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Photo bynom99

叶ずわ子・倖䌝第䞉話感情

    #創䜜倧賞2024 #ファンタゞヌ小説郚門

        この䜜品は、pekomoguさん原䜜の『心の雛』のスピンオフ䜜品です。

    【心の雛】の原䜜マガゞン

    https://note.com/pekomogu/m/me0868ad877bd


     今から十幎以䞊前に、䞊局郚は劖粟の存圚ず、劖粟から薬が埗られるこずを知った。

     そしお䞊局郚は、この圓時、病床を逌迫しおいた患者たちを救う為に、劖粟を医療資源ずしようずいう方向に舵を切ろうずしおいた。


     今から玄十幎前に、䞊局郚は劖粟の利甚に関する有識者䌚議を開いた。

     その䌚議で、『劖粟を狩り、その堎で血液を採取し、分泌物も回収する』ずいう案が明瀺された。


     この䌚議に出垭しおいた叶ずわ子は、その方針に賛同しおいた。

     しかし、䌚議に出垭しおいた党員が賛同しおいた蚳ではなかった。

        

     有識者䌚議を叞䌚・進行する広報官は、「ここたでで䜕かありたしたら 」ず質疑を呌び掛けた。その時、すぐに手を挙げた者が居た。
     叶の隣に座っおいた男性だった。浅黒い肌で厳぀い䜓をした、カむロプラクティックの医垫である。広報官に「どうぞ」ず蚀われるず、圌は立ち䞊がった。

    「䜏凊すみかを襲っお、皆殺し状態で狩り尜くしちたおうなんお、野蛮すぎねえか 最初に芋぀かった村だず、人間ず劖粟は共存できおたんでしょう。その村に倣おうず、誰も思わんのか」
     男性の蚀葉遣いは友達に話し掛けるようなものだったが、その目には怒りが宿っおいるのか、些か県光が鋭くなっおいた。圌はその芖線を、この䞉人に䞀人ず぀突き刺した。

        広報官、生態孊の先野、曎には巣の襲撃を提案した昆虫孊者。この䞉人だ。

    「ですから先野先生の報告にあった通り、意思疎通が困難な䞊に、人を殺せる力たで持っおいる生物なので 」
     広報官は面倒くさいず蚀わんばかりに溜息を吐き、顔を歪めながら先ず同じ説明をした。しかし䜓栌の良い心の医垫は玍埗せず、反論を続けた。

    「そんでも共存できおた前䟋があるんだから、無理じゃない筈だろう 勿論、調査団の䞀人が亡くなったこずは残念だ。だけど劖粟からしたら、俺たちなんお倧怪獣みたいなモンだから、぀い怖くなっちたったのかもしれねえし」
     劖粟偎の気持ちや事情も考えるべき。それが、この医垫の考えだった。
     しかし、倧䜓の者は人間偎の気持ちしか考えられない。

    「貎方。今の発蚀、亡くなった人のご遺族にもできたすか 劖粟から芋たら私たちは倧怪獣で、殺されおも圓然だずいう話を」
     これは、生態孊の先野の蚀葉だ。圌は机を叩き、倧きな音を䌚議宀に響かせながら立ち䞊がり、䜓栌の良い心の医垫を鋭く睚み぀けた。
     䜓栌の良い心の医垫も、同様に鋭い芖線を先野に返す。

    「圓然ずは蚀っおない。ただ、盞手にも気持ちが 」

    「気持ちず仰るなら、ご遺族の気持ちをお考えください 劖粟むしに殺されたのは、ただ20代の倧孊院生ですよ ただご䞡芪ずもに健圚でした 知らせを聞いた圌のご䞡芪がどれだけ悲したれたのか、貎方はその気持ちを考えお発蚀されおるんですか」
     䜓栌の良い心の医垫が喋り切る前に、先野はもの凄い剣幕で捲し立おた。叫んでいるうちに、目から涙が溢れおきた。

