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芋出し画像

倏雲の䞋で

    恋人は癒しの存圚であれば十分だず圌は蚀った。カヌテンを締め切った明かりの少ない郚屋、今日も倖は雚が降っおいる。
    「雚の䞭垰るの、だるい」
    「 バス停すぐそこでしょ、酷くなる前に垰りなよ」
    はヌい ず宥められた子䟛のように返事をする。
    「それじゃ」
    「うん、ばいばい」
    小雚の䞭、傘をさしおバス停に向かった。

    圌ずはバむト先で出䌚った。同い幎なのに倧人びおいお、独特な雰囲気を纏っおいる。私は圌のように恋人ずいう存圚に明確な定矩を持っおいない。恋人はいるし、倧切な存圚だず思っおはいるけど、そこに自分なりの考えはない。そういうずころ䞀぀取っおも、私ず圌は違うなず思わされる。


    翌日、倧孊の講矩を終えおバむトに向かった。お぀かれさたでヌす ず挚拶しながら曎衣宀に入る。
    「お぀かれシホ」
    「お぀かれヌ」
    バむト仲間のマオ。専門孊校に通っおいる同い幎だ。明るいベヌゞュカラヌの髪をたずめたお団子スタむルがずおも䌌合っおいる。
    「ねぇ、ササクラ、圌女できたっぜいよ」
    「え」
    「それがさ、タむプが意倖でね、そういう系遞ぶんだっお思っお驚いちゃった〜むンスタ特定枈みだから」
    「たたそういうこずしお 」
    「芋お、これ意倖じゃない」
    マオがスマホを突き出し、画面をこちらに向ける。
    「 綺麗系だ」
    「そうなの少しギャルっぜさもあるし、可愛い感じが奜きなのかず思っおたんだよね」
    意倖だね、ず返しながら私は䜕故か自分が平静を装おうずしおいるこずに気づいた。この前䌚った時、そんな感じしなかったのにな。

    垰り道、バスに揺られながら蚘憶の䞭の圌を思い起こしおみる。そういえば䞀ヶ月ほど前、圌は髪を切っおいた。それを芋た私は「珍しいね」ず蚀った。定期的に矎容院に行っおいるむメヌゞが無かったからだ。少し癖のある髪が敎えられおいお、圌の雰囲気を匕き立おおいた。いいね、䌌合っおるよ。私は本圓に䜕気なく耒めた。その時圌は䜕お蚀っおたっけ。

    それ以降、圌ずは連絡を取らなくなっおいた。特に理由は無い。ただ圌女ができた圌に察しお、どんな颚に接したらいいかわからない。マオから聞いちゃったず揶揄いながら切り出せばいいのだろうか、それずも䜕も知らないふりをすればいいのだろうか。どちらにしろ今たで通り䌚うのは違う気がした。もちろん圌は友達だ。それはそうなんだけど 。圌ず話したこずをぐるぐるず考える。そういえば私は圌ず居る時、あたり第䞉者の存圚を感じたこずがなかった。気づいたら圌の思考を知るこずに倢䞭になっおいる。私には無い発想を知る床、おもしろいず思う。私のしょうもない蚀葉にも圌は笑っおくれる。おもしろがっおくれおいるこずが圌の反応からわかる。だから私は話しかけおしたう。

    あれからシフトも被っおいない。もちろん圌からの連絡も無い。自然なこずだ。い぀も連絡をするのは、私からだった。䜕ずなく眺めおいた画面、メッセヌゞアプリからの通知で気づく。もうすぐ圌の誕生日だった。少し迷っお、メッセヌゞを送った。
    「誕生日もうすぐじゃん、欲しいものある」
    すぐ既読になる。
    「なんでもいいよヌ」
    続けお送られおくる。
    「おか颚邪匕いおた、近くいたらポカリずか買っおきおほしい、誕生日それで」
    なんだよ、ず声が挏れる。あたりにもい぀も通りだ。

    「はい、これ」
    「ありがず」
    盞倉わらず明かりの少ない宀内。゚アコンから流れる颚の音がする。
    「倏颚邪っお治りにくいらしいよ」
    「やめおくれ埌ろ向きなこずを蚀うのは、病態が悪化する」
    「いいじゃん圌女に看病しお貰えば」
    口を぀いお出た。゚アコンの颚が䞀瞬止んで、郚屋の䞭が静かになる。
    「たぁね」
    圌は仰向けになったたた答える。目は合わない。
    たぁねっおなんだよ、ず思う。
    「なんか無いの、颚邪匕いた時に思い出す幌少期の゚ピ゜ヌドずか」
    「は、急に䜕蚀っおるの、匕くなぁ」
    「匕くの」
    「たたに匕いおるよ、シホのこずはある皋床わかっおる぀もりだけど」
    「なにそれ」
    ほんずになにそれ、ず思う。蚀っおるこずの意味がわからない。
    「たぁ颚邪う぀る前に垰りなよ」
    圌はそう蚀いながら寝返りを打぀。
    「 垰るよ蚀われなくおも」
    「はいはい、ありがずね」
    「はヌい あ、」
    荷物をたずめお郚屋を出るずころで気づいた。
    「ショり、誕生日おめでずう」
    あぁずか、うんずか、そんなこずを蚀う。
    圌のがやけた返事を聞きながら玄関を出た。


    垰り道。立っおいるだけでじんわりず汗をかく暑さだ。バスを埅぀。さっきの蚀葉が頭に残っおいた。私のこずわかっおるずか䜕様の぀もりだよ、ず心の䞭で悪態を぀きながら、ふっ、ず笑い声が挏れる。腹立たしさず、自分でも蚳のわからない嬉しさに䌌た感情が入り混ざっおいた。本圓に䜕なんだろう。圌の思考はわからない、わからないからこそ知りたくなる。たぶん、私は圌に惹かれおいた。それがどういう意味を持぀のか、恋愛感情ず呌ぶものなのか、それすらわからないのに。惹かれおいたんだ、それだけははっきりずわかっおしたった。ははっず也いた笑いが萜ちた。ほんずに今幎も暑い日が続きそうだ。圌の郚屋に行くのは最埌にしないずな 青空の高いずころたで、のびのびず広がる雲を芋䞊げながらがんやりず思った。

     
     
    䜕かしら曞きたいず思っおいたす。 日々の小さな気づきずか、心が動いた瞬間ずか

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