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【創作大賞2026応募】異色のマリアージュ2 結衣の心とミンの心はつながるのか。


    #創作大賞2026 #恋愛小説部門

    前回までのあらすじ

    成瀬結衣、ここでいうところのヒロインである。成瀬結衣は東京にあるとあるIT企業に勤め、今はベトナムにプロジェクト遂行のため出向している社員である。成瀬結衣のほかに、アン、ミンの2名が登場し、この2名と結衣が繰り広げる恋物語の始まりを語っていました。

    ミンはベトナムのとあるIT企業の社長であり、アンはミンとはライバル関係、大学の同級生、物語では語られなかったが、アンはそれなりの地位を日本で築いている人物である。ミンは結衣との出会いは古く、大学での交流会が起点である。これから巻き起こる物語に目が離させない。そんなところで前回の話が終わっています。

    さて今回は最終章です。定番中の定番の展開を見せながらも最後に見せる展開がとても心を打たれると定評です。

    第3章 はじまり

    この日、結衣はベトナムハノイの定番観光スポットにいた。出張してきた当日から、今日まで、プロジェクト遂行のため、外に出る事はあまりなかったのである。そんな時、ミンから誘いが来たのがこの物語の始まりです。

    「ミンさん、今日はありがとうございます。とても楽しいです。」

    笑顔で結衣は御礼を言った。

    「結衣さん、喜んでもらえたらうれしいです。最初に来た時から今日までプロジェクトに缶詰でしたからね。こういう息抜きも時には必要です。」

    そんなとき、

    「おいしいパンだよ、誰か買わないか!」

    ベトナムでは毎日とは言わないが、ほぼ高い確率で耳にする機械音声が聞こえてきた。結衣は普段はホテル住まいなため、そういう音声は会社にいるときか、ちょっと外に出た時ぐらいにしか聞いていなかったのである。

    「結衣さん、ちょっと待ってて」

    そういうとミンは駆け出し、日本でもよくある砂糖が多くついているパンを持ってきて結衣に1つ渡した。結衣はそれをみて日本にもあるものだよなと思いながらも小腹が空いた感覚をしていたことを思い出して1つ手に取った。手に取った瞬間、まとわりつく砂糖の感じは日本の菓子パンに似ている。結衣はそっと口に方ばり

    (うわ、、、こ、、これ、、、おいしい、、、)

    その頃、日本では・・・

    「アンさん、結衣さんがベトナムに行って、もう3ヶ月ですね」

    「そうだな。うん?」

    アンがちょっと疑問に感じるような眉間に皺を寄せるような顔をした。

    「どうされたんですか?」

    社員が問いかける。
    アンはちょっと笑みを浮かべながら

    「これだよ。これ」

    と社員に携帯を見せた。

    「あらぁ、2人もお似合いですね。ベトナム語は読めませんが楽しそうですね」

    「あぁ、これはね、なんでもプロジェクトがひと段落ついたから観光に言うったみたい。まさかあの2人が一緒に行くとはね」

    アンはそう言いながら

    ”ミン、結衣と一緒に行ってるんだね。まぁ、よくある観光だとは思うけど楽しんで。結衣の顔がなんだかすごく楽しそうで安心したよ。もうすぐ戻ってくる予定だと思うけど、それまでよろしくね。それと結衣の心引くならブランド物がいいんじゃない”

    そう文書を打って返した。

    「はぁ、なにいってんだあいつ。」

    ミンはそのメッセージをみて独り言を言った。

    「うん?ミン社長、どうしたんですか?、あ、ミンさんどうしましたか」

    ミンは結衣の方に歩きながら、イメージとしてはそのまま過ぎ去るような速度感で歩きながらこう言った。

    「いや、なんでもない。」

    その言葉には恥ずかしさがあったためか、結衣は少し顔をあげ、ミンが早歩きしそうだったのでスッと立ち上がって後ろを追うようにして向かった。

    カランカラン

    店の扉を開け、ミンと結衣がお土産屋に入ってきた。このお土産の店の広さは簡単に言えばよくある奥行きのある店で、周囲を四角形のようになり、真ん中に正方形の台があり、その上にいろんな土産物が置いてある。

