
社会的な「性格」は3つある ー他者指向型とリースマンの洞察
はじめに
社会学者デイヴィッド・リースマンが1950年に著した『孤独な群衆』は、アメリカ社会の変化を象徴的に描き出した名著です。
この中でリースマンが提示した「社会的性格」という概念は、時代背景によって個人の性格や行動様式がどのように形づくられるかを説明するものです。
そう、性格は個人だけのものではないのです。
同じ時代や社会に生きる人びとには共通するコアとなる性格があるというのです。
その中でも特に注目されるのが、「他者指向型」の性格です。この性格類型は、現代人の多くに当てはまるとされ、リースマンの議論は現在においてもなお重要な示唆を与えています。
1.リースマンの社会的性格の理論
リースマンは、社会を人口動態や経済構造の変化によって3つの段階に分け、それぞれの段階で支配的となる「社会的性格」を提案しました。
1. 伝統指向型
特徴 : 社会の伝統や慣習に従う性格。農業社会や封建社会に多い。
例 : 親や地域社会の教えをそのまま受け入れる生活態度。
2. 内部指向型
特徴: 個人の内的な価値観や目標に基づいて行動する性格。産業革命以降の社会で主流に。
例: 目標に向かって自律的に努力する自己管理型の人。
3. 他者指向型
特徴: 他者の期待や流行、社会的な基準に敏感に反応する性格。消費社会や情報社会で顕著。
例: 周囲の意見やトレンドに従って行動するインフルエンサー志向の若者。
2.他者指向型の特徴と現代人の姿
「他者指向型」は、特に現代社会において重要な概念です。この性格類型を持つ人々は、周囲との調和を重視し、他者の期待に敏感に反応します。
SNSの普及により、リースマンの時代以上にその傾向は強まっています。