多い気がして…」
ベトナムドンは、桁が多すぎる。
お札には100,000ドン札や、50,000ドン札や、20,000ドン札なんかもある。
500mlのペットボトル一本が大体5,000ドン(30円)で買える世界線だ。
それで何度数え直しても、0の多さに頭が追いつかない。
「ここのレートが良かったのかな?」
となかば無理矢理自分たちを納得させて、ショッピングモールを回った。
モールは日本とあまり変わらないので、割愛する。
強いて言えば、食事のフロアに中国料理が多かったのが印象的だった。
フォーと交通事情
ホテルへ帰る頃には、もうすっかり暗くなっていた。
せっかくベトナムに着いたのだから、と、フォーのお店に入る。そこは地元向けのお店だったらしく、メニューにはベトナム語でしか表記がない。せめて英語の表記くらいはあるだろうと高をくくっていた私は慌ててしまった。
スマホを取り出して、Google翻訳でメニューをかざす。米麺というジャンルの、牛肉のスープという文字を見つける。そのお店の店員さんは、英語が話せないらしく、メニューを指差して「ツー✌️」と手で示すとようやく注文が通った。
運ばれてきた本場のフォーは思っていた平麺ではなく、冷麺のような丸い麺だった。牛肉のスープとかかれているとおり、牛肉が骨ごとゴツっと乗っている。
これはちょっとブレてるけど、その時の写真。

私のイメージでは、本場のフォーといったら、平麺に香味野菜が乗ってるイメージだった。
「肉の出汁と、塩の優しい味付けで、ラーメンっぽくもなく…もしかして、フォーじゃない可能性、ある?」と彼と顔を見合わせ、こそこそ話し合った。
さて、このお店、壁や窓がない「オープンエア」スタイルというものだった。コップとお茶碗が2つ、逆さまに置いてある。そこに料理を持ってきてくれる…というもの。
彼はビールを、私はウーロン茶を頼んだ。すると、どちらも冷えていない缶がでてくる。
「こんなに暑いのに、冷えてないの!?」
悲鳴のような心の声が共鳴したような気がした。
私たちはなにも知らなかったので、コップにそれらを注いでとりあえず口をつけた。彼はやっぱり物足りなかったみたいで、氷をもらっていた。
後から知ったけれど、コップは綺麗なものの、地元民たちは口をつける部分を拭いてから使うらしい。知らなかった。
帰り道歩いていると、大きな道路に信号があった。ちょっと感動したので、写真を撮ってみた。
というのも、ベトナムの街には信号がなかった。
車とバイクがバンバン来ている中、大丈夫そうだったら少し進み、ダメだったら止まって、また少し進むの命懸けのループ…。
私は日本でよくみる轢かれた動物の死体を思い描いた。
「轢かれる前の動物って、こんな気持ちなんだ……。」
だからこそベトナムにも信号あるんだ…と本当に安心したのだが、ほっとしたのも束の間。
この信号、歩行者用信号機は、チカチカがないのだ。
日本なら、渡っている途中に青いランプがチカチカと点滅し始めたら、赤になるんだな、と判断できる。
だがベトナムでは、信号の脇に残り秒数が表示され、数字で判断する仕組みらしい。
「いやいやいや、そのカウント見れるの、車だけじゃない?!」
と思ったのは、私たちだけではないはずだ。

エンジョイ・ダナン・フェスティバル
ホテルへ戻って一息つく。彼は喫煙者なので、ベランダでタバコを吸っていた。私も窓の外からお祭りのような騒ぎが聞こえてきたので、ついて行ってみる。
ホテルからはミーケビーチがよく見える。「なんだなんだ?」と下を覗きこむと、どうやら何かやってるみたいだ。
どんどんどんと重低音が近隣に鳴り響いている。歌声をのせてリズムを奏でる音楽に、吸い寄せられるように私たちは会場へ足を運んだ。
ステージを覗くとおそらくアイドルだろうか?若い男性グループがステージに立って、「暑いのによくきてくれたね!」「次の曲も盛りあがろう!」と言ってるみたいだ。
屋台のそばによると、氷水にキンキンに冷やされていたビールが売っていた。彼は大喜びで3本1セットで購入して、ごくごく飲んだ。犬みたいでかわいい。私も一本もらってちびちび飲むと、すごく飲みやすい。日本のビールより苦みがなくて、すっきりしている。
