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「誰もやってくれないなら、自分で証明する」——SNS講師が、娘と始めた雑貨屋で広告費ゼロ・来店300人を作るまで

    この話は
    SNS集客のセミナー講師が、フォロワー5人から始めて、広告費ゼロで月商200万の店を作った。
    「本当にそれで増えるんですか?」と受講生に100回くらい聞かれたので、もう面倒くさくなって自分で証明した。
    同じやり方を教えたお店は、3ヶ月でフォロワー1,300人増。
    ……私、もっと高く売っていいやつだったかもしれない。
    そしたらAIにまで怒られた。なんでだよ。


    AIに「あなたは安売りしすぎ」と怒られた

    最近、AIをいろいろ触って遊んでいるんですが、ふと思いついて、ちょっとした実験をしてみました。

    AIに、自分の会社名だけを伝えて、第三者のフリをして聞いてみたんです。 「この会社について調べて」「代表はどんな人?」「この人の強みって何だと思う?」

    そしたら、AIがものすごい熱量で語り出しまして。 「最先端の技術力があるのに、日本一ハードルを下げて教えられる人」とか、「SNSの攻めと社内DXの守りを一人で完結できる、全国的に貴重な存在」とか。

    いやいやいや。ちょっと褒めすぎじゃない???

    嬉しいけど動揺しました。
    だって、こんなふうに言ってもらえることって、普段ほとんどないので。

    そして最後にAIに言われたのが、これでした。

    「あなたの引き出しが"ふつう"に見えるのは、あなたが優しすぎるから。すごいノウハウを気軽に教えてしまうので、周りはそれがどれだけ貴重か気づいていない」

    ……図星すぎて笑いました。


    SNSセミナーの講師なのに、誰もやってくれない

    私は鹿児島でIT会社を経営しています。
    2011年に独立して、2018年に法人化。今年で15年目。

    プログラマーとしてシステムを組んだり、kintoneという業務改善ツールの全国イベントに登壇したり、私立の中高一貫校でプログラミングの授業を持ったり、M&Aで会社を買収したり。
    正直、周りからは「何屋さん?」と聞かれるような仕事をしています。

    そんな中で、ここ数年メインでやっていたのがSNS集客のセミナーでした。国税局や県からの依頼もあって、営業ゼロで9割がサイト経由で講座の依頼が来ます。

    でも、ずっと抱えていた悔しさがありました。

    セミナーを聞いてくれた人が、結局やってくれない。

    「すごく分かりやすかったです!」と言ってもらえるのに、次に会ったときに聞くと「まだやれてなくて……」。
    何十回、何百回とそのやりとりを繰り返しました。

    「動画?えー、難しい!」 「投稿って何を投稿したらいいか分からない……」

    みんな、できない理由ばかり言う。

    どうやったらフォロワーが増えるか、私は知ってる。説明してる。
    実際に、私のアドバイスを聞いて行動した人はちゃんと結果が出ているのも知っている。
    でも、動く人が圧倒的に少ない。聞いて満足して終わり。

    今ならAIを使えばネタだって出してくれるし、SNSに対するハードルはどんどん下がっているはずなのに、それでもやろうとしない。

    そして何より歯がゆかったのが、私自身に「実店舗」がないことでした。

    「こうやれば増えますよ」と教えているのに、自分にはそれを目に見える形で証明するお店がない。
    理論は分かっている。方法も分かっている。
    でも、自分で商品を売って、ゼロからフォロワーを増やして、お客さんを集めた経験がない。

    SNS集客のセミナーをするたびに、「自分が証明しなきゃダメだ」という気持ちが強くなっていきました。

    そしていつの間にか、こう思うようになっていたんです。

    「物を売りたい。」

    IT屋さんでSNSのセミナー講師なのに、物を売りたくなった(笑)。
    でも、これは本気でした。


    きっかけは、娘の「かわいい」だった

    きっかけは本当に些細なことでした。
    当時小学4年生の娘が文房具好きで、かわいいシールやペンを見つけては喜んでいた。
    それを見て「これ、中国から仕入れたら安く売れるんじゃない?」と思ったんです。

