
33年かけて、私は『Horizon』を聴いた
13歳の夏に前田さんに
人生を持っていかれてから、
3年が経った、1994年の夏。
16歳になった私は初めて甲子園にいました。
春畑さんファンの女友達に誘われて、
ドキドキしながら甲子園に向かったあの日。
アーティストのコンサートに、
生まれて初めて参加しました。
グランドも、スタンドも、人・人・人。
TUBEは、こんなにも多くの人を
一か所に集めてしまうのかと。
ただただ、圧倒されました。
夕刻になり、ライブがスタート。
春畑さんのギター、角野さんのベース、
松本さんのドラム。
生演奏の音が、身体の芯まで響いてきます。
「うわぁ、これが生演奏か!」
そこへ、ジェットスキーで
颯爽と登場する前田さん!
そして『Horizon』のイントロが流れた瞬間、
私の心臓は一気に跳ね上がりました。
CDの中にしかいなかった人が、
今、目の前で歌っているのです。
初めて前田さんの歌声を生で聴いた感想は、
「CDと一緒やん!」
でした(笑)。
16歳の私が見ていたもの
当時の私にとって、
前田さんは
「理想の男性」
そのものでした。
男らしさ、力強さ、
まっすぐすぎるほどの一途さ。
全部が好きすぎて、
前田さんしか見えていなかった時代です。
甲子園で『Horizon』を歌う前田さんは、
ただただ、格好良かったです。
当時は歌詞の意味なんて、
深く考えていませんでした。
ただ前田さんが格好いい。
ただ前田さんが好き。
それだけで、十分でした。
47歳になった私が見たもの
あれから30年以上が経った今も、
1994年のライブ映像を見返すのが
私のルーティンです。
ある日、
改めて『Horizon』の歌詞を
じっくり読んでみました。
そうしたら…
「あれっ、前田さん、意外と重たくない……?」
と思ってしまったのです(笑)。
超一途な想いは分かります。
でも好きになった相手は、
すでに友達の彼女。
しかもその彼女も、
前田さんに気持ちが向き始めています。
友達にも、彼女にも、裏切られてしまいそうな状況で…
「今の彼氏、かわいそうじゃない?」
と、47歳の私は
ついツッコんでしまいました(笑)。
16歳の頃の私は、
そんなこと考えもしませんでした。
好きになったら一直線。
誰よりも強く想い続けることこそが
正義だと思っていました。
でも47歳になった今は分かります。
人を好きになることは、
誰かを傷つけないことと同じではありません。
誰かを選ぶということは、
誰かを選ばないということでもある。
恋愛は、主人公が二人だけの
物語ではないのです。
だから今の私は、
歌詞の向こう側にいる友達や
彼氏の気持ちまで想像してしまうように
なりました。
もっと正直に言うと、
「今の彼氏、かわいそうだな」
と思いながら、
「でも私が彼女なら前田さんを選ぶかもしれない」
とも思ってしまうのです。
47歳になって倫理観を覚えたはずなのに、
前田さんの前では全然成長していません(笑)。
だから『Horizon』を聴くたびに、
人は理屈だけでは生きていないのだな、と
思ってしまいます。
それでも、理屈では片付かない
47歳にもなると、
倫理観というものがあります。
人を傷つけることの重さも、
なんとなくわかります。
人生の苦さも、それなりに知っています。
それでも、です。
「死んでも好き」
なんて、前田さんに言い切られたら、
こちらはもう何も言えなくなってしまいます。
なんなら、こっちも死んでしまう、
HPゼロですよ、こんなの(笑)
私の人生と、Horizon
TUBEを好きになってからの人生は、
本当にいろいろとありました。
進学、就職、転職、恋愛、結婚。
挫折、自己否定、子育て、人間関係。
それでも、ずっとずっと、
前田さんを好きでいました。
苦しい夜も、迷った朝も、
前田さんの声がそこにありました。
TUBEという存在があったからこそ、
今の私がここにいると言っても、
過言ではありません。
まとめ
16歳の私は、
ただただ前田さんが好きでした。
それだけで世界が完結していました。
47歳の今は、
好きだけでは生きられないことを知りました。
それでも『Horizon』のイントロが流れると、
あの夏の甲子園に一瞬で戻ってしまいます。
あの頃の純粋な私も、
間違っていないと思います。
そして今の私も、
たぶん間違っていないと思います。
16歳の私は、
確かにあの日、
甲子園で『Horizon』を聴いていました。
でも本当は、
まだ聴いていなかったのだと思います。
恋愛の複雑さも、
人の弱さも、
理屈では割り切れない感情も、
16歳の私には見えていませんでした。
33年かけてようやく、
私は『Horizon』を聴いたのかもしれません。