
この街は、足りないけれどAlles gut。|ベルリンエッセイVol.1
ベルリンに来て、驚いたことがたくさんある。
日本では、おそらく出会うはずもなかった出来事にたくさん遭遇する。
例えばこんなこと。
道にパンケーキ落ちてる。

電車の中にサラダ落ちてる。

てか電車来ない。
バスも来ない。
そして誰も謝らない。
平日の昼間から大人達が公園で卓球しちゃう。
太陽出てたら公園でも水着になっちゃう。
ローラーブレードでバスも乗っちゃう。

レジに行列出来ても店員さん応援来ない。
レジ打ちしてても同僚来たらグータッチあいさつ優先。
賞味期限切れたもの安くで売っちゃってる。
蚤の市で飲みかけのコップ売っちゃってる。

道にクリスマスツリー落ちてる。

道にキッチン落ちてる。

芝生にバスタブ落ちてる。

無許可のドビーいる。

トイレこけてる。

どの出来事も、驚きだった。
「おいおいこれ、ほんまにええんかいな」と思うことも多々ある。
バスが平気で運休したり、代替手段がないまま交通機関がストライキしたりする。
保育園の先生がお休みで人が足りないから、園児に「出来れば保育園休んで〜」と連絡がきたりする。
日曜に全ての店が閉まるのも、いまだに不便だなぁと思ったりもする。
でも、この「ええんかいな」な事象は、このままずっと、このままなのである。
足りないものは埋める、うまく機能してないものは棚卸して改善する。
そうやって生きてきたので最初は面食らった。
ベルリンは、足りないものを、足りないままにしておく。
「まぁええやん。Alles gut!(アレス グートゥ:すべて順調!)」とか言っちゃう街の空気。
ブチ切れている住民はたくさんいるとは思うけど、あらゆることが整えられている日本から来た私には、この空気がなんだか心地よくも感じる。
ベルリンには街の中にたくさんの森がある。
開発されず、ただ森のままそこにある。
カフェも、イケてるヴィラも建たない。
娯楽としては少し足りていないのかもしれないけれど、そこで充分満たされる。
私たちが「足りない!」と思う世界は、もしかしてもう十分に、足りているんじゃないだろうか。
ベルリンに来て、そんなふうに感じた。

毎日の記録であるベルリン生活日記とは別に、ここでは、ベルリンの暮らしで出会った驚きや、そこから見えた景色のことをエッセイにして書いていきたいと思います。
「誰に期待されてるわけでもないのに、エッセイとか自分で言って痛くない?」ってGeminiに聞いたら「どんな文豪も最初は自己満足から始まっています!痛くないですよ!」と励まされたので、勇気を出して始めます。
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