    ITの仕事で海外との取引には慣れていたので、仕入れルートは自分で開拓しました。そして、まずは小さく始めてみることに。

    最初にやったのはBASEでネットショップを開設すること。
    このときのインスタのフォロワー、5人(笑)。

    次に、マルシェに2ヶ月に1回くらいのペースで出店。
    フォロワーは50人くらいまで伸びました。

    この時点で手応えがあったかというと、正直、半信半疑でした。


    小学校の校庭で、行列ができた日

    転機は、知り合いからの一本の電話でした。

    「小学校のバザーに、雑貨屋さんとして出店してみない?」

    商品の単価が安くて、子どもたちが使える文房具がいっぱいあるから、ちょうどいいんじゃないかと。

    正直、「ふーん」くらいの気持ちで出しました。

    そしたら。

    バザーのスタートと同時に、女の子たちがブースに並び始めたんです。
    「かわいい!」「安い!」「ねえ、これお揃いにしよう!」

    すごい盛り上がりでした。
    周りのお店に人が来なくなるくらい集中してしまって、クレームが来るほど。
    終わるころには、商品が空っぽになっていました。

    そして、何人ものお母さんに聞かれました。

    「実店舗ありますか?」

    嬉しかったけど、正直このときも確信は持てなかったんです。
    特別な日だから売れただけだろう、常設の店を出しても人は来ないよね、と。

    でも、この経験は頭の片隅にずっと残っていました。
    そして、仕入れのルートと商品の目利きは、このときすでに出来上がっていたんです。


    「昔あった町の雑貨屋さん」を、娘と作ろう

    バザーから約2年後。会社の事務所を引っ越すことになりました。

    新しいオフィスを見たとき、ふと思ったんです。「ここの一角に、雑貨屋を作れるんじゃないか」と。

    娘と話しました。

    「私が子どものころ、町のあちこちに雑貨屋さんあったのね。ちっちゃいお店で、かわいいものがいっぱい並んでて、お小遣い握りしめて買いに行くのが楽しかった。ああいうお店、今ほとんどないんだよね。」

    娘の目がキラキラしました。「作ろう」と。

    SNS集客を自分で実証するチャンスでもある。
    娘と一緒にワクワクすることでもある。
    そして、子どもたちに「昔みたいな雑貨屋さん」を届けることでもある。

    全部が重なって、やらない理由がなくなりました。

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    実際のお店の商品。娘がかわいいって思った商品を並べました

    「子どもが欲しいものは、子どもに選ばせる」——親子経営のルール

    雑貨屋を始めるにあたって、娘と決めたことがあります。

    商品の選定は、ほぼ娘に任せる。

    親の私が「これが売れるだろう」と選ぶのではなく、子どもである娘が「これ絶対みんな好き」と思うものを仕入れる。
    子どもの「かわいい」という感性には、親は立ち入らない。私がやるのは値段の交渉だけ。

    実はこの信頼には裏付けがあります。
    娘はシール帳がブームになる前から、TikTokでそれを見つけていました。「ねえ、これ作りたい!」と急に言い出して、当時は「何それ?」と思っていたんですが、その後本当にブームが来た。
    子どものトレンドを、子どもが先に嗅ぎ取っていた。
    それ以来、商品選定における娘への信頼は絶大です(笑)。

    値付けは二人で話し合いです。
    と言っても、感覚で決めているわけではありません。

    実は仕入れの管理には、本業で使っているkintone(業務改善プラットフォーム)をそのまま使っています。
    仕入値(元)、為替レート、国際送料、手数料を入力すると、推奨の売価が自動計算で出てくる仕組みを作りました。
    IT屋の本業が、ここで地味に役立っています(笑)。

    その推奨価格をもとに、二人でリアルな話し合いをします。
    「これ、推奨価格より高くても売れると思う?」
    「いや、これは安くしないと子どもたち手が出ないよ」
    「でも最低限この値段にしないと赤字だよ」
    ——子どものリアルな金銭感覚と、経営者としての損益判断を、毎回すり合わせています。


    広告費ゼロ。リール動画だけで1ヶ月2,300人

    ここからが「SNS講師の実証実験」です。ルールは一つ。
    広告費はゼロ。SNSだけで集客する。

    やったことはシンプルでした。

    とにかくリール動画をどんどん作る。

    オープン前から「こんなお店ができるよ」という告知動画を出しました。
    商品が並んだら店舗の様子を撮る。
    そして商品の紹介動画。ここは完全に娘の出番です。

