
『二択の選択肢の中に正解が無かった時の話』
これは私(男性)が実際に体験した話である。
当時整骨院で働いていた私は、患者さんのお婆さんと会話しながら施術していた。お婆さんは上向きで寝ており、私は膝周りを施術していた。
お婆さんとの会話の中で年齢の話になった。
人は見かけによらない、見た目以上に若かったり、その逆に思ったよりも老けていたりという話である。
私は当時38歳だった。
そして早くも禿げていた。
見た目はかなり老けていたのである。
お婆さんが微笑みながら聞いた来た。
『ところでまこすけ先生は40代?50代?』
……。
実際の私の年齢を知っている両隣のベッドで施術していたスタッフが、私の方に振り向いた。どう答えるの?っていう顔をしていた。
お婆さんは二択で聞いてきた。
しかしその二択には正解がなかった。
どう答えるべきか?
お婆さんに合わせて答えるべきか、でも本当のことを言っておかないと永遠に年齢詐称をしないといけないので、ここは気まずくとも本当のことを言っておくべきだなと思った私は正直に答えた。
『38歳なんで、30代ですね』
『……』
私との会話でそれまでにこやかに話していたお婆さんは『しまった!』という表情になったが、私の答えに無言で返した。
両隣のスタッフが声に出さず、肩を震わせて笑っていた。
いやあ、二択で正解ないのってキツイわあと思った話である。
年齢聞くのって気をつけないとなあ…。
終わり。