
京うつくし図鑑‐5〖白峯神社〗改訂版 蹴鞠の神様、スポーツの守護神、武芸達人…
2024年、世界がスポーツに注目するオリンピックイヤーに、さまざまな競技のアスリートたちが奉納に訪れる神社があると聞き、白峯神社を訪ねた。蹴鞠と和歌の宗家・飛鳥井家の旧邸跡に建ち、その湧き水は清少納言が『枕草子』で名水と記したほどの由緒ある地である。
この神社には、スポーツのご利益だけでなく、歴史や文化が静かに息づいており、一度では語り尽くせない奥行きを感じさせる。
そして2025年、神社に深い造詣をもつ英国人作家とともに再訪の機会を得た。今回、「京うつくし図鑑‐5・白峯神社」を改訂し、あらたな魅力をより多くの方にお伝えできればと思う。

白峯神社のご由来
この神社が生まれたのは、幕末の動乱のさなか。第121代孝明天皇は、保元の乱で非業の死を遂げた第75代崇徳天皇の御霊を慰め、国のゆくすえを案じて、その御加護を願われた。四国・白峯山の御陵に眠る崇徳院の御霊を、京都に迎え祀るようにと命じられたものの、思い叶わず、その志半ばで天皇は崩御された。
その遺志を静かに引き継がれたのが、明治天皇である。父の想いを受け止め、京都・堀川のほとり、和歌と蹴鞠の名家・飛鳥井家の旧邸跡に社地を定め、慶応四年の秋、崇徳天皇をお迎えする新たな社殿を造営された。その後、明治六年には、第47代淳仁天皇の御霊も、淡路島から遷され、ここにともに祀られることとなった。
歴史の縁が織りなすこの神社には、過ぎし時代の祈りと誠の心が、今もやわらかな空気の中にそっと息づいている。秋の光に包まれた白峯神社は、ただ古いだけではない、祈りのぬくもりを伝える場所である。
崇徳天皇と淳仁天皇の御霊を祀る、鎮魂の聖地「白峯神社」

撮影:kyotoK
白峯神宮は天皇家の長年の願いが叶って、昭和15年に成就…
白峯神宮の創建当初は、神祇官が日々の奉仕にあたっていた。
その後、神社としての格式は次第に高まり、昭和十五年には官幣大社にご昇格している。以来、白峯神宮は、崇徳天皇と淳仁天皇という二柱の御霊を今に仰ぎ祀りながら、皇統の祈りと人びとの鎮魂の思いを静かに受けとめる、気品に満ちた聖地であり続けている。

出典:白峯神社

蹴鞠の絵が奉納されている

撮影:kyotoK
蹴鞠を舞楽の奉納に、平安時代の風情が香る
白峯神宮は、「まり(球技)の神様」として知られている。境内には、蹴鞠や和歌の名家として名高い公卿・飛鳥井家が代々邸内に祀ってきた「精大明神(せいだいみょうじん)」が奉斎されており、その神霊がこの神宮に受け継がれている。
球技の守護神として、サッカーやラグビー、野球、新体操など、さまざまな競技の関係者が参拝に訪れる。日本サッカー協会が公式試合で使用したボールを奉納することもあり、「まりの神様」として広く信仰されている。
とりわけ、蹴鞠は「落とさない」「落ちない」ことを大切にする競技であるため、学業成就や試験合格を願う人々にも篤く信仰されている。
毎年4月と7月には、蹴鞠が例祭として奉納される。ときに舞楽とともに行われることもあり、平安の雅な風情がほのかに漂う。静かな境内に響くその優雅な所作は、千年の都に息づく伝統のひとつであり、見る者の心を静かに打つ。
【京都 伝統行事|白峯神社】貴重な宮廷文化の伝承 蹴鞠奉納
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鞠の守護神が祀られる神社、白峯神社で斎行された「蹴鞠奉納」。
地主社、スポーツ上達の神様「精大明神」

文武両道を司る、スポーツ上達の神様
4月と7月に《まりの神様》に蹴鞠を奉納ーサッカー、ラグビーや野球にもご利益。
毎年4月と7月には、伝統的な蹴鞠が奉納されている。白峯神宮は、《まりの神様》が祀られており、球技上達のご利益があるといわれている。サッカーやラグビー、野球などをしている人にとって、一度は訪れたいご利益スポットだ。
この《鞠の神様》が祀られている白峯神宮の境内には、武道や弓道の名手を祀っているお社があり、武道や弓道上達のご利益もある。スポーツや武道、合格祈願のご利益を求めて、多くの修学旅行生が訪れる場所だ。

拝殿の右側に蹴鞠の碑がある。
平安時代に蹴鞠や和歌の宗家、公家・飛鳥井家の祖先、藤原成通が、
「1000日間鞠を落とさずに蹴る」を願かけた際に
蹴鞠の神様「精大明神」が現われたと伝わっている
撮影:kyotoK

一周まわすと球技上達のご利益があると
信仰されている
撮影:kyotoK

撮影:kyotoK
蹴鞠の神・精大明神を祀る白峯神宮は、京都の必勝祈願で全国にも知られている。平安時代、蹴鞠と和歌の家柄、飛鳥井家の祖・藤原成通が「千日間鞠を落とさず蹴る」と願をかけた際、精大明神が現れたと伝わる。成通はその後、蹴鞠の名手として語り継がれている。
境内には「蹴鞠の碑」があり、『撫で鞠』を一周まわすと球技上達のご利益があるという。また、ワールドカップやオリンピックで使われた実際のボールも奉納され、自由に触れることができる。 毎年7月7日には「精大明神祭」が開かれ、平安の装束に身を包んだ人々による蹴鞠奉納が行われる。一般の参拝者も蹴鞠体験に参加でき、古の遊びを今に楽しむことができる貴重な一日である。

