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うれしい、すき。それだけで🍊

働いている保育園では、
卒園式と一緒に、
子どもたちの「劇」を保護者の方に披露しています。

とはいえ、
まだ2〜3歳の子どもたちが数名でやる劇。

衣装を身につけ、小道具を使い、
簡単なセリフはありますが、
日常の遊びの延長で楽しめるような
小さな劇です。

どちらかというと、
「劇ごっこ」のようなものですね。


ステージの上では、

動物の顔の帽子をかぶせられ、
なんだか納得のいかない様子で、
ムスッと棒立ちの子。

最初から最後まで、
首を斜め後ろにひねって、
ぜんぜん前を向かない子。

唇を噛みしめ、
泣きそうなのをじっとこらえて
固まっている子。


なんだ、今日は…
いつもとちがう雰囲気だな。

おともだちのパパやママがいっぱい。
みんな、こっちを見ているじゃないか。

先生、 今日はなんでエプロン着けていないの?
お化粧もちゃんとしているし、
服もきれいだな。
なんだか、いつもの先生じゃないみたい…


いろんなことが、いつもとちがう。

それだけで緊張してしまいますよね。


だって、今日は少し特別な日。


わたしたち保育士も、
カメラを構えてその瞬間を待っている
パパやママも、

ほんとうは
胸がドキドキしているのだから。


そんな中、ひとりの男の子が空気を変えたのです。

その子は、先生たち全員が、
「がんばろうね…」と、
当日まで静かに見守り続けた子です。


ステージからパパとママの姿を見つけると、

「パパ、ママ、来た!うれしい。」

「パパ、ママ、すき!」


ぴょんぴょん飛び跳ねながら、
その言葉を何度も繰り返しました。

きっと、自然な気持ちが
声になってあふれたのでしょう。


練習の時とはちがって、
この日は生き生きした笑顔で、
劇を楽しんでいました。


それは、見ている保護者や保育士からも、
思わずふふっと笑みがこぼれるような…
とても微笑ましい光景で。

子どもも大人も、
ふわっと緊張がほどけていくようで。


劇がうまくできたかどうかよりも、

「なんか、あったかいな……」

そう感じたのは、
きっと、わたしだけではなかったと思います。


本人は、もちろん、
自分が空気を変えたことには
気づいていないのだけどね。


ただ、自分の「うれしい」と「すき」を
劇に乗せて、
歌に乗せて、
からだいっぱいで表現している。


パパとママの心に残ったものは、
劇の中身よりも、
その時に出会えた
とびきりの笑顔だったのかもしれません。


「うれしい」と「すき」

まっすぐに表現できるっていいな。


ポジティブで、やさしい言葉。
口に出して言いたい言葉なのに、
大人になると、うまく言えなくなることがあります。

その潔さは、
大人の目にはキラキラとまぶしくて、
ほんの少し、羨ましくて。


そのままの素直な気持ちが、
場の雰囲気をやわらかく変えていき、

周りの人まで
しあわせな空気で包み込んでくれる──



「うれしい」と「すき」って

最強の魔法なのかもしれません。





子どもたちはいつも大事なコトを教えてくれる。。。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。







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