現地の言葉はわからないものの、会場の熱気はすごい。歌とダンスとMCの合間にはアゲアゲの音楽に合わせてスプレーが盛大にぶちまけられ、大変涼しそうな、夏の風物詩を感じた。

むっとする熱気と、飛び散る水と、異国の音楽。
「ああ、私はいま、本当に海外にいるんだな」
そんな実感を噛みしめながら、夜のビーチの熱狂に身を委ねた。
少しすると、急にお腹がいたくなってくる。慣れないもの飲んだからかな。楽しそうな彼には申し訳ないけど、「ごめん、ホテルに戻ろう」と急かして、一緒に戻ってきた。
外では相変わらずどんどんどん、と重低音が鳴り響く部屋の中、私たちは眠りについた。
2日目 ホイアン
朝から太陽の光の洗礼を受けて、目を覚ました。日本より、冷房が効いているはずなのに、太陽光が暑い。眩しい。
「でも、涼しいうちなら、海岸を散歩できるかも!」(この時点で30°はある。)
そう思って彼を起こすのだけど、なかなか起きない。まあ、彼はいつもそうだったし、夜はYouTubeでダナンのグルメ情報を収集していたから、疲れているのかも。と思うと、私もすーっと眠りについてしまった。
お化粧をして、アクセサリーをつける頃には彼はもう支度を終えていて、朝食を食べて出かけることにする。
当たり前だが、朝ごはんに炊き立てのご飯も、味噌汁もない。少し寂しく思った。
ビーチに到着すると、やっぱり暑い。
でもなんだかテンションが上がって、ビーチですっ転んだ。
上からじゃわからないけど、段差になっていたのだ。
彼は大笑いしつつ心配してくれる。受け止めてくれたのはふかふかの砂浜だったので、ちっとも痛くなかった。

運命の出会い
今日も今日とて、Grabを使ってタクシーを呼ぶ。
彼がミーソン遺跡の往復で頼んでくれた。頼もしい限りだ。
そのあとはどうしようね、ホイアンに行きたいんだよね、と彼は言っていて、方向がズレてるから頼みにくいらしいのだ。
ところがどっこい。
到着したタクシーのお兄さんは、ホイアンを案内することが多いらしい。彼はミーソン遺跡からホイアンにいき、いくつかの観光地を巡ることを提案してくれた。
私は、あれ?ぼったくられたりしないのかな?と思ったものの、彼が「どうする?」と意見を求めてきたので、「お願いしようか」と言った。
私が勝手に彼に対して信用しているだけかもしれないけれど、彼が私に訊くときは大抵本当にどっちでもいい時なんだと思う。
それはつまり、「まあぼったくりでもなんとかなるよ」的な感じである。
結果的にこの出会いは運命の出会いとなり、最終日まで彼に専属ドライバーをしてもらうことになる。
ミーソン遺跡
そこはとんでもなく暑かった。
スマホで写真を撮ると、すぐ「iPhoneが熱くなりすぎています。」という注意書きがでるし、おかげであまり写真を撮れなかった。
けれど、レンガの建物の中は涼しいまでは行かなくても、暑さは少し緩んだ。中に入れて、触れる世界遺産なんてなかなかないように思う。
ミーソン遺跡はとんでもなく昔の宗教施設跡地、と私は軽く認識している。

日本では遣唐使とか、摂政とか関白とか言ってた時代より、もっと前くらいに栄えていた国のヒンドゥー教の寺院が今も残っている……それってすごいことだ。
今のベトナムにヒンドゥー教徒は少ない。イスラム教や仏教に改宗したらしいのだ。
それほどまでに長い時間が経ったということなのか、移民や戦争の歴史がそうさせたのか……。
こんなに大掛かりな建物を作ることのできる権力者でさえ、いつかは衰える。
まさに盛者必衰。諸行無常の響きあり…。
ココナッツ林
タクシーに戻ってくると、お兄さんは声をかけてくる。
「ミーソンok?」
「very good!...very hot.」
話している2人に仲良くなってる彼。男同士だから?そういう陽気でフレンドリーさがあるのかな?と考えていると、お兄さんがペットボトルの水を2本差し出してくる。
翻訳のアプリに何か喋って、こちらに見せる。
(暑いから、喉が渇いたと思って、水を買っておきました。)
優しい……!!