白峯神社の手水舎
撮影:kyotoK
手水舎の飛鳥井は平安時代、流行の曲にうたわれた
白峯神宮の飛鳥井といえば、古えの頃から知られていた。
平安時代の曲「飛鳥井」には、
飛鳥井に泊まるべき
あの木陰も良い
水は冷たく清らかであり
馬の飼料も良い
と、その清らかな水は、人々が安らいでいるような様子がうたわれていたと伝えられている。
清少納言が枕草子にしたためた神社の名水
清少納言は『枕草子』の第168段で、九つの名水を紹介している。そこには、「飛鳥井は、ほりかねの井。走り井は逢坂にあるのが面白い。山の井は、あまり浅い例になり始めた。飛鳥井を『みもひも寒し』と褒めているのが面白い。玉の井、少将ノ井、櫻井、后町の井、千貫の井」と記されている。しかし、現在でも明確に残っているのは、本井戸だけだという。

出典:mericari
潜龍井のご神体に宿る物語
潜龍大明神の御神体とされる本井戸は、飛鳥井からほんの50mほどしか離れていない。同じ地所にありながら、深さが異なるこの潜龍井は、全く違った水脈源、また、水温の異なる水が湧き出ている。
平安京(京都市)は山々に囲まれた地形から、地中に深く流れる伏流水が豊かな水脈を形成している。この地はまるで大きな水瓶のような役割を果たしている。毎年11月23日に奉じられる献茶祭。境内の庭園には(公・財)煎茶道方円のお茶席が設けられ、家元がお茶を奉仕される。
京都市の天然記念物、樹齢800年のオガタマノキ

京都の天然記念物
蹴鞠の宗家、飛鳥井家が
代々守護神として大切にお祀りしてきた。
撮影:kyotoK
白峯神宮の境内に立つオガタマノキは、京都市の天然記念物に指定されており、樹齢は約八百年。高さ十五・七メートル、根元で二手に分かれた幹は、それぞれ幹周二・四二メートルと二・五一メートルに達する。かつてこの地にあった蹴鞠・和歌の宗家である公卿・飛鳥井家が、代々守護神として邸内にお祀りしてきた庭木であったと伝えられており、この古木はその名残である。
その名は「招霊(おぎたま)」に通じ、神霊を迎える木として神社に植えられてきた由緒をもつ。春には白い花を咲かせ、その果実は巫女の舞に使われる「鈴」の原型とも言われる。古木は今も、信仰と自然が重なる静かな気配をたたえて、訪れる人々を迎えている。
崇徳院の歌碑、百人一首でも最も知られた一句


欽仰(きんぎょう)は謹み仰ぐを意味するそうです。
撮影:kyotoK

白峯神宮御創建百五拾年の記念歌碑
百人一首77番
撮影:kyotoK
瀬を早み 岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ
川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた急流が2つに分かれる。しかしまた1つになるように、愛しいあの人と今は分かれても、いつかはきっと再会しようと思っている。

撮影:kyotoK

撮影:kyotoK
白峯神社の境内にひっそりと佇む「井筒」の歌碑は、観世流・河村禎二師による奉納の舞を刻んだものである。恋と追慕を描く能「井筒」と、悲運の崇徳院を祀るこの神社の物語が響き合い、芸と祈りが交わる静かな記念碑である。
伴緒社、ご祭神、源為義公、源為朝公は弓矢の神、武道の神様

スポーツ守護神として信仰を集める
白峯神宮の境内にある伴緒社(とものおしゃ)。

弓矢の神様、武道の神様
白峯神社の境内にある伴緒社は、弓の名手として知られる源為義公とその子・為朝公を祀る社である。源義経の祖父と叔父にあたるこの親子は、保元の乱で崇徳上皇に忠義を尽くし、ゆかり深い武人として知られる。
その忠節と武勇をたたえ、崇徳院を祀るこの神社に伴緒社が設けられた。社名には「院に付き従った者」という意味が込められ、小さな社ながら、白峯神社の歴史と精神を静かに伝えている。
4月と7月に《鞠の神様》に蹴鞠を奉納ーサッカー、ラグビーや野球にもご利益。
毎年4月と7月には、伝統的な蹴鞠が奉納されている。白峯神宮は、《まりの神様》が祀られており、球技上達のご利益があるといわれている。サッカーやラグビー、野球などをしている人にとって、一度は訪れたいご利益スポットだ。
この《鞠の神様》が祀られている白峯神宮の境内には、武道や弓道の名手を祀っているお社があり、武道や弓道上達のご利益もある。スポーツや武道、合格祈願のご利益を求めて、多くの修学旅行生が訪れる場所だ。
白峯神社の授与品

叶う輪、リストバンド、
もちろん、御朱印帳なども…
年中行事、祭事
https://shiraminejingu.or.jp/annual-event/
白峯神社の交通アクセスは…
https://shiraminejingu.or.jp/access/
作家、ロッド・ルーカス氏の「白峯神社」の創作は、下記からごらんいただけます。