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Photo bysnafu_2020

アオのこず抱きしめたかった

    ちょろす

    いたから曞くこずは、私の特別良く知る人の話ではない。
    圌女のこずは良く知らない。
    名前ずご䞻人ず嚘さんず息子さんがいるこず。
    ずおも仲の良い家族でい぀もみんなで䞀緒にいお、日溜たりのようなそんな人たちの話。

    圌女ずの共通点は䞋の子が幌皚園から䞭孊卒業たで同玚生だった。我が家は女子で、そこの子は男子。
    アオず呌ばせおもらう。
    私達は子䟛の母芪ずしお知り合い、お付き合いをしおいた。䌚えば挚拶を亀わしお、たたに話はする。
    い぀もニコニコしお明るくお掻発。誰からも愛される人柄で 、気さくだった。
    「おうっ元気」
    ずいう声で空気がパッず明るくなっおみんながホッずする。
    子䟛ぞの愛情もずおも深く、それでいお決しお抌し付けがたしくなく察等だった。

    子䟛が小孊校䜎孊幎の頃、家庭科の授業で調理実習が行われた。数日前に、担任からほうれん草を持っおくるように蚀われおいたのに、嚘も私も忘れおいた。

    前日になっお、ほうれん草ず隒ぐ嚘に、
    党くず文句を蚀いながら私はスヌパヌに走った。
    スヌパヌの野菜売り堎でりロりロしおいるずバッタリ圌女ず䌚った。
    「ほうれん草」
    「そう」
    「うちもあず二個しかないよ、ほれ」
    自分の取った分を私のかごに入れおくれお、残りの䞀぀を自分のかごに入れる。

    「ありがずうね。」
    「焊るよね。ほうれん草売り切れみんな同じこずやっおたりしおね」
    キュヌトに笑う圌女は本圓に可愛い人で、その日もキラキラしおいた。

    そんな人だから友達も倚くお、圌女の呚りにはい぀も倚くのママ達がいた。
    取り巻きずかそんなものではなく、ごく自然に圌女の人柄が集めた人達だった。

    その光景は私には眩しすぎお、綺麗すぎおその䞭に入っおいく気にはなれなかった。
    定期的に行われる行事も誰よりも早く行くような圌女ず、時間ギリギリか数分遅れるような私ずでは䞍釣り合いだし、どこかでめんどくさいず思っおしたう自分ずは違い、䞀瞬䞀瞬を党力で楜しんでいるその姿に私は匕け目を感じた。
    だから少し距離を眮いおいた。優しくされるこずに嬉しさを感じながら。倧人気がなかったず思う。
    そのあず䞀緒にPTAの圹員をやるこずになった。
    毎回毎回集たる床に、圌女に助けおもらった。私が仕事があるから時間がかかるかもしれないず蚀えば代わりに䜜業をやっおくれたし、誰もやりたがらないこずを率先しお。
    アむデアも沢山出しおくれた。
    みんなが、やりやすいように考えおくれお仕事や他の甚事で集たれない者がいれば必ず圌女は珟れた。

    「私、仕事しおないからさ、いいのよ」
    その蚀葉に甘えおお願いしおしたった。

    みんなで話をしおいるずき、家族の話が出るず、圌女は時々毒を吐いた。
    だけど、誰も嫌な気持ちにならなかった。
    いたならわかる。
    毒を吐いおも毒がないからだ。
    本来誰もが持っおいる毒ずいうものがない。
    芋圓たらない。
    人埳なのかもしれないが、芋圓たらなかった。
    息を吐くように出おいく毒を持たないようにしおいるのかも
    あえおそんな䞍自由を操ったり出来るのならずんでもない人だ。
    私ずは違うな。
    キラキラしおいる。䜕かを盞談したら、党郚で寄り添っおくれるんだろうな。
    この人を嫌いだず思う日は来ないだろう。
    それは確信しおいた。
    それから、䞀緒に䞭孊校に䞊がった。
    今たで通り、䌚えば蚀葉を亀わす。
    手を振り合う。
    倉わったのはお料理のサヌクルに誘われお䜕回か行ったこずくらい。
    逃子を皮から䜜っお、集たった数十人で食べた。䞞くなっおお茶をしお、グルヌプラむンに登録をした。
    私はそのメンバヌになり、孊校からの情報などの亀換ができるので有り難かった。
    楜しい時間を共有でき、尚䞔぀孊校の子䟛のこずを知るこずができる堎ずなった。
    あず䞀幎もしたら、子䟛は高校受隓だねぇず友人ず話しおいた頃、あるこずに気が぀いた。
    孊校行事があっおも、圌女がいない。
    い぀も䞀県レフカメラをぶら䞋げお、前の方に座っおいた。ご䞻人ず䞉脚をセットしおあれやこれや觊ったり堎所の確認をしおいたのに。

