スピルバーグ監督最新作『ディスクロージャー・デイ』を観た。宇宙人より、両隣のおじさんが心配だ。
※映画の内容にほんの少しだけ触れます。でも、肝心なところは書きません。安心してどうぞ。
スピルバーグ監督の新作。
映画『ディスクロージャー・デイ』を観てきた。
何をディスクロージャー(開示)するのか?
宇宙人である!
これは観に行かなくては!
なにしろ私は、50年近く前から『ムー』や『トワイライトゾーン』を愛読していた、怪しいもの大好き少女なのだ。宇宙人、UFO、超能力、ノストラダムス。そういうものには、昔からめっぽう弱い。
しかもスピルバーグである。
宇宙人といえば『E.T.』。『未知との遭遇』もある。スピルバーグ監督が今、宇宙人を描く。
何を見せてくれるんだろう。
かなり期待して映画館へ向かった。
仕事帰り、金曜の夜のレイトショーである。腹ごしらえは必要だ。だから大好きな長崎ちゃんぽんを食べた。
野菜たっぷり。熱々のスープ。お腹も心もガッツリ満足。安定の美味しさである。
しかし今回に限ってはそれがいけなかった。
その腹パン状態でレイトショーへ突入したのである。
映画が始まった。
そして私は、ほどなく混乱する。
この人、誰?
この組織、何?
なんでそんなことができるの?
この機械は何?
この人誰だっけ?
あれ?どういうこと…?
難しい。
しかも眠い。
非常に眠い。
長崎ちゃんぽんで満たされすぎたせいなのか。
それとも――。
この映画には、観客の意識をぼんやりさせ、その隙に何らかの情報を脳内へ埋め込む仕掛けでもあるのではないか?そんなことまで考え始めた。
ところが、映画が進むにつれて、バラバラだったものが少しずつつながり始める。そして迎えた終盤。
私は完全に目が覚めた。
ここから先は書かない。ぜひ映画館で観てほしい。
「え?」
「これって……」
「ちょっと待って」
私はスクリーンを見ながら、そんなことばかり考えていた。
そして最後に残った言葉がある。
Listen.
聞いて―――。
映画が終わった。私は感動のあまり、しばらく立ち上がることさえできなかった。
私は息子と観に行っていたので、車に乗った途端、「あれ、どういう意味だったんだろう?」「あの人は何だったの?」「あそこはこういうことじゃない?」などと二人で話し始めた。まさにListenである。
家に着いてもまだ終わらない。思い出す。また話す。調べる。すると、映画館では気づかなかったものが出てくる。
「ああ、そういうことだったのか」と思ったら、「じゃあ、あれは何だったの?」と次の疑問が出てくる。
そこで気づいた。この映画、上映時間だけでは終わらない。映画館を出たあとから、もう一本の映画が始まる……。
ところで、映画館で私達の両隣に座っていた男性は、どちらも一人で来ていたように見えた。あの二人、大丈夫だっただろうか。
家に帰って、「あれ、どういう意味だったんだ……」などと誰にも話せず、一人で天井を見て悩んでいないだろうか。今ごろ眠れなくなっていたりして。
とても心配である。
『ディスクロージャー・デイ』。
私はまだ、この映画について書きたいことが山ほどある。
なぜ、あの動物たちはこちらを見ていたのか。
「知らないものを恐れないで」という言葉。
最後に見たもの。
そして、宇宙人の顔を思い出したら泣けてきた私。
それは、また今度。
今日はひとつだけ。
この映画は、観たあとが面白いので、できれば「あれ、どういう意味だったと思う?」と言える人と一緒に観てほしい。
それから、長崎ちゃんぽんは、野菜たっぷりで、お腹も心もガッツリ満たされる。とてもおいしい。
だからこそ――
『ディスクロージャー・デイ』のレイトショー直前に限っては、あまりおすすめしない。
映画の途中で意識が遠のいても、それが満腹のせいなのか、スピルバーグに何かを埋め込まれているのか、わからなくなるからである。
