
母と絶縁して、私は楽になった。
母とは、もう5年以上会っていない。
昔は、どれだけ喧嘩をしても、
最後にはまた話をしていた。
だから私は、今回もどこかでまた同じだと思っていた。
でも、もうそうならない気もしていた。
時間が経てば、
また普通に連絡が来ると思っていた。
でも、来なかった。
母とは昔から、
何があっても関係が切れなかった。
嫌なことを言われても、
傷つくことをされても、
私はずっと許してきた。
「親だから」
そう思っていたし、
そうやって自分を納得させていた。
でも、旦那のことだけは違った。
母はずっと、
私の旦那の文句を言っていた。
会うたびに言う。
最初は話を流していた。
でも、だんだんしんどくなってきた。
どうして私の大切な人を、
こんなに否定するんだろうと思った。
「もういい加減やめてほしい」
と何度も言った。
でも母は変わらなかった。
私は最後に、
「これ以上言うなら、
もう一生会わない」
そう伝えた。
すると母から、
連絡が来なくなった。
私も、
もう会うのはやめようと思った。
そして
冷静に考えた。今までは冷静に考えられる時がなかっただけだった。
母は、
私に会えなくなることより、
旦那の悪口を言う方を選んだんだ、と。
普通なら、自分の娘にも会いたいだろうし、
謝ってくると思っていた。
勢いで言ってしまったとしても、
娘に会えなくなるなら、
何かしら歩み寄ろうとすると思っていた。
でも、何もなかった。
あとから妹に聞いた。
母は今でも、
旦那の悪口を言っているらしい。
何も変わっていなかった。
私はその時、
「ああ、この人は本当に変わらないんだな」
と思った。
と、同時に会わないという選択にどこか楽になってる自分もいた。
人によっては言う。
「本当は寂しいんだよ」
「親だからそんなつもりじゃない」
「いつか後悔するよ」
でも違う。
そういう綺麗な話じゃない。
経験した人にしかわからない感覚がある。
普通の親なら、
自分の子どもと会えなくなる方を選ばない。
それでも母は、
旦那への執着をやめなかった。
しかも、
旦那には散々と世話になっていはずなのに。
それなのに、
ずっと悪く言い続けてる。
普通に考えて理解できない。
私はずっと、
うすうす気づいていた。
母は、
私のことを愛していたというより、
自分のために、
私を必要としていただけだったんじゃないかと。
母は今、
戸籍上は離婚しているのに、
私の父と一緒に暮らしている。
父は昔、働かずだらしない人だった。
母は「子どもができれば変わると思ったのに、結局何も変わらなかった」
とよく言っていた。
私の妹には、「二人子供は産んだ方がいい」と言われたから産んだとか、
「本当は産むはずじゃなかった」とか色々今まで聞いてきので、
親を好きだと思う感覚も、
安心する感覚も、
正直よくわからない。
普通の家族はこういう事も言うもんだと、思って生きてきたけど、大人になって違う事に気づいた。
ある日、
ショッピングモールで母を見かけた。
一瞬でわかった。
だいぶ老けていた。
私は気づかれないように、とっさに隠れた。
誰かに追われていて、見つからないようにしなければいけない。
そういう感覚だった。
昔の私は、
母と会わないことに罪悪感があった。
親不幸なんじゃないかと思っていた。そう洗脳され続けていた。
この件がなくても、本来はもっと早くに会わないという選択になっていたはずだったと思う。
やっと、その時がきただけ。
会わなくなってからは、洗脳が解けていくように徐々に
心が落ち着いていった。
母と会っていない今が、
人生で一番楽だ。
もちろん、
完全に傷が消えたわけじゃない。
今でも母を思い出すこともあるし、この選択があっているかなんて、
わからない。
でも、
「親だから」を理由に、
もう自分を壊したくない。
自分の生き方を、これからはしていく。