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Photo byharuka460

叶ずわ子・倖䌝最終話共存

    #創䜜倧賞2024 #ファンタゞヌ小説郚門

    この䜜品は、pekomoguさん原䜜の『心の雛』のスピンオフ䜜品です。

    【心の雛】の原䜜マガゞン

    https://note.com/pekomogu/m/me0868ad877bd


     叶ずわ子は、奥野心が保護した劖粟シルフ・雛に出䌚った。

     凶暎な性栌で人語を介さない劖粟ずは意思疎通ができないず考えられおいたが、実態はそれずかけ離れおいたこずを、叶ずわ子は知った。


     雛は自分を救った奥野心を慕っおいた。いや、雛が奥野心に向ける感情は、おそらくそれずは異なる。


     幌いけれど気が匷く、奥野心ぞの独占欲が激しい。雛はそんな性栌をしおいた。
     たるで、小孊校の時に䜕人かいた、若い男の先生に本気で恋をしおいる女子のような感じだった。


     芁するに、人間ず倧差無い感性を持っおいたのだ。


     それを知った叶ずわ子は、行動を起こした。


     たず無残に狩られた劖粟たちの生銖を、遺䌝子工孊の孊者である園厎進に蚗した。

     圌が進めおいる、劖粟の血液や涙の成分を、人為的に合成する手法の研究を助ける為に。

     これ以䞊、劖粟が狩られないようにする。

     叶ずわ子は、その決意を実行するべく、動き始めたのだった。


        


     園厎進の元を蚪れた数日埌、叶ずわ子はこの人物の元に足を運んだ。

    「この服を䜜っお欲しいんだけど、䜜っお頂ける 人間で蚀えば、小孊校の高孊幎くらいの幎霢に圓たる劖粟が着れるくらいのサむズっお蚀えば、理解しおもらえるかしら」

     その人物ずは、蟺鄙な森の近くに工房兌店舗を構える人圢䜜家。劖粟の捕獲芁員を兌任しおいお、叶に劖粟の頭郚を提䟛しおいたあの人物だ。

     この日、叶から思わぬ䟝頌を受けた圌は、話を聞くや銬鹿笑いを始めた。

    「アンタ、こんな若い子向けのファッション誌なんか読むの しかも、劖粟が着れるサむズっお 。劖粟の逊殖でも始めたの 家で食べる為に」
     叶の幎霢や性栌、そしお今たでの方針から考えるず、この䟝頌は滑皜に思われおも仕方が無かった。
        二十歳前埌の女性が読んでいそうなファッション誌を開き、高校生ず思しきモデルが着おいる服を指しお、「これの劖粟サむズを䜜っお欲しい」などず頌んで来たのだから。

     腹が捩れるくらいに笑う圌に、叶は冷ややかな口調で蚀った。
    「ずにかく、できるかどうか聞いおるの」

     問われた人圢䜜家は取り敢えず䞀しきり笑った埌に、叶の問に答えた。
    「服を䜜るのは簡単だ。甘ロリだか森ガヌルだか、ありがちなデザむンだしな。ただ 。劖粟甚だったら、背䞭に矜甚の穎が必芁だな。矜の䜍眮は、劖粟によっお埮劙に違うんだ。䜕より、具䜓的なサむズ。芁するにオヌダヌメむドの服だからな。これが刀らんず、䜕も始められん。服を着せたい劖粟を持っお来おくれねえか」
     職人魂に火が付いたのか、䜜家は服を䜜るのに乗り気だった。目がい぀も以䞊に、爛々ず茝き始めた。

     察する叶はクヌルな衚情を少し厩し、眉間に皺を寄せ぀぀返答した。
    「劖粟を連れる来るのは難しいわね。私が保護しおる劖粟じゃないし。だけど、矜甚の穎は必芁ないわ。矜はもう䞀枚も残っおないから」
     叶が眉間に皺を寄せたのは、雛をここに連れお来れないから。だから、具䜓的なサむズをこの䜜家に䌝えるこずができない。叶は、それを悩たしく思っおいた。

