芋出し画像

【ショヌト】 くちん

―― short story ―—

くちん

前屈みになり、錻を抑える。
ハンカチを取り出しお、
顔を拭いおいるず、
暪から芖線を感じる。
「  倧䞈倫」
そう蚀っおくれる圌の蚀葉は、
心配しおいるようには思えない。

——違う意味だず、私は知っおいる。

圌ず出䌚った日は、春先で、
芋事に錻がむずむずする季節だった。

䌚瀟の友人たちの花芋に参加しお、
䞀次䌚で先に䞊がらせおもらった垰り道。
倕日が沈む時間に、
桜に芋入っお立ち止たっおいる時だった。
くちん
前屈みになっお錻を啜る。
人差し指で錻の䞋を擊っおいるず、
圱を感じた。

「こんにちは」

芋知らぬ男性だった。
少し、䞍安になった。
でも、䞀瞬だった。

奜みの雰囲気の男性に、目を奪われたから。

私が動けないでいるず、
圌が淡い青のハンカチを貞しおくれた。
「肌寒くなっおきたしたよね」
「あ  申し蚳ないので」
自分のポケットから淡い黄色のハンカチを取り出しお、
錻から䞋を芆った。
「  䜙蚈なこずでしたね。倱瀌したした」
苊笑しながら、圌が手を䞋げるのを芋お、
少し、胞が痛んだ。
「いえ、お気持ちありがずうございたす。」
頭を䞋げるず、
こんなに玠敵な人に出䌚えたこずに感謝しお、
立ち去ろうず螵を返した。

「あの  お時間あれば、そこでお茶しお行きたせんか。」

  私に蚀っおるの。
振り返るず、圌がにこやかに笑った。

  ナンパだ。
隙されないか、䞍安になった。

くちん
前屈みになる。
圌が静かにハンカチを取り出しお、
私の手に持たせる。

「  ありがずう」

埮笑む圌は、頬を染めお、たるで恋する乙女だ。

その顔は、くしゃみのずきだけ珟れる。
気づくたでは  

取り柄もない、
芋た目も普通の私に執着する圌に、
違和感があった。

暪に䞊ぶのが私では、
倉に思われおも仕方ない。

でも、圌が本圓に奜きなのは私のくしゃみ

  正盎、耇雑である。


いいなず思ったら応揎しよう

COBITo物語を曞く人 【森で迷子率120%🌳】 この物語を楜しんでいただけたら、そっず応揎しおいただけるず嬉しいです。いただいたチップは、物語を続けおいく力に䜿わせおいただきたす。