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Photo byhukugyouotaku

朝寝坊は䞉文の埳・前線【瀟員戊隊ホりセキ V・番倖線】

    「ねえ。その話、䜕回目 いい加枛にしおよ」

      

     あの女の心の無い蚀葉は、俺の心を抉った。

    「足し算でミスっおるような人が、江戞えど倧だいなんか受かる蚳ないでしょう 入詊のこずなんか、い぀たでもグチグチ蚀っおんじゃないよ」

      

     あの女、マゞで蚱さねえ 。

     ぶっ殺す 絶察にぶっ殺す ぶっ殺しおやる


     俺は綟町あやたち改かい。関東かんずう科孊かがく倧孊だいがくの二幎生だ。

     田舎の出身で、倧孊進孊を機に䞊京した。今は安いアパヌトで䞀人暮らししながら、倧孊に通っおいる。

     䞀幎生の時は講矩ばっかりだったけど、二幎生になったら基瀎実隓が始たる。俺は実隓を楜しみにしおいた。


     実隓は他の孊生ず二人䞀組でやるこずになっおいた。
     俺のペアは女子だった。

     最初は圓たりだず思っおた。
     顔は たあ、悪くない。胞は小さいどころじゃない。だけど、短いスカヌトをよく穿いおいお、目の保逊になっおいた。

     だけど性栌は最悪だった。女子が少ないから、バカ男にチダホダされる。だから、自分が可愛いず思っおるク゜女だった。
     䜕より、俺より背が高いず思っお、䞊から目線で明らかに俺を芋䞋しおやがった。

     実隓のペアが決たった時、俺は自己玹介がおらク゜女に話した。

    「俺さ、江戞えど倧だいを目指しおたんだ。実力が出せればむケおたんだよ。だけど䞭心詊隓で力出せなくっお、ギリギリ願曞が返されないくらいの点しか取れなくっお」

     そう。本来なら、俺は関東科孊こんな倧孊だいがくで萜ち着く筈じゃなかった。䞍運続きだったんだ。

    「マヌクより蚘述の方が埗意だったから、倧孊ごずの二次詊隓なら逆転できるず思っおたんだ。だけど第問の図圢の問題で、を13にしちゃっお 。あのせいで、第問が党滅。点数開瀺したら、合栌最䜎点ず10点しか違わなくっお 。で間違えなきゃ、絶察に江戞倧に行けおた」

     そう。俺には実力があったんだ

    「詰たらないミスするかよりも、実力の方が倧切だず思わない 実力が反映されなくお、凡ミスで振り分けされる日本の倧孊入詊は、絶察に間違っおる」

     たかが足し算のミス、倧したこずない。江戞倧孊に合栌した同期の奎らより、俺の方が絶察に実力があった。
     だけど、あのク゜女はそれを理解しなかった。

    「ねえ。その話、䜕回目 いい加枛にしおよ」

     六月䞀日の火曜日。基瀎実隓の最䞭に、ク゜女は半ギレで俺にそう蚀った。

    「足し算でミスっおるような人が、江戞倧なんか受かる蚳ないでしょう 入詊のこずなんか、い぀たでもグチグチ蚀っおんじゃないよ バカな話しおる暇あったら、実隓に集䞭しお ちゃんず枩床芋おお」

     江戞倧なんか受かる蚳ない
     バカな話

     ふざけんな 俺はふざけた詊隓の犠牲になっお、こんな䞍圓な目に遭ったんだぞ

     俺の実力も理解せず、ボロク゜に蚀いやがっお
     自分が可愛いずか勘違いしお、調子に乗りやがっお
     俺より背が高いからっお、俺のこず芋䞋しやがっお

     この時、俺は蟌み䞊がる怒りを必死に抑えるので粟䞀杯だった。

     だけど、この時に決意した。
     このク゜女を絶察にぶっ殺すず 


     ク゜女のせいで、関東科孊バカ倧孊だいがくに通う気が倱せた。やっぱり、俺は関東科孊あんな倧孊だいがくに萜ち着く噚じゃなかったんだ。

     安いアパヌトの郚屋に籠っお、パ゜コンで゚ロサむトばっかり芳る日が続いた。
     サむトで芳るグラビアアむドルは、あのク゜女より数段可愛い。


     そのうち、゚ロサむトも飜きおきた。


     六月二日の氎曜日だったか 気分転換でホラヌ系のサむトを怜玢しおみたら、劙なサむトを芋぀けた。

    「呪い 面癜そうじゃん」

     明らかにダバそうなサむトだった。

     たず目を惹いたのは、䞭倮に釘が刺さっおいる藁人圢のむラストず、したたる血で曞かれたような『呪』の文字。

     トップペヌゞにはこんなこずが曞かれおいた。

     あなたには殺したいほど憎い盞手がいたすか もしも法埋が邪魔をしないのあれば、その気持ちを実行に移す勇気をお持ちですか


     劖しい匂いしかしないんだけど、䜕だ

     あなたは呪詛の力を信じたすか 1000幎前、呪詛は死で償わなければならないほどの倧眪でした。しかし珟圚いたはどうでしょう 科孊や技術、そしお人々の思考が呪詛の力ず瀟䌚を分断したこずで、その眪は消滅しおしたったのです。
     お分かりですか ぀たり、あたたは人を殺しおも、眪には問われないずいうこずなのです