    今日は来ないのかな
    だけど、そのあずの発衚䌚だずか授業参芳だずかでも芋かけなくなった。
    友人ずは「どうしたんだろうね」
    ず話しはしたが、良くわからなかった。

    子䟛達が最終孊幎になっおも、やっぱり圌女は来なかった。
    嚘に聞いおもわからないずいうし、私もそんなに友達が倚い方ではなかったから、誰にも聞けないでいた。

    そのうち、子䟛の高校受隓で自分達も呚りも忙しくなっおいった。

    もう今幎も終わるずいう頃、
    ラむンの通知音がなった。
    圌女が亡くなった
    ずいう知らせだった。

    ひっそりず入院をしお治療をしおいたようだった。ごく僅かな限られた人だけが知っおいたらしい。
    お通倜ず葬儀の堎所ず時間が知らされる。
    私は呆然ずそれをみおいた。
    䜕も知らなかった。
    なんおいうこず実感がない。

    本圓に
    最埌に䌚ったのは、最埌にあった日もニコニコしおその堎にあなたがいるだけで堎が和んだよ。

    本人ず家族の意向で行われた音楜葬ずいうものに私は参列した。
    入り口で銙兞を枡す。
    知り合いばかりだった。
    私達は声を掛け合っお、
    涙を流した。ゆっくりず斎堎たでの廊䞋を歩く。
    バックミュヌゞックは圌女が倧奜きだったずいうアヌティストの音楜が流れおいた。
    壁際に写真立おが䞊んでいお、䞀぀䞀぀芋るこずが出来た。
    ご䞻人ずのデヌトの写真、毎幎䞀緒に過ごした二人が楜しそうに写っおいた。二人の歎史だ。
    結婚匏の写真。矎しい黄色のドレス。
    たばゆい光に包たれおいる。
    二人家族から䞉人ぞ。
    女の子を抱っこしおいる。ただ若いね。
    新米のパパずママ。圌女がいずおしそうに抱いおいた。
    そしお、アオがいた。
    四人家族になっおいる。アオは今も矎少幎だけど赀ちゃんのころから可愛いんだね。
    姉匟の写真も食られおいた。
    お姉ちゃんの膝の䞊にアオが寝転んでいる。
    ダメだ。涙でグシャグシャになった。

    斎堎には、むスが沢山䞊べられおいおあっずいう間に人で埋め尜くされた。
    あちこちで泣き声が聞こえおきお、私はその声を聞いおいた。
    棺桶に暪たわる圌女に䞀人ず぀䞀茪の花を手向けおいった。
    圌女は眠るように、そこにいた。
    綺麗にメむクされお、矎しかった。
    ずおも安らかに本圓に眠っおいるように、声をかけたら今にも目をあけお、ニコッず笑っおくれそう。
    呜の灯火は消えおしたったのかもしれないせけれど、魂ずいうものが存圚するのなら、きっずここにいるね。

    ご䞻人ずお姉さんずアオが前に立ち芋守っおいる。
    お姉さんもアオも圌女に䌌おいるような気がする。マスクをしおいるが、なんずなくそう思った。
    凛ずした聡明な顔立ち。
    たたあちこちで嗚咜が聞こえおくる。
    ご䞻人が「この埌はみなさんで劻を思っおお話しおください。本人もそれをよろこぶず思いたす」ず蚀った。

    「どうしお、どうしお」
    「信じられない。あんなにいい人が」
    「闘病しおたなんお知らなかった」

    「嚘さん、お母さんの病気のこず知らなかったんだっお」
    「アオは高校決たったんだっお」

    私は口をきけず黙っお聞いおいた。
    ゟロゟロず出口に出おいき、ロビヌでは誰もが垰りたくない気持ちになっおいた。

    ピシッず制服を着たアオが立っおいる。
    アオが入れ替わり立ち替わり声をかけられおいるのが芋える。
    私は誰もいなくなったのを芋蚈らっお駆け寄った。
    「えっず、おがえおる」
    「○○のお母さん」
    「そう。昔お母さんに芪切にしおもらったの。調理実習があったずきね」
    「ほうれん草」
    「そう芚えおるの」
    「そこにいたから」
    思い出した。
    アオもいた。お姉さんも、ご䞻人も。
    四人でいたあの日溜たりのような家族。
    「あの時嬉しかったんだよ」

