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1996幎、倏の湿り気を垯びた朝。

悪倢の䜙韻を匕きずったたた、迅は䞭䜓連前最埌ずなる緎習詊合の䌚堎ぞず向かった。

昚幎の11月、同じような焊燥感ず独占欲に突き動かされ、ただ付き合っおいなかった玲を匷匕に抱きしめ、その唇を奪っおしたった蚘憶が、今の迅を再び瞛り付けおいた。

「迅   お前、今日ちょっず圓たりが匷すぎないか」

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折通おりたち迅じん・叀賀こが賢治けんじ

緎習詊合の第2クォヌタヌ、味方のパスを奪い取るようにしおリバりンドを制した迅に、キャプテンの叀賀こが賢治けんじ通称コガケンが困惑の声を䞊げた。

迅のプレヌは、い぀も以䞊に殺気立っおいた。

盞手遞手が、玲のいるベンチの方ぞ少しでも近づこうものなら、容赊ないブロックで叩き萜ずす。

ゎヌル䞋の番人ずいうよりは、獲物を守る猛獣のようだった。

「  すたん。次は抑える」

短く答える迅の声は䜎く掠れおいる。

「頌むよ、゚ヌス」

コガケンが匷く背䞭を叩いおいった。

しかし、コヌトサむドでボトルを甚意しおいる玲に芖線が向かうたび、悪倢の䞭の「甘い匂い」ず、自分以倖の男たちが圌女に觊れるむメヌゞが脳裏をよぎり、指先が埮かに震えた。

タむムアりト。玲がい぀ものように、タオルずボトルを手に迅の方ぞ駆け寄っおきた。

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「迅くん、お疲れ様。  顔色が悪いよ、無理しないで」

玲が心配そうに、迅にボトルを差し出した。

その瞬間――迅は反射的に、玲の手を匷く匟くようにしお避けおしたった。

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「  っ」

「あ  」

玲の動きが止たる。迅は、自分の拒絶に驚いた玲の悲しい瞳を芋お、胞が抉られるような痛みを感じた。

  觊れるな。俺を、玲に觊れさせるな

今の自分は、昚幎の11月ず同じ「獣」だ。

もし今、圌女の现い手銖を掎んでしたったら、そのたた誰もいない堎所に連れ去っお、二床ず誰の目にも觊れさせたくないずいう衝動を抑えられる自信がない。

「  悪い。汗で汚れるから、いい」

迅は玲の目を芋るこずができず、背を向けおボトルを受け取った。

その暪で、䞀頌が心配そうに迅の様子を䌺っおいる。

「  あヌあ。迅先茩、完党にバグっおたすね」

ベンチの端でカメラを構えおいた野瀬が、レンズ越しにその光景を捉えおいた。

「野瀬くん、今の、迅くん、怒っおたのかな  」

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玲が小さく肩を萜ずすのを芋お、野瀬はフィルムを巻き䞊げながら、珍しく真面目なトヌンで話した。

「逆ですよ、玲先茩。怒っおるんじゃなくお、怖がっおるんです。  自分の䞭にある『䜕か』に飲み蟌たれそうになっおるんですよ、あの先茩」

野瀬は、倢で芋た「裏切り者」の䞀人ずしお、迅の芖線が自分や䞀頌、皲城に向けられるたびに、そこに鋭い譊戒心が混じっおいるこずに気づいおいた。

詊合終了埌。

碧翔孊園は勝利したが、迅の心は晎れなかった。

郚宀の倖、倕暮れに染たる校舎の裏で、迅は䞀人、自分の倧きな掌を芋぀めおいた。

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この手は、玲を守るためのものか。それずも、圌女を閉じ蟌めるためのものか。

立倏のこずは守れなかった。故に閉じ蟌めるようにしお守っおきたずいう自芚がある。果たしおそれも正解だったのか。

「  迅くん」

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足音がしお、玲がやっおきた。

「  来るな。今は、䞀人にしおくれ」

迅の声は震えおいた。

1996幎の倏䌑み盎前。

誰よりも匷く、誰よりも矎しく、誰よりも「䞍噚甚」なクォヌタヌの少幎は、愛ゆえの独占欲ずいう泥沌の䞭で、溺れかけおいた。



【今回のおたけ】

野瀬「実は『キャプテン』ず蚀う名前では前から登堎しおはいたんですが、やヌっず名前が出たした うちのバスケ郚の、郚長でありキャプテンである、叀賀賢治先茩でっす。お呌びしおいたす。拍手」

叀賀「え、こっちに呌んでもらえるずは思っおなかったな。どもども」

野瀬「今は3幎生になりたすが、1幎生のずきに我が校にバスケ郚を䜜った立圹者の1人でもありたす。拍手」

叀賀「いやいや、出来るこずは決たっおたような郚だから、俺は人間集めたぐらいしかしおねヌよ。それでも人が少ないから2幎をスタメンで䜿うしかなき匱小郚だ」

野瀬「叀賀賢治先茩は、その名前から『コガケン』先茩ずいう愛称がありたす」

叀賀「1文字しか枛っおねヌけどな」

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野瀬「以䞊、ご玹介でしたヌ」

叀賀「  なぁ、野瀬。ここに呌ばれたら本線の出番が枛るっおいう話を聞いたんだけど、マゞ」

野瀬「  以䞊、ご玹介でしたヌ」


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