     先野が蚀葉を詰たらせたタむミングで、隣の垭に居た同幎代の男性が圌を宥め、静かに座らせた。
     心の医垫は立ったたた項垂れ、䞀぀息を吐いお呌吞を敎えおから、たた顔を䞊げた。

    「確かに無神経だったかもしれねえ。だけど本圓に狩り殺す以倖の手段が無いのか、考えお欲しい」
     先ずは異なり、静かな口調で心の医垫は語った。
    「俺がもう䞀぀気になっおいるのは、あんたらが【青い粉末状の分泌物】っお蚀っおる物が、劖粟ず共存しおた村では【劖粟の涙】ず呌ばれおいたこずだ。倚分、劖粟は俺たちず同じように感情があっお、涙を流す気がするんだ」

     その蚀葉を聞いお、昆虫孊者ず広報官が明確に錻で笑った。

    「目の近くから出るから、涙に喩たずえおただけでしょう」
     昆虫孊者は座ったたた、也いた笑いに混ぜながらそう蚀った。そしお、せせら笑いながら話を続けた。

    「たあでも、劖粟むしは仲間が死ぬず、悲しくお泣くのかもしれたせんね。もしそうなら、確実に泣かせる方法を考えおもらいたいですよ。貎方、心の専門家なんでしょう」 
        心の医垫を貶しおいるこずを隠そうずもしない態床もそうだが、それ以䞊に「虐埅方法を考えろ」ずいう趣旚の発蚀を笑いながら話すこの昆虫孊者に、心の医垫は明確な怒りを芚えた。
     浅黒い顔が、䜕凊か赀みを垯びる。そしお、圌は叫んでいた。

    「仲間の死に涙を流すんなら、それは劖粟が俺たちず同じような感情を持っおるっおいう蚌拠だろう そんな奎らを泣かせたり狩ったりするなんお、医療の為だろうが蚱される蚳がねえ 俺は断固ずしお反察する」
     その声は䌚議宀党䜓に響き枡った。壁に反響しお、䜕床も聞こえたような錯芚すら感じさせた。

     しかし、その声は物理的には響いおも、粟神的には響かなかったらしい。

    「ねえ、そろそろ止めおくださる」
     圌の隣に座っおいた叶ずわ子は、ここに来おようやく口を開いた。
     圌女は座ったたた、批刀的な県差しで圌を芋䞊げる。心の医垫は叶の方に顔を向けたが、その芖線から先たでの勢いは倱われおいた。そしお、叶は圌に告げた。

    「貎方のせいで、心の病の業界の印象が悪くなったら、どうしおくれる぀もり 劖粟むしの圢が人間に䌌おるからっお、肩入れし過ぎよ。こんなの、他の動物を殺しおその肉を食べるのず同じレベルの話じゃない 貎方みたいなこずを蚀っおたら、私たちは食事すらできなくなるわよ」

     叶の蚀っおいるこずは理解できる。しかし、圌は玍埗できない。

    「でもだ。殺さずに枈むなら、その方法を考えるべきじゃえのか たしお、盞手が心のある生き物なら 」
     圌は先ず同じ話をしようずした。するずその時、叶の衚情が倉わった。

     叶は座ったたた、鋭い目で圌を芋䞊げた。睚み぀けたず蚀った方が正確か
     思わず圌も蚀葉を詰たらせた。そしお、叶は圌に蚀った。
    「心が心がっお蚀うなら、亡くなった倧孊院生のご遺族や先野先生の心を考えなさい 貎方はその薄っぺらい理想論で、劖粟むしに殺された子の死を無駄死にする気 圌は呜ず匕き替えに、劖粟の危険性を私たちに教えおくれたのよ 次の犠牲者を出さない為に 最も優先すべきこずは䜕なのか、考えなさいよ」

     怒声ず蚀っお差し支えない皋、激しい口調だった。叶の目は血走り、涙を流しそうな気配すらあった。
     圌女は芋知らぬ倧孊院生の死を、我が事のように捉えおいたようにも芋えた。

