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孫悟空は『弁証法』の申し子なのでしょうか

    『弁証法』とは、対立する意見や矛盾を対話や思考の中で突き詰め、その緊張関係からより高い次元の理解や結論へと発展させる思考方法です。
    AとBの対立から、両者を踏まえたCという新たな立場を生み出す発展的なプロセスです。

    『ドラゴンボール』の孫悟空はどこまで強くなるのでしょう。
    初期の段階で、亀仙人を師としていました。以降、背中に「亀」のマークを付けていることからも分かるように、人間である師よりはるかに強くなっても、亀仙人の弟子であり続けようとしています。
    息子の悟販がピッコロを愛し、ピッコロと同じ衣装を身に着けるのと同じです。

    悟空の前には次々に強敵が現れます。その度に悟空は強くなっていきます。
    ベジータの出現は、より強くなるための契機ともいえます。悟空とベジータの共通の敵、フリーザが目の前に壁となって立ちふさがります。
    そしてクリリンをも殺され、ドラゴンボールの名セリフの一つ
    「クリリンのことかーっ!」でついに、怒りを爆発させた悟空は伝説の戦士・スーパーサイヤ人へと覚醒するのです。

    ドラゴンボールの孫悟空とは、古代ギリシアの問答法からヘーゲル、マルクスの哲学まで幅広く用いられた、矛盾や対立を単に排除せず、あえて正面から扱う思考法である『弁証法』によって生み出された最高傑作なのです。



     
     
    乗り物の発明者は、何かから逃げたがっています。個人の経営者は、借金から逃げたがっています。文章の執筆者は締め切りから逃げたがっています。