    動画を作るにあたって、私がやったのは「研究」です。
    TikTokやインスタのリール動画を徹底的に見ました。
    韓国でも同じような商品を売っているお店があったので、その動画の構成を研究しました。
    「このカットの切り替えがいいな」
    「この見せ方だと商品が映えるな」。
    構成案をAIに相談して壁打ちすることもありました。

    でも、実際に動画を作るのは娘です。このとき小学6年生。
    プロでも何でもない、ふつうの小学生です。
    ただTikTokを見て育った世代の感性で、子どもに刺さる動画を自分で撮って、自分で編集する。

    娘が作った動画は、普通に3万再生を超えるものもあります。

    私が同じ商品を同じように撮っても、たぶんこうはならない。
    子どもの感性で作った動画が、子どもに届く。
    当たり前のことなんですが、これを実際にやっているお店はほとんどないと思います。

    結果、フォロワーは200人から約1ヶ月で2,300人に。
    広告は一切打っていません。

    来店してくれたお客さんがさらに「新しいお店があるよ」とSNSで紹介してくれて、それが次のお客さんを連れてきてくれる。
    この循環が自然に回り始めたんです。

    ブーム時の店はすごいことになりました。開店前から長蛇の列。
    店舗が小さいので、一度に入れる人数に限りがある。
    小6の娘がレジ、私が店内の誘導、主人が入口で人数制限。
    家族総出でなんとか回す毎日でした(笑)

    最高来店数は1日300人。月商200万円(ピーク月)。

    これが、広告費ゼロ、SNSだけで作った数字です。

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    実際のお店の様子。小さい店舗に子ども達がギューギュー(笑)人数制限かけながら入れてました

    「シールブームは絶対に終わる」
    ——ブームの渦中で打った5つの手

    ここからが、私が本当に伝えたいことです。

    行列ができて、商品が飛ぶように売れて、月商200万。
    嬉しいに決まっています。でも私はずっと、冷静に考えていました。

    「シールブームは、絶対に終わる。」

    ブームに乗った集客は、ブームが去れば消えます。
    「バズらせる方法」を教える人はたくさんいます。
    でも本当に大事なのは、バズの後に何を残すか。

    だから、ブームの真っ只中で、来てくれたお客さんを「ブーム後もつながれる場所」に誘導することを徹底しました。
    具体的には、公式LINEへの登録です。

    やったことは5つ。

    ① 先行入荷の案内。
    「公式LINEに先に入荷のお知らせを送るので、よかったら登録しませんか?」——シールブーム時、人気商品はすぐ売り切れるので、これがめちゃくちゃ効きました。

    ② 子ども向けのクーポン。
    500円買ったら1個もらえるとか、ガチャガチャできるとか。
    子ども相手なので、子どもが「やりたい!」と思う特典を。お母さんが登録してくれます。

    ③ 営業日の案内。
    うちは営業日が不定期なんです。
    だから「公式LINEが一番営業日がわかりやすいですよ」と案内。お客さん側に実用的なメリットがある。

    ④ ショップカードの設置。
    レジ横にカードを置いて、自然にLINEに気づいてもらえるようにしました。

    ⑤ 新商品の入荷速報。
    入荷したらすぐ公式LINEで案内。「あのシール入りました!」の一言で、来店につながる。

    全部に共通しているのは、「登録してください」とお願いするんじゃなくて、お客さん側に「登録した方がお得だな」と思ってもらえる理由を作っていることです。

    この5つの仕組みで、公式LINEの登録者は500人になりました。


    ブームが落ち着いた今、何が残ったか

    正直に言います。シールブームは落ち着きました。
    あの行列はもうありません。

    でも、500人のLINE登録者がいます。2,300人のフォロワーがいます。
    ブームが去っても、SNSだけでファンを維持して、集客を続けられています。

    実際に今、お店に来てくれるお母さんたちは言うんです。
    「昔、こういうお店いっぱいあったよね」って。

    懐かしんで来てくれる。
    娘が選んだ商品を見て「かわいい!」って喜んでくれる。
    ブームじゃなくて、お店そのものを好きでいてくれている人たちが残っている。

    これが「バズの後に残すもの」です。

    実際に現在も商品をインスタや公式LINEでアップすると、「これ!インスタでみたやつだね」と言って親子で来てくれる。
    子ども達も学校が終わったら、休みに友だちと遊びに行くときに寄ってくれる。
    「これ、お揃いで買わない?」とか
    「友だちの誕生日プレゼント買いにきた」とか
    常連の小さいお客さんたちや親子連れ、パパとデートついでにおねだりしてる子ども達がいっぱい来店してくれます。

