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あの色が好きだ。

    毎年咲く黄色い花。
    綺麗だな~と楽しめるのは、ほんの数日。
    気づくと丸刈りにされている。

    土手を通りがかったときに、
    「ほら、あの花。なんでかいつも刈られちゃうんだよね」
    と、母に嘆いてみせた。
    「ああ、オオキンケイギクね」
    やけに冷淡だった。
    花好きの母のことだから、同調すると思ったのに。
    「特定外来生物だから」
    「え?」
    「駆除しなきゃいけない花」
    え?え?
    「だって、綺麗じゃん」
    「繁殖力が強いから、他の植物を枯らしちゃうの」

    オオキンケイギクは、北米原産。
    【日本の生態系を脅かす恐れがあるので、
    法律で栽培・運搬が禁止されている】
    ネット検索で得た情報に困惑する。

    緑地化に利用しておいて、
    増えすぎたから迷惑って、なんなの。
    勝手すぎる。
    民家や道端、川辺。
    こんなにあちこちで咲いているのに。
    「絶対、本気で駆除する気ないでしょ」
    「そうかもねー」

    オオキンケイギクのレシピまで存在する。
    食べられるんだ…。
    キクっていうくらいだもんね。
    実際に食べてみたという人の感想は、食欲をそそるものではなかった。
    キクの味が口いっぱいに広がるのか~。ふ~ん。
    いつか、ものすごく気が向いたら、
    ちょっと茹でてみてもいいかな、と思わなくもない。

    初夏を感じる花、オオキンケイギク。
    わたしはあの色が好きだ。

     
     
    kindle作家。紗倉朔良。『丁寧な暮らしをしていた叔母が死んだ』『みなそこに沈む』『電子レンジのストライキ』『思ってたんとちがう』『牛乳こぼしただけだよ?』4コマ漫画『ちびナマケちゃんとシマエナガ』連載中。にいがたショートプロジェクト2025作品集 2作品収録。

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