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今日の夏の一枚  pineapple 松田聖子

それまでの元気溌剌なアイドル像から一歩進んだ1982年作品。
やはり松本隆氏の登場が聖子ちゃんをアーティストへ成長させたと認めざるを得ない一枚。
この前年の夏に発売された「夏の扉」と「白いパラソル」とでは明らかに変化がある。
どちらの曲もこのアルバムには収録されていないのでその辺りは別の機会に書こう。

この「pineapple」は松本隆氏に加え松任谷由実氏も参加したアルバムだ。
ユーミンらしいちょっとノーブルな印象が単なるアイドルアルバムとは一線を画したクオリティに仕上げている。

ユーミン以外にも来生たかお氏、財津和夫氏、原田真二氏が作曲を担当。
元気な夏の中に不思議な静けさやノスタルジーを練り込み味わいを深めている。
この辺りが松田聖子の才能豊かなところで、押し付けがましくなくサラッと表現できてしまうところが表現力豊かなところ。
そしてバックのミュージシャンも一流どころを揃え、アイドルとアーティストの中間的な作品になっている。
ちなみに当時のアイドルのアルバムでは珍しく参加ミュージシャンの名前もしっかりクレジットされていた。
さらに余談だが日本初のCD製造のカタログの中で3枚目にクレジットされている作品。

聖子ちゃん自身も多分無意識に作家さんたちの狙うところを感じていたのだろう。
歌い方も少し落ち着いた避暑地のお嬢様的な雰囲気を醸し出している。
そして松本隆氏も聖子ちゃん自身の成長と歌の主人公の成長をシンクロさせていく手法を確立させたのだろう。
「P・R・E・S・E・N・T」 「水色の朝」「love song」
などさり気なさすぎて気が付かないが、しなやかな芯の強さが貫かれている。
これは松田聖子を近くで見ていて感じたことを作品にも投影させた結果なのではないだろうか?

もう一点特筆すべき点は「赤いスイートピー」が収録されている点である。
真夏のアルバムに春の曲。
当時のアイドルは春夏秋冬全ての季節にシングルを出すので夏のアルバムに冬のシングルが収録されたりする。
それでも違和感なく聴かせるのはアルバムとしてトータル性が保たれているからである。
季節は違えど根底に流れているコアな部分が統一されているからこそであろう。

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