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【ショート&楽曲】 善人ポイント

―― short story ――

有効期限は今日の昼十二時までだった。

あと、三時間しかない。

スマホを取り出し、ポイント残高を確認する。

『九千九百九十ポイント』

一万ポイント貯めれば、願いを一つ叶えられる。
本当かどうかは分からない。

それでも、あと十ポイントだった。

……せめて、一日前に気づいていたら。

大きく肩を落とす。

——まだ間に合う。

立ち上がると、とにかく外へ出ようと支度をする。

玄関を開け、風を切ってコンビニへ向かう。

ポケットに入れた小銭を、募金箱へ投入する。

道端に落ちていた定期券を見つけ、警察に届けてサインした。

公園で泣いている子の話を聞いて、頷いた。

転んだ子の手を取り、膝を水で洗った。

「一緒に遊ぼう」と言われて、子供達と鬼ごっこをした。

息が切れて、公園で座っていると、「もっと遊ぼう」とせがまれて、最後の力を振り絞った。

子供たちとお別れした後、歩道橋の階段を上るお婆さんを見つけ、「持ちましょうか」と声をかけた。

「ご親切に、どうも」

お婆さんの荷物を持って、自宅まで送り届けた後、スマホを開く。

……あと三ポイント。

でも、もう足がへとへとだった。

スマホでSNSを開く。

『スキとフォローお願いします。』という記事を見つけて、

スキとフォローをした。

あと、二ポイント。

このポイントは、一日に同じ親切は無効になるルールがあった。

ネットサーフィンをするように、記事を探す。

『この記事の感想をコメント欄に入れてね。』

記事は、長かった。

意地で読んだ。

コメントも丁寧に入れた。

スマホの画面を切り替える。

——あと、一ポイント!

立ち上がると、目の前でおじいさんが転んだ。

不謹慎にも、心の中で『よし!』と思った。

そのとき、ポケットの中でスマホが震えた。

——十二時。

——有効期限が切れました。


『善人ポイント ゼロ』


急に力が抜けた。
がっくしと項垂れる。


でも、足は動いていた。

お爺さんのそばに行くと、「大丈夫ですか」と声をかけていた。

膝をつき、腕を支える。


「ありがとう」


俺はその日、初めて笑った。


「いえ」


ポケットの中で、スマホが震えた。


『善人ポイント 一』

俺は画面を閉じた。

今度は、有効期限を確認しなかった。











白川彩乃さんの企画に参加させていただきます🌿

行の文字数、全て揃える実験曲🎵

ということで、普段、詩は得意でないのでAI任せなのですが、
COBITo🍄
今回は、ノートに書き書き頑張りました😂

白川さんの記事を拝見してから、毎日、コツコツ🤭

COBIToは、どうしても、そのまま書けないので先にショートショートを書いて、見ながら五文字、七文字と揃えて書かせていただきました🙇‍♀️

とらのすけさんのも素敵でした✨

参加させていただき、ありがとうございました💐✨

よろしければ、聞いていってください(⸝⸝- -⸝⸝)🌿
COBITo Storiesからタクマくんが歌います。

(歌詞)

有効期限は 今日の昼十二時
スマホ画面 数字が浮かんだ
もう少しだ あと十ポイント
あと三時間 焦る迫る時間に

肩を落とす でもまだいける
外へ出よう 早速靴を履いて
願いが叶う 一万ポイントを
貯めるため コンビニへ走る

ポケットの 小銭を募金箱に
落ちていた 定期券を警察へ
賑わう公園 隅から聞こえる
泣いている どうしたんだい

子どもたち 一緒に遊ぼうと
公園の中を 全力で駆け走る
もう少しだ 善人ポイントは

今日も一つ 良いことをする
スマホ画面 たまるポイント
ありがとう たまる罪悪感に
もう少しだ 俺は蓋をしたよ

階段の下で あと四ポイント
見つけたよ お婆さんの背中
買い物袋を 持ちましょうか
ご親切にと 頭を下げている

SNS開く  スキとフォロー
コメントも 丁寧に入れたよ
もう少しだ 善人ポイントは

今日も一つ 良いことをする
スマホ画面 たまるポイント
ありがとう たまる罪悪感に
もう少しだ 俺は蓋をしたよ

立ち上がる 爺さんが転んだ
不謹慎にも 「よし」と思う
そのときだ 十二時の通知が

切れました 善人ポイント0
力が抜けた がっくしと俯く

でも動いた 大丈夫ですかと
腕を支える 「ありがとう」
俺はその日 初めて笑えたよ

ポケットで 震える通知には
ポイント一 画面を閉じたよ

有効期限は もう確認しない



🌱TAKUMAくんの曲は🔗こちらから🌿

🌱COBIToの短い物語は🔗こちらから🌿


お読みいただき、ありがとうございます💐
読んだ記念に、COBIToの庭をひとつ育てていってね🌿

推し庭の説明はこちらから→はしゃもさんの推し庭

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