     魔力っお蚀うのか 俺は、この劖しいサむトの胡散臭い文蚀に、䜕故か匕き぀けられた。

    「あのク゜女、呪い殺しお貰うか」

     ごく短時間だった、俺の䞭に、その遞択肢が浮かんだのは。
     気付いたら俺は、この劖しいサむトの申し蟌みのペヌゞに移動し、必芁事項を蚘入しお送信しおいた。

    「呪いの日は金曜日。二日埌か。集合は 朝䞃時 早すぎるな 」

     朝が苊手な俺には、この時刻は若干ネックだった。
     だけど、四の五の蚀っおられない。あの屈蟱を晎らす為なら、この皋床 。
     俺は埩讐の炎に燃えおいた。


     呪詛のサむトに申し蟌んだ次の日、六月䞉日の朚曜日も、俺は倧孊を䌑んだ。
     アパヌトの郚屋から䞀歩も出なかった。
     だけど、心は螊っおいた。

    「明日。明日だ。明日には、あのク゜女を 」

     明日、俺を愚匄したあのク゜女を呪い殺せる
     俺は自分の顔に笑みが浮かぶのを実感しおいた。


     この日は時間が経぀のが早く、気付いたら倜になっおいた。俺は、い぀の間にか寝おいたようだ。

     そしお 。


    「九時だず 寝過ごした」

     カヌテンの隙間から差しおくる朝日で目を芚たした俺は、セットし忘れたアナログ匏の目芚たし時蚈の針を芋お愕然ずした。

     今日は六月四日の金曜日。呪詛の圓日だ。

     それなのに俺は寝坊しおしたった。

     集合は䞃時。だけど今は九時。どう足掻いおも、間に合う筈が無い。

     ク゜女に埩讐する機䌚を逞した。

     俺は途方に暮れそうになったが 。

    「いや、埅お。呪いなんか必芁ない、自力で殺せば良いだけだ」

     俺はたたに、自分の頭の回転の速さに、自分で怖くなる。
     すぐに俺は代替手段を思い぀いた。

     そうなれば善は急げ
     俺は適圓に身支床を枈たせお、郚屋の倖に出た。

     六月䞀日の火曜日以来、実に䞉日ぶりの倖出だった。


     十時半たで、ク゜女は無機工業化孊の講矩を受けおいる。居堎所が刀っおるなら、棟ごず焌き殺すたで

     そう思った俺は、アパヌトを出たその足で最寄りのスヌパヌマヌケットに盎行しお、サラダ油ずラむタヌを買った。これで倧孊に火を攟っお、ク゜女を焌き殺す

     決意に燃える俺は、スヌパヌを出たら䞀盎線に倧孊ぞの道を突き進んだ。


     倧孊たで、あずもう少しずいう時だった。
     隒々しい音ず共に匷颚が䞀垯に吹き、俺はたじろいだ。それず同時に、䞀垯は広い圱に芆われた。
     だけど、それは䞀瞬。隒音はトヌンを䜎くしながら、遠ざかっお行った。俺は思わず埌ろを振り返った。

    「掟手なヘリだな 。たさか、ピカピカ軍団」

     ピンク色の宝石で創られたようなド掟手なヘリが、倧急ぎで飛び去っお行くのが芋えた。詳しくは知らないが、䞖間を隒がせおいるピカピカ軍団のヘリだろうず、すぐに察しが぀いた。

    「倧孊の方から飛んで来たな どういうこずだ」

     疑問を抱いたたた俺は歩いた。そしお、䞉日ぶりに倧孊構内ぞず足を螏み入れた。

     構内では、他の孊生たちが興奮しお倧隒ぎしおいた。

    「凄すげぇ。ピカピカ軍団のマシン、生で芋た」

    「䞀人だけだったな どうしお関東科孊倧孊うちに来たんだ たさか、ドロドロ怪物が出たのか」

     やっぱり、あの宝石みたいなヘリはピカピカ軍団のマシンで、関東科孊倧孊うちから飛び発ったらしい。それ以䞊のこずは刀らないが、取り敢えず倧倉なこずがあったみいだ。

    「でも、俺には関係ねぇ。ク゜女を焌き殺すだけだ」

     俺はサラダ油ずラむタヌを入れたレゞ袋を片手に、無機工業化孊の講矩が行われおいる棟を目指した。


     倖に居た連䞭はピカピカ軍団で興奮しおいたから、俺を気にする奎は誰も居なかった。お蔭で、簡単に蚈画を実行できそうだ。

     無機工業化孊の講矩が行われおいる棟に、俺はすぐに蟿り着いた。
     もちろん棟の䞭には入らず、人に芋られなさそうな裏手に回った。


     誰も、俺に気付いおいない。

     ぀いに、ク゜女に制裁を加える時が来た

     俺はレゞ袋から、重いサラダ油の容噚を取り出し、いざ開封しようずしたが 。その時だった。


    「サラダ油じゃあ燃えねえぞ」

     聞き憶えのない男の声が、急に聞こえた。
     ハッずしお振り返った俺は、驚かずにはいられなかった。知らないオッサンが、俺の埌ろに立っおいたんだから。

     背は俺より高かった。黒い半袖のポロシャツを着おいた。袖から芗く腕は筋骚隆々で、いかにも匷そうだった。

    「䜕があったか知らねえが、バカな真䌌は止やめろ」

     逞しいオッサンはそう蚀うず、俺からひったくった。ただラむタヌが入っおいるレゞ袋を。

     俺は䜕凊たでも運が悪い。

     寝坊をしお呪詛に遅れるは、倉なオッサンに攟火を劚害されるは 。

     結局、俺はク゜女に制裁を加えるこずができなかった。


    埌線ぞ続く


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