    「うわ、すごい量ですね。それにあの木彫りのやつも、手編みのカバンも」

    結衣はとても興味津々であった。

    「ミンさん、ミンさん、みてこれ」

    ふとした笑顔がミンの心に何かを植え付けた。

    「あ、えっと、うん、それいいね」

    定番とも言える展開になってきた。この物語、この先どうなるのかほんとに楽しみなところです。そんなこんな展開になっているところで、結衣の心は徐々に徐々に動かされている。第一章第2章で物語の中で出てきた通り結衣とミンはこの仕事であったのが初対面ではない。さらにこの物語で出ているベトナム人の大学生が日本に来ると言うのは事実に基づいており、筆者も実際に参加したことがある。ただその連合名は架空です。

    そんな定番とも言えるような光景に店員も微笑ましそうに見ながらも、買わないなら帰ってくれと冷ややかな目で見ていた。

    「ミンさん、これを日本に持って帰りたいと思うんですが、大体いくらぐらいなんでしょうかこれだと0が多すぎてしまってよくわからないです。」

    「そうですね。200,000なので、今のレートだと、、、大体1300円位と思ってもらったらいいと思います。今のレートだと164,000ドンで1000円なので320,000ドンで2000円です。なので大体それぐらいだと思います。」

    「そうなんですね。それぐらいなら安いですね。」

    「お金は気にしなくていいですよ。プレゼントします。」

    ミンのちょっとした優しさにキュンとした結衣であった。

    (ミンさんって、思った以上に厳しい人じゃないし、大学の時にあったときも一緒に行動したけど、まさかあの時の人がこの人だったとは・・、頼り甲斐はあるんだよね)

    結衣はそう考えながらもミンの後ろをついて行っていた。

    (まさか、このあと雨降ったりして定番の展開にはならないよね・・。)

    しかしその予想は的中することになった。

    「うわぁーー、なんでそうなるの」

    「結衣さん、ここで雨宿りしましょうか。」

    そうベトナムは天気が晴れていても急に雲行きが怪しくなって雨が降ることが多い。最近環境改善という点も強まっているので天気の変化は大きく、以前はホーチミンが晴れ間が多かったが、今はハノイでも晴れ間を見る日は増えているが、雨が降ることも多い。特に雨季は。

    (うわぁ、雨でびしょびしょだ。まぁ、大丈夫かな。)

    結衣はちょっと心配しながらも雨を止むのを待っていた。

    「結衣さん、これ。」

    ミンは結衣にタオルをそっと渡した。そしてこう続けた

    「この2階にマッサージの店があるからそこで休んでて。確か洗髪や顔マッサージもあるから」

    「え?いいんですか」

    「うん、もう予約してお金払ってきたから」

    この優しさが、女性にとっては、非常に心を打たれるものでした。
    そして、時間が経ち

    「ミンさん、ありがとうございました。ゆっくりできました。」

    「ゆっくりできたならよかったです。もう雨も止みましたよ。」

    「そうですね。いい感じになりましたね。」

    「そしたら戻りましょうか」

    ミンと結衣は帰路についた。その後、瞬く間に時間は過ぎ去り、結衣が日本へ戻る日が近づいてきた。あれからというもの、ミンに対する結衣の感情は特別になりつつもあるように感じる。

    「社長、最近、結衣さんと仲がいいですね。お客様というより恋人のようです。僕らはいいのですが、社長には早く幸せになってほしいです」

    「実は結衣とは俺がこの会社を始める前から知ってるんだ。最初見たときに憧れを持っててね。いつの日か一緒に働けてたらなぁなって思ってたら、こんなに時間が経ってしまったんだよ。」

    「片思いですか?社長」

    ミンは頬を赤らめながら、こういった。

    「そうかもね」

    ミンは結衣に恋心を持っていたのである。なんとも定番的な展開だが、ベトナムではよくある話かもしれない。筆者である私の兄も、今の妻と出会ったのは、SNS上である。SNS上で話をして、何度も切り詰めていって、出会って、1ヵ月で付き合っていた位だ。そういった意味での速度感はベトナムにはあると思う。

    「結衣さん、最近社長と一緒にいることが多いですけど、社長どう思ってるんですか?」

    「どうってどういうこと?」

    結衣は一緒に飲みにきた同僚の言葉を一瞬にして聞き返した。

    「だから、恋愛感情。私たちはどちらかと言うと社長とは幼馴染みだったり、もともと知っている人間が多くて、男の人が多いでしょ。女の人でも少し年齢が高い人ばかりで結婚してるからそんなに嫉妬とかは無いわけ。もともと事情も知ってるし、それなりに友人同士で作ってるから」

    「そんな恋愛感情なんて、、、」

    あらあら、何かが始まりそうな展開ですね。もうこれは始まるしかないのではないのかなんて書こうかと思ったら、頭の中で浮かんでいた情景の中では、もう既にゴールインしているのと同じようなものである。