    お店では、子どもたち同士のシール交換も始まりました。
    大きなシール帳を持ってきて、お気に入りを見せ合ったり、たまたま居合わせたお客さん同士で交換したり。
    これはショッピングモールの文房具売り場じゃ絶対にできないことです。小さい町の雑貨屋だからこそ生まれた光景でした。

    ちなみに、入口で人数制限を担当していた主人。
    最初は正直イヤそうでしたが、気づいたら待ってるお客さんたちと楽しそうに話してました(笑)。
    家族全員、なんだかんだ巻き込まれていく。うちの雑貨屋はそういうお店です。


    「え……私、マジですごいじゃん」

    ここまで読んで、「それはあなただからできたんでしょ」と思った方もいるかもしれません。

    でも、私がやったことを振り返ってみてください。

    フォロワー5人のネットショップから始めた。マルシェに出て50人。
    バザーで手応えを感じて、でも半信半疑だった。
    引っ越しを機に雑貨屋を始めて、リール動画をひたすら作った。
    動画の構成はTikTokと海外の事例を研究して、AIにも相談した。商品選びは娘に任せて、値付けはkintoneで計算して二人で話し合った。
    動画を作って3万再生を出したのは、小学6年生の娘です。
    ブームが来たら「終わる前提」でLINEへの導線を5つ仕込んだ。

    特別な才能でしょうか?私はそう思いません。
    **「やると決めて、一つずつやっただけ」**です。

    そして最近、もう一つ面白いことが起きました。
    あるお店のSNS運用を3ヶ月サポートしたんです。
    やったことは、雑貨屋で自分が実践したことをそのまま教えただけ。
    リール動画の構成、投稿の頻度、見せ方のコツ。
    特別なことは何も言ってません。
    結果、3ヶ月でフォロワーが1,300人増。動画を1本上げるたびに万再生。
    やり方を変えただけで、こうなった。
    「え……私、マジですごいじゃん」(笑)。


    15年間セミナーをやってきて、「誰もやってくれない」と歯がゆい思いをして、「じゃあ自分で証明する」とゼロから始めて、フォロワー5人から2,300人を作って、広告費ゼロで月商200万の店を作って、ブーム後も生き残って——。

    そのノウハウを人に教えたら、その人もちゃんと結果が出た。

    セミナーで「こうやればいいですよ」と話していた理論が、自分の手で、ようやく証明できた瞬間でした。


    「やりたい」を「カタチ」にするのに必要なこと

    私は15年間、いろんなことをやってきました。
    プログラマー、kintoneのサポート、中高一貫校の教壇、M&Aでの会社買収、そしてSNSだけで行列を作った雑貨屋。

    バラバラに見えるかもしれないけれど、全部に共通していることが一つだけあります。

    「やりたい」を「カタチ」にすること。

    娘の「かわいい」を行列店にしたのも、企業のアナログ業務をシステムで変えたのも、中学生の「こうしたい」をPBLの授業で引き出すのも、全部同じことをしています。

    そして今回、雑貨屋を通じて実証できたことがあります。

    SNS集客は、特別な才能がなくてもできる。広告費をかけなくてもできる。ただし、「いつかバズは終わる」と分かった上で、終わった後も残るものを仕込んでおくこと。

    セミナーで「やった方がいいですよ」と100回言うより、自分でゼロからやって見せた方が、ずっと説得力がある。

    15年かけて学んだのは、結局これだけです。

    「誰もやってくれないなら、自分で証明する。」

    これを読んでいるあなたにも、きっと「やりたいけど踏み出せていないこと」があると思います。 大丈夫。フォロワー5人から始めた私が言うんだから、間違いないです(笑)。


    鹿児島でIT会社を経営しながら、娘と一緒に雑貨屋もやっています。SNS集客・AI活用・kintone・プログラミング教育など、やってることがバラバラに見えますが、全部「やりたいをカタチにする」です。


     
     
    株式会社CoCoDigi代表取締役 鹿児島でIT会社15年目。 気づいたらM&Aで会社を買い、中学校で教壇に立ち、セミナー講師をやり、娘と雑貨屋で行列を作ってました。 「やりたい」を「カタチ」にする実践記を書きます。仕事と子育てに爆走中。趣味は温泉。毒舌だけど根は優しい(たぶん)

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