
圧力鍋を手放した話
数年の間、キッチンの棚に眠っていた圧力鍋を手放した。
以前、カタログギフトでもらったもので、料理の時間が短縮されることを期待して選んだものだったが、我が家ではあまり活躍させることができなかった。
当時ハマっていた豚の角煮を圧力鍋レシピにアレンジして作ってみたが、期待が外れてしまったのだ。
それ以外の面でも思っていたような使い方ができず、結果、2~3回使っただけで終わってしまった。
コンロ下にしまってあるそれは、引き出しを開けるたびに目に入り、存在を主張してくる。
せっかくあるんだから、活躍させてあげたいな、などと考えをよぎることはあっても、そもそも私は料理があまり好きではない。
メインの料理担当は夫だが、彼も彼で期待が外れたようで使うことはなかった。
場所も取るし、扱いに困っていたところに現れたのは、「圧力鍋を買おうかどうか迷っている」という知人だった。
雑談の中で、あれよあれよと言う間に話がまとまり、その日のうちに家まで取りに来ることに。
帰宅し、渡す準備を整える。
コンロ下から圧力鍋を取り出し、取説置き場から説明書と、一緒についていたレシピ集を抜き取る。
圧力鍋の箱は早々に捨ててしまっていたが、車での来訪なので許してもらおう。
紙類だけ袋にまとめておいた。
久しぶりに圧力鍋を空けてみると、微かにごぼうの匂いが。
ほぼ新品とはいえ、少し申し訳ない気持ちになる。
そうして間もなく、圧力鍋は我が家から旅立った。
正直、負債を引き受けてもらったような気持ちで後ろめたいのだが、引き取り手が現れてくれたことは素直にありがたい。
知人に感謝しつつ、物を入手するときは慎重にならねばなぁと反省するのだった。