    これがある種のはじまりかもしれない。


    第4章 変化

    「昨日はありがとね」
    「いえいえ、大丈夫です。」

    結衣と同僚がたわいもない話に花を咲かせていた。

    「おはよう」

    またまた元気の良い声が聞こえ、結衣はどきっとしながらも

    「ミンさん、先日はありがとうございました。私の帰国が近くなっているので、最後にお礼でご飯おごらせてください」

    なんと結衣から誘ったのである。

    「わかりました。じゃあ今日でどうですか?」

    「わかりました」

    結衣は不思議な感情にさいなまれながらも、そのまま仕事に戻った。

    「結衣さん、今日はお誘いありがとうございます」
    「ミンさんにはお世話になっていたので、これぐらい」

    2人の食事会はとても明るいものであり、周りから見れば夫婦できているものだとばかり見れてしまう。それぐらい2人の距離は近くなっているのである。

    「ミン、結衣との関係は?」

    「いやいや、まだ何もないし、関係でどういうことだよ。」

    この食事の前に、アンとミンが会議の後に話していた。

    「だから結衣だよ、結衣のことばかり毎回送ってくるじゃん。前はそんなことなかったのに。好きなら好きと言えよ。」

    「そんなんじゃ、、、」

    ミンはアンの言葉に言葉を出す自信がなかったのかもしれない。
    そんな光景を見ていたアンはこう切り出した。

    「もしここで言わなかったらいつ言えるんだよ。俺らは確かにライバル関係、そして取引関係。今回はプロジェクトが同じだったから出向させられたんだだぞ。お前ももう若くないんだから」

    アンはそういって会議のボタンをオフにした。

    (たしかに、、、それはいいかもしれないが、社長と社員でそうなるのは、、)

    そしてこの場である。

    「結衣さん、1ついいですか」

    「なんですか」

    「もし結衣さんがよかったらですが、私たちお付き合いしませんか?」

    結衣は拍子抜けしたような顔をしながらも

    (え、え、え、え、え、え、え!どういうこと、わたし今告白されてるー!?)

    ともう混乱状態である。

    「はい」

    「いいんですか」

    「はい。だってあなたとはあの時に会っていて、実は私も好意を持っていました。それでも時間が経って今あって、社長と社員という関係に悩んでいました」

    もう定番中の定番の展開である。しかしミンにとって乗り越えなければならない壁はまだある。それはミンの両親、そして周りである。ミンがいる街はどちらかといえば外国人に対して排除的な雰囲気が強い。特に外国人と結婚することはお金目的とか思われたり、女性との結婚であれば尚更、家族からの反対はくる。

    「お前、何言ってんだ。日本人と結婚なんて」

    案の定、ミンは父からそう言われた。

    「ですから結衣は私の好きな人でどちらも収入はあるから」

    ミンの父はこう続けた。

    「お前、わかってるのか。俺らはベトナム語が母国語だ。結衣さんだっけ、日本人は日本語だ。ということは俺らがベトナム語で話してて、結衣さんが辛い時、お前が酒ばかり、遊んでばかりだったらどうだ。言いたくても言えないわけだろ。もしお前が「日本語わからない」といったらそれで夫婦関係は終わるんだぞ」

    「大丈夫だよ。それはない。」

    ミンはそう言って押し切った。

    実はあの後、すぐに結衣は日本へ帰国してしまい、ミンはひとりぼっちになったが、アンの取り計らいですぐに結衣はベトナムに戻ってくる予定になっていた。それが明日であったのだ。

    「結衣!」

    「ミン!ひさしぶり」

    空港で抱き合い、再会を喜ぶ姿がそこにあった。結衣とミンはあれからだいたい半年が経過していたが、常に電話で話したりしていたからこそ直接の再会はとても嬉しいものがあるはずだ。

    「結衣、実はな、結衣との関係を親に話して、親がちょっとあんまりな感じなんだよね」

    「というと?」

    「結衣のことをとても心配してて、俺が結衣にとっていい人になるのかだってさ」

    「(笑)」

    車の中がこの話で一気に明るくなった。そして結衣はこう続けた。

    「今回は客先常駐のプロジェクトで、ミンの会社と3年掛の仕事になるみたいだね。だから私も今回は出張というよりほぼ移住だよ。ただまず2週間いて、そこで衣食住を整えるってさ」

    「それなら一緒に住んでみないか?」

    「うん、それもいいかもね」

    (えぇぇぇ、同棲!?)

