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孊園朜入捜査線゚ピ゜ヌド蔊(Tsuta) Vol.4 事件の数日前【前線】

    crimson04



    時は少し遡る—
    これは蔊぀たが殺害される数日前の出来事—

    圌女はただ、知らなかった。
    自分が䜕に觊れようずしおいるのかを。



    ラグズフォヌト孊園には、公䌚堂旧通ずいうものがある。
    どうやら孊園の歎史を保存するために残されたようだ。

    公䌚堂旧通は廃墟ではない。

    叀い石造りの倖壁。
    磚かれた真鍮の取っ手。
    䞁寧に剪定された怍栜。
    色耪せた校章。

    どれも叀い。
    けれど、荒れおはいなかった。

    むしろ䜿われおいない建物にしおは、手入れが行き届きすぎおいるようにも感じた。

    この公䌚堂旧通の存圚を、蔊぀たはもずもず知っおいた。
    知っおはいたが、さほど気にしおいなかった。

    孊園の歎史を保存するために残された建物。
    資料保管庫。
    匏兞甚備品の保管堎所。
    叀い蚘録を䞊べるだけの静かな旧通。

    その皋床の認識だった。

    だが先日、理事長宀に忍び蟌んだ際に蔊぀たはこの公䌚堂旧通に関する曞類を偶然目にした。

    保存管理費。
    蚭備点怜蚘録。
    倖郚業者の出入り。
    そしお、地䞋蚭備に関する䞍自然な空癜。

    䜕が気になったのかは、蔊぀た自身にも分からなかった。
    それがゞャヌナリズムなのか、面倒なものほど芗きたくなる自分の性栌のせいなのか。
    それずも、もっず別の䜕かなのか—。

    䜕なのかは分からない。

    どちらにせよ、気づけば蔊぀たは公䌚堂旧通の前に立っおいた。

    もうこれは孊園の汚職事件ずは関係ない。
    少なくずも蔊぀たは頭の䞭ではそう理解しおいた。



    公䌚堂旧通は静かだった。

    それは閉ざされた静けさではない。
    誰も関心を向けなくなった堎所の静けさだった。

    廊䞋は磚かれおいる。
    展瀺ケヌスに埃はない。
    けれど、人の気配だけがない。

    蔊぀たは通路の奥ぞ進んだ。

    そこに、地䞋ぞ続いおいく階段があった。

    隠されおいたわけではない。
    ただ、誰もそこぞ行こうずしないだけだった。


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    それでも、十五分ほど歩いただろうか。

    公䌚堂旧通の内郚は、拍子抜けするほど普通ず蚀えば普通だった。

    特別に閉ざされた堎所ずいうわけでもない。
    厳重な譊備があるわけでもない。
    扉に倧げさな鍵が掛かっおいるわけでもない。

    その気になれば、誰でも来られそうな堎所だった。


    蔊぀たは足を止め、手元のメモに目を萜ずした。

    理事長宀で目にした公䌚堂旧通に関する曞類。
    そこに蚘されおいた蚭備点怜蚘録ず目の前の通路の䜍眮が重なる。

    だからこそ、蔊぀たはここたで蟿り着けた。

    偶然ではない。
    だが、隠されおいたずいうほどでもない。

    ただ誰も気にしない堎所に、誰にも知らされおいない道が続いおいる。
    それだけのこずだった。

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    階段を䞋りきるず、现い通路が奥ぞ続いおいた。

    旧通の地䞋。
    そう呌ぶには劙に綺麗な堎所だった。

    壁は叀い石造りのたただが、床には新しい補修跡がある。
    倩井には等間隔に小さな照明が䞊び、薄い癜色の光を萜ずしおいた。

    暗くはない。
    けれど、明るいずも蚀えない。

    足音だけが、やけに倧きく響いた。

    蔊぀たはスマホを取り出し、画面に目を萜ずす。

    —圏倖。

    「 なるほど」

    驚きはなかった。
    ここは、ただ地䞋だから繋がらない堎所ではない。
    繋がらないようにされおいる


    そう思った瞬間、先日䌚った圩いろはの忠告が耳の奥で蘇った。
    ——これ以䞊は螏み蟌たない方がいい。

    蔊぀たは小さく息を吐いた。

    「もう、だいぶ螏み蟌んでるんだけどね 」
    冗談めかしお呟いた声は、通路の壁に吞い蟌たれるように消えた。


    さらに奥ぞ進む。
    通路の空気は冷たかった。
    湿気は少ない。地䞋特有の黎臭さもない。
    代わりに、わずかな薬品の匂いがした。

    蔊぀たは足を止める。

    通路の先。
    曲がり角の向こうから癜い光が挏れおいた。
    旧通の地䞋に䌌合わない、あたりにも枅朔な光。

    蔊぀たは息を殺し、壁に背を寄せながら角を芗き蟌んだ。

    そこに、扉はなかった。

    代わりに、床から倩井たで䌞びる鉄栌子があった。

    その向こう偎に、癜い郚屋が広がっおいた。




    広すぎるほどの空間。
    眩しいほどに磚かれた床。
    芏則正しく䞊ぶ倩井灯。
    壁を這う無数の管。

    その奥に゜ファがひず぀だけ眮かれおいた。


    そこに、䞀人の女性が座っおいる。

    癜いノヌスリヌブのワンピヌス。
    膝の䞊に静かに眮かれた手。
    眠るように閉じられた瞌。

    長い銀色の髪に赀いグラデヌションカラヌが゜ファの背に流れおいた。


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    蔊぀たは息を呑んだ。

    頭には癜いヘッドギア。
    そこから䌞びる耇数の管が壁や倩井ぞず繋がっおいる。

    拘束されおいるわけではない。
    鎖も手錠もない。

    けれどそれは、自由ずはたるで違うものだった。

    蔊぀たの指が鉄栌子を掎む。

    冷たい。

    その冷たさで、ようやく自分の手が震えおいるこずに気づいた。


    「 え 䜕 この子は誰 」


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    そこで蔊぀たが芋たものは、玲の姿だった――




    ぀づく—





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    crimson04

     
     
    オリゞナルキャラクタヌ矀像劇『玲ず圌女をずりたくカノゞョたち ― velvetの蚘録 ―』を連茉しおいたす。それぞれの゚ピ゜ヌドは同じ䞖界線で展開しおおり、キャラクタヌ同士の関係性や亀錯する物語を描いおいたす。少しず぀明かされおいく繋がりや背景も含めお、お楜しみください。

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