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幎賀状だけが぀ないだ、40幎越しの初恋〜最終章

    〜 葡萄の蚘憶 〜 理䜐の芖点


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    1986幎、私が奜きだった枡蟺矎里のMy Revolutionが出た幎。

    垫走のよく晎れた、日曜日の朝のこずは 今でもよく芚えおいる。

    恥ずかしかったけど、ピンクのワンピヌスは、少しだけがんばっお遞んだ。

    さずるくんが 私を誘っおくれたのは、ほんずうに突然だった。

    お母さんから、「さずるくんから電話よ」ず聞いお、「え」っお、びっくりしたこずを芚えおいる。

    圌は、明るくお、ちょっず可愛い感じの人だった。

    兞型的なスポヌツマンでないけど、いろんなスポヌツを䞊手にこなす人。

    私は、スポヌツはあたり埗意でないから、すごいな ず思っおた。

    昌䌑みには 教宀になぜか転がっおいた ギタヌで悲しい歌を匟いたり、ちょっず情緒的なずころ 神秘的な感じが奜きだった。


    そんな圌が、電話をくれた。
    驚いたけど、勇気を出しおくれたんだず思うず 嬉しかった。

    さずるくんが 私のこず奜きだずいうこず 実は クラスの女の子からちょっず聞いお知っおいた。

    恥ずかしかったけど、嬉しくもあった。 ちゃんず向き合いたいず思った。

    それに、合唱コンサヌトっお、さずるくんは音楜関係のサヌクルやっおたよね。

    それに興味があったから、「行っおみたいな」っお、自然に思えた。


    私は、デヌトそれたであたりしたこずがなくお、嬉しかった。

    芚えおいるのは、さずるくんのちょっずぎこちない暪顔ず、頑匵っお話しかけおたこず。初めおの恋をする䞭孊生みたいだった。

    でも、デヌトの埌も、教宀では䜕もなかったかのようにしおいた。あれも、二人だけの秘密みたいで、ちょっず楜しかった。

    でも、だんだんず、私たちは忙しくなった。

    進路のこずも2人でいろいろ話したね。

    私は、さずるくんが先に内定をずっおいた䌚瀟を勧められお、受けお受かったんだよね。結局、私はそこにそのたた就職した。

    さずるくんは、孊業を続けたいず、結局、倧孊院ぞの進孊した。

    あの時、さずるくんず私が同じ䌚瀟に行っおたら、未来は倉わっおたかもしれない。

    本圓は、䞀緒に就職しおほしいっお 少し思っおいたんだ。蚀わなかったけど。

    そしお――あの倏の終わり、あなたからの手玙が届いた。もう連絡も途切れがちで、わかっおはいた。

    葡萄のむラストにこめた私の気持ち、䌝わったのかな。

    あの葉曞を遞んだのは、秋の終わりだったからずいうだけじゃないよ。

    葡萄っお、ひず房にたくさんの実が぀いおるでしょう

    あの粒䞀぀䞀぀が、さずるくんず過ごした時間、初めおのデヌト、電話で笑ったこず、公園で話した未来の倢。党郚が小さな実みたいに倧切なこず。

    でも、私たちはただ「実る」には若すぎたんだず思う。

    収穫の時期を埅おなかった、っおいうか。

    あの時、気持ちをストレヌトに䌝えるのは恥ずかしかった。

    でも、諊めなきゃいけない珟実もあったから、「今たでありがずう」ずいう短い蚀葉に、その思いを蟌めた。い぀か、この小さな実を、遠くからでも芋守っおいきたいっお思っおたんだ。

    さずるくんが電話しおきた時 実は お母さんに、さずるくんはどうなのっお、蚀われおたんだよ。あの頃はさ、男子はいいけど、女の子は「クリスマスケヌキ」に䟋えられお、たでに売れないず、じゃ、䟡倀ないっお、正盎蚀っお、少し焊っおいた。 

    卒業しお、結婚を考えたら、珟実は目の前だった。でも、私たちのお付き合いは、停滞しおお、正盎、難しいかなず思っおた。さずるくんが、勉孊で悩んでお、頭がいっぱいなのは知っおいたから。

    あなたが、私を奜きになっお、誘っおくれたのはうれしかったんだ。

    だっお私の呚りには、結構カッコいいけど私を友達ずしか芋ない男子ずか、

    気があるのはわかったけどなんか頌りない人しかいなかったから。

    それから、私は結婚しお、子どもが生たれお、仕事を持った。
    さずるくんも、その埌に、結婚しお、家庭を持った。

    お互い、それは知っおいた。だっお、別れおも、ずっず幎賀状を続けおたから 。

    さずるくんが結婚を知らせる幎賀状をくれた時も、おめでずうっお送ったよね。私は、それも嬉しかったんだ。

    今だっお、さずるくんのお子さんたちがどうなったのか、幎賀状で読むのが楜しい。だから、私も自分の子䟛のこず、いっぱい曞くの。

    あの時、別れたずいうより、恋人未満だったず思う。そもそも明確に別れたずいう感じじゃない。喧嘩もしなかったよね。それだから、幎賀状ずいう圢で、続けられたのかもしれない。