現地の人って、みんなこんな感じなのだろうか?
けれど、私たちはあまりの猛暑に耐えきれず、売店でジュースを買ってしまっていた。
「We have drink.」
「ok.next lets go.」
陽気で親切なお兄さんだった。

着いたのは広大なココナッツの林だった。
この後ろの植物、全部ココナッツの木だ。こんなにあったら、ココナッツジュースも安くなるよなー、と妙に納得する。この蒸し暑いベトナムでは暑くて水分が必要になる。水分補給できる天然の恵は必要不可欠なのだろう。
写真に映っているような、竹で編まれた桶みたいな丸い舟に乗って散策できるらしい。
担当してくれたのは肌がこんがりと黒く日焼けした船頭さん。英語は話せないらしく、最初は私たちに韓国語で挨拶してきた。
彼が、「We are Japanese.」と何度か伝えると、「Oh,Tokyo!」「ガンバーレ」と知っている日本語を連呼した。彼が最後に「シンチャオ(ベトナム語のこんにちは)isこんにちは(だよ)」と教えたら、「コンーニチーワ!」と嬉しそうに連呼しながら船を漕ぎ進める。
やっぱり、陽気な国民性なのかな、とほっこりした。
観光客用の笠を借りて40分ほど水上散策した。
笠をよくみると、アルミが入っている。熱を吸い取るものなのかもしれない。
川の上は少し涼しいかと思いきや、遮るものがなくて逆に暑い。
そんな中、陽気に掛け声をかけながら漕いでくれるお兄さんは、私たちに年齢を聞いてきた。
「33,she is29」
「Oh,5?(5歳差?)」「YES」
言語はわからないけど、雰囲気で伝わってくる。
「年下を捕まえるなんて隅におけないなあ!」みたいなニュアンス。まるで親戚のおじさんに揶揄われるみたいでちょっと居づらい。どこの国でもこんな感じなのだろうか……。
と思いきや、お兄さんに不意に手を取られた。自分の手と、私の手を横に並べてニッと笑っている。なんだ?なにか言っている。私には聞き取れない。
「色が違って、オセロみたいだってさ。」
きょとんとしていると、くすくす笑いながら彼が翻訳してくれた。
そういうことだったのか!
確かに私の手はお兄さんの手に比べると白い。
「me,35,」
そう言って、お兄さんは携帯を差し出してきた。翻訳アプリが開かれている。
(私には妻と子供が2人います。養っていかなければなりません。そのために、いくらか(チップを)もらえないですか?)
直球すぎる。内容は間違いない。ストレートな要求だ。
お兄さんはスマホを閉じ、ロック画面に戻した。そこには、色黒の彼と、その妻、かわいらしい子供たちの記念写真が写っていた。
「チップだって。どうする?」
「まあ、うん。あげたら?」
観光地の楽しげな空気から一転、お金をねだるっていう発想が思いも寄らなくて思考停止してしまっていた。
でも、彼にも家族がいる。チップって、ベトナムでは一般的な文化だしな…。
この人たちの給料って、一体いくらくらいなんだろう。観光地でこうして体を張って商売をしても、手元に残るのはごくわずかなのかもしれない。(桁はやたら多いだろうけど。)
固定給だろうか?歩合制だろうか?と下世話なことを考えてみる。「聞いたらダメだよね?」と聞くと、「うん。だめかな。」と返ってきた。
私の気持ちなどいざ知らず、チップをもらって更に上機嫌なお兄さんは、「ガンバーレ!」「コンニチーワ!」と元気に発声しながら漕いでいた。
ホイアン市場
専属タクシーのお兄さんに、次はホイアンの市場に連れていってもらった。
大体、どのくらいの時間、ここにいますか?と問われ、2時間と答えると、2時間後にこの場所で会いましょう、と答えが返ってくる。
一体、海外は時間にルーズだと言った人は誰なんだろう?