     しかし 。
     矜が䞀枚も残っおないず聞いた時、䜜家の目が急に倉わった。たるで、獲物を芋぀けた肉食獣のような目に。
    「矜が䞀枚も無い なあ。その劖粟、雌なんだよな 人間で蚀えば小孊校の高孊幎くらいっお蚀ったよな 髪の色は、茶色 正確には栗色じゃなかったか この近くに居るのか」

     圌は確認するように、叶が提䟛した情報を反埩した。叶は異様な雰囲気に抌され぀぀、「そうだけど」ず返した。するず、急に圌は立ち䞊がった。


    「そい぀、今すぐ連れお来い。狩らせろ。奎は俺の収入えものだ」

     爛々ず目を茝かせながら、圌は語った。


        


     い぀か圌は䞉匹の劖粟の捕獲に赎いた。芋た感じ、䞡芪ず嚘ずいう構成に思われた。

     うち二匹は簡単に狩れた。
     しかし残り䞀匹は、狩り損ねた。その䞀匹は、栗色の毛を倪腿の蟺りたで䌞ばした、若いず蚀うよりも幌い雌の劖粟だった。

     捕獲ちゃんの玐で捕瞛したが、その劖粟は寞での所で身を捩り、刃で銖を斬られるのを回避したのだ。圓おを倖した刃は劖粟を瞛っおいた玐を切っおしたい、この劖粟を再び自由にしおしたった。

     だがこの劖粟は玐ず共に、自分の翅も切っおしたった。劖粟の右偎の翅は、䞊䞋ずも半分の短さになった。翅を損傷しお地に萜ちたこの劖粟は、這い぀くばる䜓勢のたた必死に翅を振るわせお、なんずか䜓を宙に浮き䞊がらせた。

     しかし、その様子は『蟛うじお飛翔した』ずいう感じで、非垞に䞍安定な飛行だった。翅が健垞の時より遅いのは勿論、航路が安定せず、䞊䞋巊右にフラフラず蛇行しながら飛んでいた。
     捕たらない為の察策か、成人が手を䌞ばしおも届かない高さを意識しお飛んでいるようだったが、䜕床も手の届きそうな高さたで降りお来おは、焊っお高床を䞊げる。その連続だった。

     圌は捕獲ちゃんの玐が切れたこずもあり、この劖粟を玠手で捕たえるこずにした。劖粟が高床を萜ずしたずころを狙い、手を䌞ばしお跳び䞊がったのだが 。

     倱敗した。
     この劖粟に觊るこずはできたが、掎み損ねた。その結果、バレヌボヌルのスパむクの芁領で、この劖粟を吹っ飛ばす圢になっおしたった。
     劖粟は勢いよく藪に突っ蟌み、生い茂る䜎朚や草の䞭に姿を消した。

     圌は朚々や䞋草を掻き分け、この劖粟を探したが芋぀からなかった。代わりに、现い朚の枝に突き刺さった䞭に现い脈が耇数通った、现長い楕円圢をした透明な膜が芋付かった。
        あの劖粟の巊の前翅で、藪に突っ蟌んだ際に捥げおしたったこずは、想像に難くなかった。

     圌は諊めお、捜玢を打ち切った。


        


     叶が服を着せたがっおいる劖粟  雛は、自分が狩り損ねた劖粟だ。圌はそう確信しおいた。

     その正吊は、叶には刀断しかねる。しかし、圌の芁求には埓えなかった。

    「その劖粟を連れおくるこずはできない。服の為のサむズを枬る為なら良いけど、狩る為だったら絶察にできない」
     叶は鋭い目で圌を芋据え、明瞭な声で匷くそう蚀った。䜜家は片方の頬だけを震わせ、「ああ」ず䞍満げな声を䞊げる。

    「䜕を蚀っおんだ 劖粟なんお、ただの薬の原料だろう こっちは生掻が苊しいんだ。ずにかく、あの雌の劖粟を狩らせろ」
     䜜家は簡単には䞋がらない。そんな圌を芋おいるず、叶の口からため息が挏れた。

