
国際結婚、パリに来るまで #08.parisから届くもの
あらすじ/
日本で出会ったフランス人の彼。
4年間の遠距離恋愛、その後フランスへ渡り、国際結婚という人生を選びました。文化や言葉の違い、会えない時間、彼の持病と向き合う日々、
そして異国で築いていく家族、生活、仕事。恋愛だけでは語れない日々の中で、何度も迷い、笑い、泣きながら歩いてきた日々を、実体験をもとに綴っています。一人の女性が「大切な人」との出会いによって、自分の人生を少しずつ変えていった物語です。国や文化が違っても、人を想う気持ちは変わらない。遠距離恋愛、海外移住、結婚、流産、出産、子育て――人生の転機を重ねながら、パリで暮らす今へと続く、一つひとつの出来事を丁寧に描いていきます。
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#08 . parisから届くもの
ある日、ポストに入っていた一つの封筒。
送り出し人は、少しぎこちないカタカナで、
「アーノルド」。それだけで、すこし微笑んでしまう。
封を開けると、二匹のうさぎが見つめ合い、
真ん中にはハート❤。
可愛らしいイラストのハガキの裏には、
びっしり書かれたフランス語と少しの日本語の言葉。
別の日のメールの添付画像。
小さなパンダが真ん中で、口に手を当て遠くから叫ぶ。
"Tu me manque!!"(君が恋しい。)
誕生日には、箱いっぱいのフランス生産のプレゼント。
フランスのお菓子、石鹸、香水、アーノルドが
私のために選んでくれたアクセサリー。
愛情いっぱい。
箱を開けるたびに、
部屋じゅうに、少しパリの香りがひろがるみたい。
遠くにいるからこそ伝わる愛情を、私は受け取っていた。
やっぱり、手紙っていいなぁ。
そんな事をすこしづつ実感するようになっていた。
でも、触れられないんだよなぁ。
ということも同時に感じていた。
最近、
ビデオチャットでアーノルドが聞いてくる言葉がある。
「ハヅキは、いつフランスにきますか?」
「んー。わからない。」
「仕事休めないし。」
本当の理由はそれだけじゃなかった。
私がフランス留学から日本に帰国した本当の理由は、
まだアーノルドに話せていない。
”いつか話さなくちゃ。”
パリにいつ来れるの?そう聞かれるたび、
すこし、言葉に詰まる自分がいた。
ある日のビデオチャット。
アーノルド : 「モウスグ、ゴールデンウィークデス?。」
アーノルド : 「ドコ?いきますか?」
葉月:「何も予定していないよ。」
アーノルド : 「フランスにキマス?。」
葉月:「うーん。行きたいけど、お金ないし。」
アーノルド : 「フランスにキタイデス?。」
葉月:「うん。」
アーノルド : 「ボクがヒコウキのチケット、
ハヅキにプレゼントします。」
葉月: 「…… 。」
葉月: 「えっ?。」
葉月: 「でも、高いし。」
アーノルド : 「ダイジョウブ。ハヅキにきてほしいです。」
葉月:「アーノルド、、。 ありがとう(涙)。」
飛行機のチケットって、
ただの紙じゃない。
"会いに来て"の
愛情いっぱいの気持ちがつたわって。
胸がいっぱいだった。
私は翌日、
会社に有給届けを出すため、上司を説得した。
フランス料理のレストランも、経営していたせいもあってか、
フランスに行くことに対して、すこし前向きに許可してくれた。
私はこの年の春、
アーノルドの生まれた場所に、はじめて触れることになる。
この物語はまだ続いていく。
遠距離の先に、フランスで暮らす私たちの日々が待っていた。
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【noteこの前の章】
#07.声の距離
https://note.com/cocoh_paris_lala/n/nf7ce336233de
【連載一覧】
国際結婚、パリに来るまで
https://note.com/cocoh_paris_lala/m/md66b2a11c798