
ダミーリング
最近、左手の薬指にダミーリングを着けている。
2個入り330円の、大変お買得な指輪。
本当はプラチナか、少なくともシルバー925くらいのものを買おうかな~~なんて思っていたのだけど、そんなものに大金を払うのは違うか、勿体ないか、ダミーだし…と思い直してやめた。
大金を払うなら湯婆婆くらいゴテゴテの、カラフルな宝石がついたリングを買おうと思う。
将来はそういう無敵ババアになりたいので。
ダミーリングを着け始めた理由は、世間体や過剰な自意識のためなど。
当方、特にモテもしないしナンパも受けないし痴漢被害も大人になってからは受けていないので、男避け💦みたいな大層な理由ではない。
たしかに興味ない人から「ワンチャンいけるかも⁉️」と思われるのも、「コイツ俺のこと好きなのかな⁉️」と勘違いされるのもまっぴらだけど、そんな事例は滅多にないし、それが起きないように注意はしている。
おまもり感覚、が一番近いかもしれない。
「結婚しているという免罪符」はあると思う。
どんなになんだコイツ~~‼️‼️と思うような相手でも、結婚指輪をしていたら「この人にも愛し愛される相手がいるのかあ」という背景がみえて、「まぁ、良いところもあるのかな」とヵ思えて擁護できる。
逆に、見た目にも結婚適齢期なのに独身というのは、なんとなく居心地が悪い気がしてしまう。
これは私が自意識過剰なだけで、別に世の独身がどうとかいうわけではないのだが、わたしは生きづらく感じてしまった。
こんな「結婚しないでも幸せになれる時代」なのだから、独身=孤独、寂しい、余り物、なんて時代じゃない。
それを充分わかっていても生きづらかった根本的な理由は説明が難しい。
多分、絶妙な年齢になったこと、周りが結婚していく時期にさしかかったことなど、いわゆる27歳症候群を患ったためだった。
…もう28歳になったのだけど。
結婚したいと思う以前に、好きな人ができなかった。
出会い狂って、やれることはやった上で「もういいかな」と諦めがついたから、ひとりで生きていく覚悟もある。
というか、誰かと生涯を共にするイメージが正直湧かない。
そのことに負い目を感じているのかもしれないし、結局がんばっても誰にも選んでもらえなかったという劣等感は少なからずある。
人の目を気にしてダミーリングまで着ける自分が情けなくもあるが、これはひとりで生きる覚悟の証であると言い訳したい。
自分のことは自分で守護(まも)る。
何なら誰かのことを守護(まも)りたいとさえ思っている。
だけど本当は同じくらい、
誰かから守護(まも)られたかったりする…❓
高校生の頃、同世代のカップルのとなりで痴漢を受けたことがある。
どう考えてもカップルの女の子の方が𝐾𝐴𝑊𝐴𝐼𝐼くてスカートも短くてスタイルも良くて魅力的だった。
でも被害を受けたのは、その隣で一人で英単語か何かのテキストに赤シートを当てている、スカートが長くてスッピン芋ブスの、伝統(笑)女子校の制服を着たわたしの方だった。
痴漢はもちろん気色悪い犯罪なのだけれど、何重にも悔しかった。
ナメやがって。
どうせ一人だよ。
守護(まも)ってくれる彼氏ももちろん居なかったし、捕まえる度胸もなかった。
それを見透かされた上で、隙につけこまれたこと。
真面目で善良で地味な高校生だったあの日の私は、いつまでも報われないのだろうか。
ずっとこういう人生なのだろうか。
そんなかなしいこと、絶対にあってはならない。
だから、隙はつくらない。
ナメられたくないし、自分の身体も心もプライドも、何としてでも自分で守護(まも)る。
お↑れ↓は
立派なおとなになったはずなのだから。
まもってあげる、なんて言葉は全くメロくない。
大した覚悟もないくせに笑わせないで欲しい。
確かにわたしは小さくて𝐾𝐴𝑊𝐴𝐼𝐼くて守護(まも)りたくなるような存在かもしれないが、そういうヤツの言う「まもる」には見下しとナルシシズムが含まれていることを知っている。
ナメられているし、バカにされているし、自分の優越感のために利用されているように感じるだけ。
え…なにこのすっごいひねくれた考え方…
自分でもびっくりである。
守護(まも)られるような女でいたくない、それはプライドが許さないから。
車道側を歩く、
荷物を持ってくれる、
上りエスカレーターで下に立ってくれる、
そんなの別に要らない。
おまえになにが、そんなことでなにが守護(まも)れるんだ代(よ)
とヵ思ってしまう。
本当にお↑れ↓は𝐾𝐴𝑊𝐴𝐼𝐼くない。
(いや、顔は𝐾𝐴𝑊𝐴𝐼𝐼んだけど)
そんなことはどうでもいいから、信号の押しボタンを押して欲しい。
あれ毎回静電気起きるからほんとうに嫌‼️‼️
あれだけはマジで代わりに毎回押してほしい。
なんの話❓
職場では独身なことも知られているし、それによって困ることはないので、仕事中は着けていない。
というか、私のことを知っている人はこんなバケモンが結婚できるわけがないと分かっているはずだ。
主に移動の電車内や、一人で遊びにいくときに着けている。
見ず知らずの人からの一瞬の視線だったら、2個入り330円のちゃちなリングでもそれっぽくは見えるはずだ。
虎の威を借る狐の如く、お↑れ↓は存在しない旦那の威を借りて世間からのみられ方を変えたいのだ。
本当は誰のことも好きになれないバケモンだけど、愛し愛される誰かがいるまともな女性だと思われたい。
本当は守護(まも)ってくれるだれかがいるわけじゃないけど、誰かにとっての守護(まも)るべき存在であり、より大きくて強いものがバックに着いているかのように見せたい。
だって、どうしたって、どれだけ自己防衛したって私ひとりじゃナメられてしまうのだ。
悔しくて悲しい思いをもうしたくない。
おまもりであり、これは武装だ。
今日も薬指のシルバーリングが、みえない守護神が背後についている安心感が、わたしをご機嫌にする。
ダミーリングをつけはじめて周りの目が変わったりなんかは、きっとしていない。
なぜなら始めから、私の過剰な自意識のせいで産み出された悩みだから。
一番変わったのは私の心持ちだ。
それで正解だと思う。
たった330円で、こんなに生きやすくなれたのだから。
メゲない、ショゲない、泣いちゃ、ダメ~~❣️