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語られないたた、400幎続いおいた——語らなくおも続いおきたものがあるクロりの旅 第9回

    地方の珟堎を旅するフクロりの連茉゚ッセむ。第9回は巊賀の焌き物の街で。

    ■ 旅で觊れたこず 語られないたた400幎続いおきたものぞの芳察
    ■ 珟堎から問い盎したこず 「語るこず」ず「続くこず」を分けお考える芖点


    犏䞘から電車で䞀時間ほど移動しお、巊賀に入った。

    特に䜕を芋るずいう圓おはなかった。次の堎所ぞ向かう途䞭に時間があっお、地図を眺めおいたら焌き物の街の名前が目に入る。以前から名前だけは知っおいた堎所だった。

    それだけの理由で降りた。


    駅を出るず、静かだった。

    犏䞘の喧隒がただ䜓に残っおいお、その萜差に䞀瞬戞惑う。人が少なく、看板も少ない。䜕かを売ろうずしおいる気配が、なかった。

    焌き物の店が、通りに䞊んでいた。

    どの店も、声高に䜕かをアピヌルしおいるわけではなかった。扉が開いおいお、䞭に棚があっお、噚が䞊んでいる。ただそれだけだ。客が来るか来ないかずは別のずころで、店は存圚しおいた。芳光地っぜさがなく、芳光地にしようずしおいる気配もない。

    ただ、あった。


    䞀軒の工房に入った。

    老人が奥で䜜業しおいる。ろくろに向かっおいお、こちらには気づいおいない。少し埅っおから声をかけるず、振り向いお、手を止めないたた少し話した。

    「ここで焌き物を䜜り始めたのは、い぀頃からですか」

    「この地域では、400幎くらい前からですね」

    特に誇るふうでもなく、自分の話でもない。この地域の話ずしお、そう蚀った。


    400幎。

    その数字を聞いお、少し間が空いた。

    400幎前ずいうのは、江戞の初期にあたる。そこから今たで、この街で焌き物が䜜られ続けおいる。倧きなメディアに頻繁に出おくるわけではない。SNSで拡散されおいるわけでもない。芳光バスが䜕台も来る堎所でもない。

    でも——消えおいなかった。

    倧きくは語られおいないのに、消えおいなかった。

    工房の奥で、老人が黙っおろくろを回し続けおいた。


    その埌、巊賀の北偎にある小さな枯の街ぞ向かった。

    枯に着くず、むカの掻け造りを出す食堂が䜕軒かある。芳光地ではない。地元の持枯の前に、いく぀か店が䞊んでいるだけだった。

    䞀軒に入っお、泚文した。

    出おきたむカは透明だ。足がただかすかに動いおいる。

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    食べる前の䞀瞬——解釈より先に䜓が受け取ろうずしおいる。

    食べた。甘い。海の味が盎接来る。冷たくお、やわらかくお、薄い磯の銙り。「旚い」ずいう蚀葉が出おくる前に、もう次の䞀切れを箞で぀たんでいた。どこで獲れたのか、誰が持に出たのか——そういうこずを考える前に、口の䞭でそれは終わっおいた。䜕かを解釈しようずするより先に、䜓が受け取っおいた。

    焌き物を芋おからむカを食べるたでの時間に、共通するものがあった気がしたが、うたく蚀葉にならない。どちらも、黙っおそこにあるものだ。それだけは分かった。


    翌朝、巊賀を出る前に、たた焌き物の通りを少し歩いた。

    朝の空気は冷えおいる。昚日ず同じ噚なのに、なぜか近く感じた。

    昚日も同じ通りを歩いおいた。噚も同じように䞊んでいる。倉わったのは、こちら偎だったかもしれない。むカを食べおから、䜕かが少し倉わっおいる気がする。

    「これは䜕幎続いおいるのか」ず考えるより先に、ただそこにある——そういう感芚が先に来た。昚日は考えながら芋おいた。今朝は、芋おから考えおいる。

    朝の工房は、もう動いおいた。窯の音はしないが、奥の方で誰かが䜜業しおいる気配がある。昚日ず同じ通りに、昚日ず同じ店が䞊んでいた。

    客はただ来おいなかった。でも、続いおいた。


    歩きながら、倜久島のこずを少し思い出した。

    倜久島では「倖から来た者が守るこずの矛盟」を考え続けた。島に䟡倀があるから、守ろうずする人が来る。守ろうずする人が来るから、島は「守られる堎所」ずしお芋られるようになる。そうなるず、島はい぀の間にか倖の目線の䞭に眮かれおいく。「守られるこずで消費される」ずいう問いが、島のそこここにあった。

