
知って欲しい ASD | パニックの時には①|NG言葉と修正言葉
僕のパニックは、ただただ大泣きをする。
他害の欲求は全く無い。だから物にも人にも、周囲に手をあげることは絶対にない。
ひたすら幼児のように、大泣きする。
先日、かかりつけの精神科で主治医の予定変更により、普段とは違う医師に診てもらった。切らせない薬が足りなくなるから、翌週の主治医の勤務日まで待てなかったので仕方がない。想定の範囲内だった。
この病院はとても良心的で、診察以外にも『相談員』さんが話を聞いてくれる時間を設けている。相談員さんは看護師や心理士など、いろいろな立場の方が担ってくれている。
その日はまさかの相談員さんも初見の人だった。そこは想定外。緊張感は増していた。待合室では普段は出ない、動作も全開だった。
ぴょんぴょん跳び跳ねる、手やぬいぐるみを目の前でヒラヒラ、プルプル、口からは安心する言葉を繰り返すエコラリア。
冷静な自分が『これは限界だなぁ…でも、あとは会計だけ…』と思っていた最後に、頼んでいた(と、自分は思っていた)薬と違う処方箋が渡された。
限界は超える。
一気に泣き出し、『なんで??どうして??』が駆け巡る。
病院でパニックを起こしたことは過去に何度もある。毎度相談員さんが駆けつけてくれて、相談室に連れていき、落ち着かせてくれていた。
しかし、その日の相談員さんは、パニックの僕に言ったら余計にパニックが加速し、パニックを起こしている自分を責め立てるNG言葉を口にしてしまった。
『大きな声出さないで。みんな見てるよ。』
自分でもどうしようもできない現象への禁止の指示、周囲が見てるという同調圧力。
これはパニックを起こしている人間にとって、最悪のコマンド入力になる。
「ごめんなさい、ごめんなさい、僕が悪い、ごめんなさい、」タオルを口に押し込み、声を抑えるしかできなかった。
この状態の僕の脳に適切な修正言葉は、
『あなたは悪くないです』
これを打ち込まなければ自責のアルゴリズムは永遠に回転し続ける。
大泣きは止まらないまま、処方箋を直したから会計をしましょう、となった。
僕はずっと、『ごめんなさい(?)ごめんなさい(?)』(僕が悪い?僕が悪い?誰か答えを教えて)
を繰り返す。
外から見たら、ただ泣きながら謝っているだけの僕。
そんな僕にかけられた言葉は
『大丈夫だよ。怒ってないよ。』
怒っていないということは、『本来怒るべき状況だ(僕が悪い)けど、こちらは寛大だから大丈夫ですよ、怒っていませんよ』にしかならない。
僕にとって、『周囲が怒っているかどうか』は他人軸の話であり、『僕が悪かったのかどうか?』の疑問は何も解決しない。
僕が悪くても悪くなくても、他人は怒るし、他人の感情がどうなっているのかを気にしているわけではない。
ただ、『処方箋は行き違いだっただけ、あなたが悪かったわけではない』
という修正言葉を、誰かに打ち込んで欲しかった。