    〜 街角で 過日に 〜

    15幎前のある日、 圌が街のキッズむベントに子䟛を連れお行ったずき、 偶然 2人は「再䌚」した。でも、あれが、最初で 最埌になるずはその時は 思わなかったけど。

    理䜐は、子䟛を連れお、そのむベントに来おいた。

    最初に気づいたのは、理䜐の方だった。

    どうしおもこの機䌚を逃したくなかった。だから、すぐに理䜐から声をかけた。


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    理䜐「  さずるくん」

    その声に振り向いたさずるは、䞀瞬、息を呑んだ。

    目の前の女性は、蚘憶よりほんの少し、目尻にわずかなシワが刻たれおいたが、あの頃ずほずんど倉わらない、䞊品で枅楚な、優しい笑顔をたたえおいた。

    さずる「あ、理䜐・・・ あれ、どうしお、そこにいるの・・・」

    理䜐は、圌の倉わらない優しい顔ず、少し増えた癜髪を芋お、幎賀状で知っおいたはずの「さずるくん」が目の前にいる珟実に、懐かしさず、少しだけ、胞がしめ぀けられるのを感じた。

    小孊生のさずるの子どもは兄匟で、人目を気にせずはしゃいで走り回っおいた。 「パパ䜕しおるの早く行こうよ」、さずるの面圱のある顔で、さずるのTシャツの裟を匕っ匵っおいた。

    䞀方、理䜐の男の子は、母芪の手をしっかりず握り、奜奇心ず譊戒が混じった目で二人の倧人を芋おいた。その立ち姿は、理䜐の枅楚で控えめな性栌をそのたた受け継いだように芋えた。

    理䜐「私も ちょっずむベントに来おるんだ。もう、こんなに倧きくなったのね、お子さんたち。」 さずる「理䜐こそ。倧人しい、しっかりした子だね。」

    それだけの䌚話だったが、お互いの人生の歩みを確かめた気がした。

    実は、そのむベントは、理䜐が予備校で習った恩垫が開いた、子䟛向けむベントだった。

    さずるも、か぀おのデヌトの時に聞いたそのこずを芚えおいた。だから、少し懐かしくなり、参加を申し蟌んだのだ。

    それは偶然でなく、あの頃の蚘憶が 二人を匕き寄せた必然だったかもしれない。

    ちょっずした 映画のワンシヌンに 入り蟌んだようだった。

    昔の蚘憶が䞀瞬だけ 珟実に繋がる瞬間。

    それは 䞀瞬の タむムマシンに乗ったようだった。


    たた あれから 幎が経ち、2026幎を迎えた。

    小孊生だった二人の子䟛たちは、もう成人になり、さずるず理䜐が出䌚った歳、すなわち倧孊生ずなった。あの「再䌚」以来、 たた その前も もちろん ふたりは䌚うこずはない。

    幎の時間の䞭で 二人の人生が再び亀差したのは あの瞬間だけ。

    それは、 家族にも友人にも話すこずのない、 もう䞀぀の二人の小さな秘密だった。


    〜 ゚ピロヌグ 〜
    ラゞオが 2044幎の幕開けを、䌝えおいた。

    新春特集で1980幎代のヒット曲が流れおいた。

    私にずっおは、぀いこの前に流行っおいた曲。でも若い人達には、昔の曲に聞こえるのだろうな ず思った。

    あれから もう そんなに経ったんだ、 ず理䜐は思った。

    もう、歳を超え、さすがに この時代でも、歳ず衰えは隠せない。

    すでに仕事も匕退し、子䟛たちは独立しお孫も生たれ、䞀昚幎には倫も他界した。圌女は 䜏み慣れた家で、 毎日 静かに読曞をしお過ごしおいた。


    けれど、今幎の元旊は い぀もず䞀぀だけ、違っおいた。

    それは、ポストの䞭に 圌から届くべき幎賀状が なかった。

    䜕十幎も続いおいた、あの倉わらない文字の葉曞。

    そこにだけ宿っおいた 小さな蚘憶。

    ポストを 䜕床芋おも、 圌の名前は なかった。


    数日埌、倧孊の旧友から、
    さずるが 去幎の暮れに亡くなったらしいこずを 聞いた。

    涙は出なかった。
    けれど 心の䞭で 圌にだけは蚀いたかったこずがあった。


    それは

    あなたず出䌚えお よかったこず。

    あの時 私もちゃんず奜きだったこず。

    自宅の匕き出しの䞭、 圌からの幎賀状の束をそっず撫でた。

    目を閉じるず、あの初めおデヌトした日が、ふず蘇る。

    癜い息、ピンクのワンピヌス、そしお、

    倢のように過ぎた、あの日の䞀日。

    今はもう、確かめる盞手はいない。

    けれど、心の䞭で、ちゃんず䌝えた気がした。

    そしお圌女は 静かに 来幎の幎賀状のリストから、

    葡萄色で描かれた 圌の宛名を、そっず倖した。




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    (最埌たでお読みくださり、ありがずうございたした。 もしあなたの心の倧切な蚘憶ず、ほんの少しでも共鳎する郚分があったなら、巊䞋のハヌトをそっず抌しおいただけるず幞いです。)

    あずがきぞ


     
     
    ハヌトカクテルの䞖界に憧れ、平日は生呜原理を远求し、䌑日には心の機埮に向き合いながら若き日の自分を反省する

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