ホイアンは、ランタンが多く飾られていた。
色とりどりでかわいい。しかも、何個もあるのがまた良い…。
No PARKINGとあるけれどバイクがあるのはまあ、ご愛嬌。とあるお店の外観だけれど、すごく絵になる。

お土産を探しに露店を見る。ランタンを見て一目惚れした。これは買って行こう。
次に目をひいたのはかんざし。
木でできたものと、鹿のツノで作ったもの。あとは見たことのある金属に装飾品がついているタイプだ。しゃらしゃらと揺れる控えめな装飾が綺麗だ。きっと日本人の黒髪にも映える。
妹のお土産にひとつ買った。
ライターに、ジッポ(の偽物?)それに色とりどりの装飾のある鍋敷きなのかな?小物入れ?もあった。
そんなこんなみていると、言語の壁はなんとやら、現地の人が声をかけてくる。
別の露天であ、これかわいい、とまた見つけたかんざしと見つめあっていると、おばちゃんがすかさず話しかけてくる。
なにか言ってるけど、全然わからない。
彼が見かねたのか、おばちゃんに声をかけてくれる。
「NoNo,We are Japanese.」
「Oh,Korea!」
「NoNoNo!Japanese!」
「你好?」
「No!ジャパニーズ!」
「コンニチハ?」
「Yes.Yes…」
おばちゃんが私が喋れないことを察して、どんどん彼に話しかける。
私もちょっと察して、この場を離れる目配せをして、センキュー…と言いつつ歩きはじめると、その腕は引っ張られた。
おばちゃんは私を逃がさないというように肩を組む。
なんて言ってるのかわからないけど、ひたすら喋っている。
「もう持ってるしね…、デザインは好きだけどな……」
と小さいことで悩んで彼にいうと、英語でなにか伝えてくれる。
するとおばちゃんは彼にいっぱいしゃべる。
今度は疲れ気味の彼が私に、「買っちゃう?」ときいた。これが敗北宣言だったのかもしれない。つづいて、おばちゃんに聞く。
「How much is this?」
おばちゃんは待ってましたとばかりに電卓を持ってくる。
「100,000(600円)」
おそらく、600円なら買った方が早いと判断したのか、彼は札束を取り出す。ついでに両替も…と思って大きい札をだしたら、すごい剣幕でNo! No!と言われる。
札束をぐっと掴んで数字を確認し、これよこれ、と数枚引き抜く。
「thank you.」
声が聞こえて、振り向くと、おばちゃんはさっきと打って変わって静かに微笑んでいた。
二重人格みたいな変貌の仕方に、あの人はAB型のベトナム人だったんだ、と自分を納得させた。
ふと見上げた空は雲ひとつない。船着き場が近くにあって、風情のある港町という感じだ。
日本と違って高い堤防がないから、海が太陽の光に照らされて、きらきら輝いていた。
のんびり時間と夕食
ベトナムは海鮮が美味しいらしい。
初日の夜にテレビの見方が分からないということがあって、比較的簡単にアプリがひらけた、ホテルのテレビでYouTubeを観た。
フォーらしきものを食べたはいいけど、それ以外に何かベトナムグルメないの?と思ったからだ。
すると、動画の中で美味しそうに食べる女性YouTuberが。しかも3年後にもう一回撮ってる。そんなに美味しかったのかな?
