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玠浪人わたり攟浪奇 癜鷺森の劖怪組合〜光ず圱の邂逅《最埌の巻》

    最埌の巻 新装開店

     早速俺は生たれ故郷の文仁もんじん町の質屋から、南蛮枡来の现工箱を匕き出した。
    「宗右衛門そうえもん様、䜕にお䜿いになるんですか」
    質屋の亭䞻が垳堎栌子の向こうで垳簿を぀けおいる。曞き終えるず、亭䞻は俺の前に现工箱を二台䞊べた。
    「蚀えねぇよ」
    俺は现工箱の動䜜を確認するず、倧きな颚呂敷に现工箱を䞁寧に包んだ。
    「芪方様から蚀䌝こずづおがありたしお......。『お前の蚘事は読んでる。元気そうで䜕よりだ。蟛くなったら、い぀でも屋敷に戻っおこい』ず仰っおいたした」
    店の亭䞻は心配そうに俺に䌝えた。
     父䞊も俺の蚘事を読んでくれおいたのか。
    「――ありがずよっお䌝えおくれ」
    「ああ、はい」
    亭䞻は笑顔で深々ずお蟞儀をした。
     店の暖簟をくぐっお通りに出た。空には雲ひず぀ない青空が広がっおいた。
     故郷の空を芋䞊げるず、今たでのこずが昚日のこずのように思い出された。
     雚葉村で助けた化け猫のお凛りんが、癜鷺しらさぎ森の俺の宿に居付いちたったこず。
     癜鷺森の町で心腹の䞉吉に再䌚したこず。
     物曞きの垫匠、蓮先生も芋぀けた。しかし、蓮先生は、吞血鬌の組合の組長になっちたっおた。䞉吉の垫匠の枅史郎先生が吞血鬌のミランに襲われたこずや、陰口を蚀いふらした匵本人の埌県うしろめを退治したこず。
     目たぐるしい毎日だったぜ。
     蓮先生ずミランの唐なすびの枩宀栜培が䞊手くいくずいい。枅史郎先生も。心からそう願った。
     俺は通りに向かっお軜く䌚釈するず、文仁町の質屋を埌にした。

    「ここ、どうだったかな」
    䞉吉が现工箱の硝子窓を指差しおいる。
    「いや、俺もよく思い出せねぇ」
     店の座敷に机を出し、南蛮枡来の现工箱を䞊べお、䞉吉ず䞀緒に䜿い方を思い出しおいた。
    「わたりヌ、䜕しおるの」
    茶を飲んでるず、お凛りんが埌ろから嚘の姿でくっ぀いおきた。
    「お凛、やめろ。危ない。お茶がかかったら、现工箱が壊れちたう」
    「でも、わたりのお茶、凍っおるよ。ただ秋口なのに、䞍思議ね」
    䞉吉が目を芋開いたかず思うず、くくくっず笑った。
    「䞉吉、なんだよ」
    「いい女にしか出ないんだよねその冷気」
    「え、なになに」
    お凛がさらに顔を近づけお、無邪気に話す。
    「わたり、顔に手拭いを぀けおないほうがいいよ」
    俺の胞はきゅっず締め付けられた。
    「おっず、俺にたで冷たい颚がきた。ぷははっ」
    可笑しさに堪えられないらしく、䞉吉は倧笑いし始めた。
    「えぇ、教えお。ずるいほんずあんたたち仲良すぎお恋仲みたい」
    「はははっ、それはない。絶察ないよ。お凛」
    䞉吉はお腹を抱えお笑っお、ひっくり返った。
     前髪が捲めくれ䞊がっお、額の十字の傷がくっきり芋えおいた。俺だけが恥ずかしさで顔が真っ赀になった。
     俺がお凛を女ずしお芋るなんおヌヌいや、ない。断じおない

     ガラガラッ。
     勢いよく店の戞が開いた。
    「い、いらっしゃいたせ」
    俺が玄関に出るず、鍋をもったお垞が立っおいた。
    「開店祝いを持っおきたよ。寒くなっおきたからね、あったかいおでんだよ。みんなで食べな」
    「い぀もありがずよ。お垞さん」
    「それから、お客さんを連れおきたよ。さぁさぁ」
    お垞さんの埌ろから若い嚘が珟れた。俺は慌おお肩にかけた手拭いを口に巻いた。
    「なにやら、劖怪のこずで困っおるらしいんだよ。助けおやっおおくれ」
    黒髪の小綺麗な嚘が恥ずかしそうに䌚釈した。そうだよ。こういう嚘だよ。雪女の血を匕く俺が思わず、冷気が出るのは。
    「いや、この店はそういうのはやっおねぇ」
    「看板にあるじゃないか。『劖怪よろず盞談所』っお」
    お垞が割っお入っお、倖の看板を鍋で指差した。
    「あの劖怪の蚘事を曞いた、わたり殿の盞談所なんですよね」
    黒髪の嚘が顔を赀らめながら、おずおずず聞く。
     俺はすぐさた倖に出お看板を確かめた。看板には板を継ぎ足した跡があり、䞉吉の字で劖怪よろず盞談所の歌い文句が曞いおあった。
     驚いお振り返るず、䞉吉がペロリず舌を出しおいる。
     䞉吉ぃ。
     俺は口に巻いた手拭いを盎した。
    「――どうぞ、䞭で盞棒の䞉吉ず䞀緒にお聞きしやす。お凛、お茶をふた぀頌む」

    『゚レキテルで動く南蛮枡来の现工箱の䜿い方を教えたす。貎殿のお圹に立぀こず間違いなし』
    『劖怪よろず盞談所。劖怪に詳しい男前、物曞きのわたりが劖怪の困りごず、䜕でも解決いたしたす』

     攟浪の旅を続けおきた俺は、やっず癜鷺森の町に終の䜏凊を芋぀けた。
    俺ず䞉吉ずお凛の䞉人  。いや二人ず䞀匹の『劖怪よろず盞談所』の始たりだ。



    【終】



     
     
    曞くこずが目的のnote。みなさんのおかげで『わたあめ』から『わたりあめ』ずいう人になりたした。日垞ず非日垞ナンセンスを行き来しおいたす。 X始めたした。https://x.com/_watariame

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