
金華サバの味噌煮
おっかあ、このサバの
味噌煮美味いね♪
そりゃ金華サバだからな♪
還暦を迎えた
急な連休ができた
冬場の脂ののった
金華サバが食べたくなった
よし、宮城に行こう
新幹線で仙台駅で降りた
デパ地下で金華サバを探したが見つからない
缶詰はあったが
これは金華サバじゃない
切り身が小さいのだ
金華サバとは
冬場に宮城県の金華山沖で取れる
1キロオーバーのサバのことだ
1キロに満たないサバは
金華サバと呼べないのだ
港を何軒か探したが
見つからない
松島まで来てしまった
飲食店を渡り歩いたが
なかった
こうなったら意地でも
脂ののった金華サバを
食ってやる!
松島のはずれの旅館に泊まった
金華サバは無かったが
牡蠣をはじめ海の幸は
絶品だった
女将に金華サバが食べたいと話すと弟が漁師で
聞いてもらった
あすの朝 海が荒れて無ければ金華サバを釣りに行ってくれると言った
これで金華サバが食える
と、思ったのが甘かった
よく朝の海は大荒れで
船は出なかった
女将の話しだと
この冬の時期
海は大荒れで
漁に出れる日は
月に何回もないそうだった
俺の休みは あと2日
金華サバを食えるだろうか?
女将の宿を延長した
明日こそ船が出ることを
願った
女将は牡蠣づくしの料理で俺の舌を楽しませてくれた
生よし 焼いてよし
フライも天ぷらも美味かった
アイナメの刺身も絶品だった
これで金華サバの味噌煮があればな…
よく朝 晴れていた
これなら船が出れる
と思ったのだが
海上は風が強くて
海は大荒れだった
くそっ!
俺はもう一泊することにした
明日は船出てくれ!
祈りながら深酒してしまった
目が覚めのは昼前だった
晴れていた 風は?
船は出たのか?
その時 旅館の厨房から
香ばしい味噌の香りがしてきた
まさか…
いや、間違いない
サバの味噌煮の香りだ
俺は厨房に向かった
そこに女将がニッコリ笑っていた
女将は1キロオーバーのサバを持ち上げた
船出たんですね!
はい、脂の乗ったサバが
たくさん届きましたよ♪
たしかに丸々太った
金華サバだった
女将!
昼メシで食えるか?
はい、もうすぐご用意できます♪
俺は4時の新幹線で東京に帰らねばならなかった
女将の宿は本来なら
昼メシは提供してなかったのだ
女将のはからいに感謝した
それにしてもなんていい香りだ
お腹がグゥグゥなっていた
女将!
味噌は仙台味噌か?
はいうちは仙台味噌と
長野ね白味噌の合わせ味噌です♪
そうか赤い仙台味噌のコクと
白くて甘い長野味噌煮の
合わせ味噌か…
早く食べたい!
俺はソワソワして待っていた
ご用意出来ました♪
女将の顔が天使に見えた
いい香りが漂っていた
もう食べる前から
美味いのはわかっていた
いざ、サバに箸を入れた
豆腐より柔らかだ
脂ののった腹の部分を
白米にバウンドさせて
口に運んだ
あぁぁぁ…
幸せ…
美味いとかよりも
幸せ…
幸せと心が叫んでいた
無我夢中でサバの味噌煮を食べた
喉が音を立てていた
箸が止まらない
宮城県産のササニシキの美味さもあり
おかわりをした
女将のはからいで
追加のサバの味噌煮がきた!
幸せ過ぎる♪
だが、腹が満腹になり
もう食べれない
もっと食べたいのに
胃袋が限界を超えてた
俺は気づかないうちに
涙を流していた
女将の手を取り
更に泣いていた
女将ありがとう…
ありがとう…
ありがとう…
感謝の気持ちがいっぱいで宿を出た
歩くのがキツイほど食った
お終い♪
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