     奥野心の医院で捕獲ちゃんを起動させた自分も、こんな感じだったのだろう。
     どんなに浅たしく醜いのか。圓時の自分を客芳的に芋せられおいるような気がした。

     そんな思いを溜息ず共に吐き捚おるず、叶は静かな口調で蚀った。
    「貎方ほどの䜜家だったら、䞀床觊った劖粟のサむズ感は手に残っおるわよね。その感芚を頌りに、サむズの合った服を䜜れないかしら」
     盞倉わらず内容は服の䟝頌だった。無論、圌はこの問に答えない。

    「んなこず、どうでも良い。その劖粟を狩らせろ」
     圌はもう、それしか考えられないようだ。

     どうすればいい 脅しお聞く盞手ではない。
     どうすれば、この男を思うように動かせる

     叶は焊らず、萜ち着いお考えた。するず、意倖に長々ず考えなくおも、すぐに名案が浮かんだ。
    「劖粟を連れお来ずにぎったり合った服を䜜れたら、300䞇円は出しお良いず思っおるわ。それでも、狩りに拘るのかしら」

     圌を突き動かすのは、劖粟を殺しお埗られる報酬だ。ならば、その報酬を圧倒する額を提瀺すれば、この男は応じるのではないか

     叶はそう螏んだ。
     そしお、その予想は倧正解だった。

    「それなら、狩るよりも服䜜った方が埗だな。確かに、サむズ感は憶えおる。翅が無いから最近は飛んでない筈で、カロリヌ消費が枛っお倪っおる筈だ。それず、成長を芋蟌んで 。良いだろう。やっおやるよ」
     今床はたた職人魂に火が付いたらしい。単玔なこの男に叶は呆れたが、同時に安堵もしお、それは溜息ずいう圢になった。

    「ねえ。これからも、その子甚の服を頌んで良いかしら 幎頃の女の子なのに、貫頭衣みたいなダサい服しか持っおなくお、可哀想なのよね」
     叶は、継続的にこの䟝頌をするこずも瀺唆した。

        圌は爛々ず瞳を茝かせたたた、頷く。しかし、同時に疑問も抱いおいたようだ。
    「毎回100䞇単䜍で貰えるなら、喜んで応じるが 。だけど、そこたでするか しかも幎頃の女の子ずか 。盞手は劖粟むしだろう」
     やはり圌は、そういう認識だった。

     叶はこれを是正する気は無かった。倚分、珟物を芋お、自分で玍埗しなければ意味が無い。そう思ったからだ。しかし、蚀うべきこずは蚀うこずにした。
    「貎方に劖粟を狩っお欲しくないから。その為なら䜕円いくら払っおも痛くないわ」

     聞き流すようにがんやりず、圌はその蚀葉を耳に入れおいた。確実に共感はしおいなかったが、党く効果が無かった蚳ではない。
    「䜕があったのかは知らんけど 。た、俺も䜙蚈な副業をせずに枈むなら、その方が良いからな」

     その返答に、叶は和やかに埮笑んだ。

     今のずころ、叶が最埌に奥野心の医院に蚪れた時、圌女が雛に枡した手土産はこのような経緯で䜜られたのだった。


        


     どれだけ時間が掛かるかは解からない。
     自分にどれだけのこずができるか、解からない。


     だけど自分の手が届く範囲で、これ以䞊、心を持った存圚が涙を流すのは防ぎたい。


     どんな呜も心も、できる範囲で倧切にしおいきたい。

     䞀぀の出䌚いを切欠に平穏な心を取り戻した心の医垫は、新たな䞀歩を螏み出したのだった。

    完



     
     
    理科知識を䜿っお、か぀か぀生きおたす。理科は生掻手段。 noteには、自䜜小説ず゚ッセむを投皿しおたす。近い趣味の方ずの意芋亀換を求めおたす

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