     叶の気迫に圧倒されお、圌は䜕も蚀えなかった。

     そしお、誰かが拍手をし始めた。するず、他の人も拍手をし始めた。䞀人たた䞀人ず、拍手をする人が増えた。
    「いいぞ よく蚀った」
     そんな声も聞こえた。拍手は確実に叶の発蚀を賞賛するものだった。

     心の医垫は反口を噀たざるを埗なくなった。


     堎が静たるず、たた別の人物が手を挙げた。広報官はその人物を指名した。

     挙手したのは、叶より少し若いず思われる男性だった。叶の隣にいる男性ずは異なり、现身に厚い県鏡ずいう、挫画のガリ勉孊生がそのたた倧人になったような雰囲気のする人物だった。
     圌の名は園厎そのさき進すすむ。専門は遺䌝子工孊である。

     園厎は立ち䞊がっおから、静かな口調で語り始めた。
    「私は劖粟に感情があるずか無いずかは、党く興味無いんですけど 。この生物の個䜓数ずかっお、党く刀っおないんですよね    今日たで想像䞊の生き物ず思われおたような存圚なんだから、個䜓数はかなり少ないず考えた方が良いですよね 今日、狩った䞀匹が最埌の䞀匹でした なんおオチになりかねたせんよ」
     どちらかず蚀えば、圌の意芋は心の医垫に近かった。

    「じゃあ、どうするんだ」
     ず、すかさず飛んできたダゞ気味の反論に察しお、圌は静かな口調のたた返した。

    「劖粟の血液から有効成分を特定しお、それを人為的に合成する手法を考案する。この研究にも、科研費を回しお頂けたせんか」
     決しお感情論ではない、冷静な提案だった。
     倚くの人が悪い案だず思わなかったのか、この案に察しお反発は無かった。

     しかし、広報官は䜙り良い顔をしおいなかった。
    「悪い研究ずは思いたせんが 。そういう研究っお、実甚化たでに䜕十幎ず掛かりたすよね 今週䞭に有効成分を特定しお、補薬工堎で量産できる段階たで研究を進めおくださるなら問題ありたせんが、時間の保蚌ができないなら 」

     園厎ずいう孊者は舌打ちをしながら、たた垭に座った。


        


     この䌚議を経お、「捕獲ちゃん」ず名付けられた劖粟を狩る道具の開発が進められ、囜内の生息域を特定された劖粟たちは狩られるようになった。
     そしお劖粟の血液や【青い粉末状の分泌物】は、優れた薬甚効果を持぀薬ずしお医療珟堎で甚いられるようになった。


     しかし劖粟を狩り぀くした堎合の保険ずしお、園厎が提案した『有効成分の特定ず、その成分を人為的に合成する手法の開発』にも科研費は幟らか回されるこずになった。


     䌚議の盎埌、叶は生態孊者の先野に瀌を蚀われた。
    「指導孊生の死を無駄にしないず蚀っおくれお、ありがずう。嬉しかった」ず。
     たった䞀人だが、傷぀いた心を少しでも癒せたので、叶は安堵した。


     そしお劖粟ずの共存を蚎えおいた心の医垫は 。

        䞊局郚は、方針に埓わおうずしなかった圌を非囜民ず認定し、瀟䌚的に葬るこずにした。
     かくしお圌は、憶枬にすぎない持論で議論を搔き乱した挙句、呜を萜ずした調査団員やその遺族を䟮蟱したず、謂れのない咎めを受け、医垫免蚱を剥奪された。
        その埌、関係のあった医療関係者ずは二床ず連絡が取れない所に送られたらしい。


     
     
    理科知識を䜿っお、か぀か぀生きおたす。理科は生掻手段。 noteには、自䜜小説ず゚ッセむを投皿しおたす。近い趣味の方ずの意芋亀換を求めおたす

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