ホイアンから帰ってきて疲れた私たちは、一度小休止を挟むことにした。
ホテルの屋上にプールがあるのだ。
暑い、日の照っているところで入る勇気はないので、日の暮れた夕方が良いと思っていた。
水着になる体力も惜しまれ、プールのバーへいく。
私は並んだ英語メニューの中で唯一読めたマティーニを指差し、彼はモヒートを注文した。

あついねー、と笑いながらお酒を飲んで過ごす。
もう日はすっかり暮れていたけど、気温は30度くらいでまだ暑い。その日もまた、フェスティバルの楽しげな声が響き渡る。おかげで雰囲気まで明るくなった。
「ミーソン遺跡暑すぎたね」
「結構広かったね」
なんて話して、のんびりしているとお腹が空いてくる。
「昨日のYouTubeで見たとこ、行ってみようか」
それから、ドリアンの山に鼻をつまんだり、お姉さんに声をかけられながら進む。
5分くらい歩くと、そこにはYouTubeまんまのお店があった。私が気付いた中では唯一2階があるような、大きなお店だ。
店の中に生け簀があって、海鮮物を見つつ選ぶのが良いらしい。しかし、メニューには不審な点がちらほら…。
海鮮はキログラムでの注文になっており、そこまでお腹が空いてない私たちは、目を見張る。comboというセットメニューらしきものがあるものの、セットというには重すぎるように感じた。
だって、0.5キロだとか、0.9キロ、1キロ単位で注文をとられるのだ。
え??それまじ?食べきれなくない?
お値段は確かに、まあ新鮮な海鮮たちを、捌いて調理して持ってきてくれるのを考慮したら、安いと思う。
これは、一つの例だと思って欲しい。
1. ロブスター(0.9kg)
ガーリックバター炒め&ガーリック風味(ハーフ&ハーフ)
2. ホタテ(1.0kg)
チーズ焼き&ねぎ油ピーナッツ焼き(ハーフ&ハーフ)
3. ブラックタイガー(エビ)チリソース(0.5kg)
4. ブラックタイガー(エビ)焼き(0.5kg)
これで、3,199,000 VND。日本円で、19,800円だ。
これって安いのか?て思うかもしれないけど、まあ、海老の殻を剥いたり、カニの中身を食べやすくしてくれたり…自分で手を汚さなくてすむのも利点だと思う。
ほんのちょっと、カニを350グラム、エビチリを200グラム、頼んだ。
暑くてお腹いっぱいだけど、思ったより量は普通で食べきることができた。
が、結局のところ、タイミングが悪かった。
そこは現金しか取り扱ってなかった。まだ二回目の換金をしていない私たちは青褪め、私たちはそわそわと落ち着かない様子でエビチリとカニを口に運ぶことになった。
新鮮で美味しい反面、日本では食べたことのない部位に驚いた。カニの卵もあった。
これがベトナム……
疲れ果てた私は、彼に食べるのを任せて周りを見渡す。
彼もちょっときつそうだが、ちょっと見て見ぬ振りをした。てへ。
お隣の席では外国人が何度も乾杯をしていて、この人たち何かの祝勝会とか、喜ばしいことで集まってるのかな?おじさんばっかだけど。なーんて思っていたら、彼が「たぶん中国人だね。中国人はいっぱい乾杯するんだよ。」と教えてくれる。なんだ、現地の人じゃないのか。
ガッシャンと音がしたのは2階の方。
音の方を振り返ると、まさかの食器を二階から一階に落としてしまったらしい。幸い下にはお客さんの姿はなく、よかったものの、もし下にいたら、と怖くなる。フロアの担当らしき男の人が慌てて2階に走っていく。
「ベトナムはやっぱり良心的だね。」
「そうなの?」とどこらへんが?という気持ちで言うと、彼は笑った。
「もっと酷いところだとああいうのあっても誰も気にしないんだよー」
外国、怖いなあ…と思った出来事だった。