    結衣は自分の言葉とミンの変化の早さに驚いている。
    これが変化というものなんだろう。

    最終章 スタートライン

    あれから結衣はミンと一緒に同棲し、仕事に打ち込んできた。ミンはミンで一線を引いて結衣と付き合い、さらに親睦を深めていった。結衣はミンが心配していた両親と会うことも乗り越え、今では結衣の明るさに誰もが惹かれている。結衣はベトナムにきた後、一度日本に戻り書類を取り、その後、労働許可を取得して今で2年目を迎えようとしている。

    アンは相変わらず日本で仕事をし、時たまにベトナムへ来ては、ミンと結衣がいつ結婚するのかとやきもきしていた。結衣も結衣で自分の年齢からミンとの結婚を視野に入れつつも、ミンの本性を探す日々が続いていた。

    「結衣、今日は18時までに戻る」

    「わかった」

    ミンは必ず言った時間には戻ってくる。異国の地で異国の2人ということで不安を感じていたが多少のコミュニケーションは取れている。最近では結衣はベトナム語クラスに通い、ベトナム語でもコミュニケーションを取れるようにしている。

    「ねぇ、ミン。ほんとに私でよかったの?」

    「なに言ってんだよ。結衣のことは昔から好きだったんだから」

    「今日、ちょっと行きたい場所があるから」

    そう言ってミンは外に出て行った。

    「すみません。25のサイズの指輪を見たいです」

    そうミンは結衣との結婚を視野に入れて動いていたのです。

    「こちらでどうでしょうか」

    結衣にぴったりの指輪を見つけ嬉しそうに帰路につくミンであった。

    がしゃーーーん

    大きな音がした。まさかまさか定番の展開かと思ったら、筆者の頭の中で出てくる情景を小説にしているだが、なんとミンが後ろから走ってきた車に追突され、反対車線にはみ出て、そこからきた車に追突された。

    大きな音共に大破した車があった。このままではミンと結衣の関係性がと思ったが運がいいのか、ミンはまだ息をしていた。

    「おーーーい、こっちの男は生きてるぞ」

    そうして病院へ運ばれた。

    「結衣!!!!」

    その瞬間、結衣は悟った。

    「結衣!!ミンが、、、ミンが事故った」

    「え、、、、」

    結衣は急いで社員と共に病院へ向かった。
    病院には包帯を巻いて寝るミンがいた。ミンの状態を聞くと複雑骨折などをしているものの命には別状がないとのこと。

    しかし余談は許さない状況。結衣はつねにミンの横にいた。

    「ミン、ようやく結ばれそうだったのに。こんなことになって。
    私たちってそういう運命なの」

    あ、定番です。定番です。

    「う、、、う、、、、」

    涙が自然と溢れてくる。しかしここで手を握って起きてっていう定番はない。

    ぴーーーーーーー

    心臓についてた心拍数を測る機械からのけたたましい警報音である。

    「みーーーーんーーー!!」

    そう言いながら泣きじゃくる結衣であった。

    「離れてください」

    医者が駆け込んできて必死に心臓マッサージをしている。
    10分ぐらいだろうか。しかし体感は1日ぐらい。
    心臓の心拍数も落ち着き、一旦ICUで再度見ることになった。

    「はぁ、はぁ、、、う、、、ゆ、、、ゆい、、、さん」

    アンが駆け込んできた。そうアンはベトナムに来ていたのです。

    「どうしてこんなことに」

    事情を聞くとよそ見をしていた車にぶつけられたようだ。そして時速は早く、一緒に衝突した車の運転手は死んだそうだ。ミンは生きているのが不思議なぐらいなのと、ベトナムでは時たまにある事故だそうだ。

    医者が歩いてきて

    「覚悟してください」

    それからどれぐらいの時間が経過しただろうか。ミンはまだ生きている。しかし目覚めない。

    「ミン、目を覚ましてよ。私を1人にしないでよ」
    「ミン、おまえ、なにしてんだよ。起きろよ」

    そしてその翌日、ミンは息を引き取った。

    「う、、、う、、、う、、、、」

    泣きじゃくる結衣にそっと医者が何かを渡した。
    指輪である。

    「うわぁーーー、ミンーーーー。」

    そう指輪が示すのは自分たちのスタートラインだったのです。



     
     

    和恵

     
     
    ポケカ投資、飲食事業、人材事業など多岐にわたってベトナムを拠点にやっています。 このNoteは「メモ」、「知識」、「分析」をモットーに他にはない記事を書いています。

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