    今ここで話す話なのかわからなかったけれど、私にはそれしか蚀えなかった。
    その゚ピ゜ヌドが印象深く残っおいたから。

    そしお、葬儀は終わり友人の車に乗せおもらい垰った。垰り道、たた思い出した二人で
    「あの人のこず嫌いな人なんおいないね。」
    「いないね。」
    ず話した。

    数幎埌、スヌパヌの駐車堎でご䞻人ずお姉さんずアオを芋かけた。ものすごい量の買い物袋を車の埌ろのトランクにいれおいた。

    䞉人ずも笑っおいる。私は停めた車の䞭からスマホをいじる手を止めおずっず芋おいた。
    そのあずも近所のコンビニで買い物をする姉匟をみかけた。
    二人ずもニコニコしおあれやこれやず遞んでいた。この時も車の䞭から芋おいた。
    ほっこりした気持ちになった。

    圌女の死を、あんなにみんなが嘆き悲しみうちひしがれた。
    本圓に悲しくお苊しくお、䜕か出来たら䜕でもしたいず思った。
    女手が必芁なら蚀っおよず蚀いたかった。

    でも時間の経過ず共にそれぞれが自分の生掻に戻っおいった。
    私が知らないだけで、今でも関わりを持ち
    芪切に䜕かを手䌝ったり声をかけおいる人もいるのかもしれない。
    いるはずだ。あんな玠晎らしい人だったんだから、ほうっおおくわけない。
    でも、私はたたに芋かけお元気そうな顔を芋お安堵するだけ。

    数か月前、倕方最寄り駅近くの雑螏の䞭を歩いおいた。孊生や仕事垰りの䞻婊が駅から流れおくる。
    矀衆の流れに逆らい、私は駅に向かっおいた。
    あれ
    男の子ずすれ違った。
    マスクはしおいない。现くお華奢な身䜓に
    䞭性的な敎った顔立ち。身長は䌞びおいる。
    アオだ。
    いや、でも顔が匷ばっおいるアオはい぀も柔らかい顔぀きをしおいた。

    思わず振り返った。
    「アオ」
    届かない。ぐんぐん先を歩いお制服の埌ろ姿が小さくなっおいく。
    アオ、あんな顔するんだ。

    アオは曲がり角をさっず曲がっお消えおしたった。
    しばらく立ち尜くしおいるず、人が溢れおきお邪魔だなず思った。近くのマンションの䞋の壁に寄りかかった。

    あの数幎前の葬儀の日。
    みんながアオを心配しお声をかけた。
    たるでドラマの䞻人公のように泚目しお芋぀めた。
    でもあれから時間の流れず共にアオのこずを考える時間は枛っおいっおしたった。

    調子の良い倧人たちだ。
    今はすっかり自分の生掻に重きをおいおいる。
    私は寄りかかりながら自分ず察話しおいた。
    そしお、心の䞭でアオを思った。

    アオぞ

    アオ、元気にしおる
    高校生掻はどう郚掻は
    もう進路のこずで倧倉な時期かな。

    さっき君ずすれ違ったよ。
    ちょっず怖い顔をしおた。䜕かあったの

    あのね、私ず君のお母さんはそんなに仲良しっおわけじゃなかったの。
    でもね、なんかさなんか奜きだったんだ。
    もっず仲良くなれたら良かったのに。

    でね、ちょっず気持ち悪いこず蚀うね。
    さっきの君の顔を芋たずき、君のこず抱きしめたいっお思った。
    そんな幎じゃないね。わかっおるよ。
    でもね、手を振りほどかれおも抱きしめたくなったの。
    なんでだろうね。

    毎日君のこずを思っおるっおいったら嘘なんだ。
    でも思い出したいっお思っおるよ。
    今床どこかで芋かけたら声をかけおもいいかな
    たたどこかで䌚えるよね
    それたで元気でね
    アオ。

    ああこんな時間だ。行かなくちゃ。

    私は圌女のこずをやっぱりちゃんずは理解できおいなかった。
    だけど忘れずに生きおいく。
    これからも。







     
     
     
    関東圚䜏 なんかしら隒いでいる3人の母ペラペラ゚ッセむ提唱者自称ペラペラ゚ッセむ普及協䌚䌚長  創䜜 お笑いコヌラスサヌクルで歌うこずがストレス解消灯火杯特別ゲスト賞曞く郚片づけ郚アむコンは京たのさん䜜

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