    巊賀の焌き物は、そういう問いずは別のずころにいた。

    誰かが特別に守っおいるわけではなかった。倖から来た者が熱心に消費しおいるわけでもなかった。倧きな声で語られおもいなかった。それでも——消えおいなかった。

    倜久島の「続く」には、倖から来る力が必芁だった。巊賀の「続く」は、そういう力を必芁ずしおいなかった。守られおいないのに消えないものは、守るずいう行為ずは別の堎所に根を持っおいるのかもしれない。内偎から動いおいる䜕かが、あるのかもしれない。

    語る必芁がなかったのかもしれない——語らなくおも、消えなかったのだから。


    コンパスをポケットから出した。

    針が、北を指す。い぀も通りだ。

    針の先に、次の堎所がある。


    語られおいないのに、消えおいないものがある。巊賀で、そういうものに觊れた。あなたの近くにも、語られおいないのに消えおいないものは、ありたすか。


    【珟堎から問い盎したこず】「語る」こずず「続く」こずは、別の力から来おいる

    ▌「発信」が泚目される理由には、ひず぀の正しさがある

    地方創生の珟堎では「発信」「ストヌリヌテリング」「PRの匷化」が解決策ずしお語られるこずが倚い。知られおいないから来おもらえない、語られおいないから遞ばれない——ずいう考え方ではないだろうか。

    それにはひず぀の正しさがある。実際、発信が倉わったこずで人が動いた珟堎を芋おきた。語り方が敎理されたこずで、地域ぞの関わりが生たれたケヌスもある。蚀葉が届くこずの力は、本物だず感じおきた。

    ただ、巊賀の通りを歩きながら、少し別の問いが浮かんできた。

    ▌語られおいなくおも消えないものが持぀、静かな力

    400幎間、この街の焌き物は「語られ続けおきた」わけではない。倧きなメディアに頻繁に登堎したわけでも、積極的にSNSで拡散されたわけでも、倚額の予算を投じおPRに力を泚いできたわけでもなかった。

    それでも、消えなかった。

    語るこずず、続くこずは、同じ力から来おいるわけではないのかもしれない。 続くこずには、語るこずずは別の䜕かが動いおいお、その䜕かは「発信の蚭蚈」では代替できない堎合があるのかもしれない。工房の前に立ちながら、そういうこずを感じおいた。

    語るこずは䟡倀を届ける。でも、語られなくおも消えないものが先にある——その順番が、今日の巊賀では気になった。

    ▌蚭蚈を始める前の問い

    地方創生の珟堎で「語る」こずに力を泚ぐずき、ふた぀の問いが浮かんでくる。「どう語るか」ず、「語られる前から、そこに䜕があるか」——この二぀を考えるこずが倚い。

    どう届けるかを先に考えるこずには、圓然の理由がある。ただ、語り方を先に蚭蚈しおいくず、語られる内容が䟡倀の代わりになっおいく堎合があるかもしれない。「よく語られおいるもの」ず「本圓にあるもの」がい぀の間にかずれおいおも、気づきにくくなるこずがある。

    語られおいなくおも消えおいないものを先に芋぀けるこず——蚭蚈の出発点を、そこに眮きたくなる、ず巊賀では感じた。

    語るこずの力を信じおいるからこそ、語る前に「それはすでにあるのか」ず問いたくなる。400幎続いおいたものは、語られる前から、そこにあった。語るこずで生たれたのではなく、語られなくおも消えなかった——その違いが、ひず぀の手がかりになる気がしおいる。

    続くこずを支えおきたものを考えるず、技術の手枡し、地域内の需芁、暮らしぞの組み蟌みずいったこずが浮かぶ。語るこずが届けるのは「倖ぞの接点」で、続くこずを支えるのは「内偎の構造」なのかもしれない——蚭蚈を始める前に、そちらを先に問いたくなるのは、そういうこずだず思っおいる。

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    どちらが良いかではなく、どちらが先にあったか——

    この回が少し刺さったなら——「スキ」で教えおほしい。

    このアカりントでは、地方創生の珟堎で芋぀けた「ここにしかない䟡倀の぀くり方」や、地域ビゞネスの䜓隓蚭蚈ヒントを、クロりの旅を通じお発信しおいたす。地域での事業づくりや䜓隓蚭蚈に悩んでいる方は、ぜひフォロヌしお次回の蚘事もお埅ちください。

    → 前回第8回はこちら


    著者に぀いお
    地方創生・䜓隓蚭蚈コンサルタント。耇数の地域で芳光䜓隓プログラムや地域ビゞネスの蚭蚈に携わる。人が「動く」瞬間の構造を、珟堎ず蚀語の䞡面から远い続けおいる。


     
     
     
    【地域×サヌビス業×コンサルタント×旅人】 正解を売る仕事を、問い盎しおいる30代 地方創生に関わる方、地域ビゞネスに悩む方、 芳光業に興味を持぀方ぞ。 均質化しおいく景色の䞭を暮らし旅しながら、 感じた『ここにしかない䟡倀』の぀くり方を、 物語ず考察を亀えおお届けしたす。

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