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少なくない 【エッセイ】

    ぜんけい

    本を読んでいると、気になる言い回しを目にする機会は少なくない。

    本を読んでいると、気になる言い回しを目にする機会は多い。


    さて、このふたつの言い回しはどちらも同じようなことを伝えているはずだが、読み手に与える印象は違う。

    僕は、この「少なくない」という言い回しが気になって気になって仕方がない。


    「多い」と表現するからには、きっと多いのだろう。

    読み手も「あぁ多いんだろうなぁ」と感じる。


    では「少なくない」はどうだろうか。

    「多い」とは表現する程でもないけれど、ちょっとだけってこともないんだよね〜というニュアンスだろうか。

    読み手は「あぁ少なくはないんだな」と感じる。当たり前だけれど。


    「少なくない」と表現する時には、その本にとって有益な情報の証拠として提示される傾向にあるように見受けられる。


    賢い僕はピンときたね。


    これは証拠を嵩増かさましする為の便利な言い回しとして出版界隈に蔓延している技法なんじゃないかと。

    ならば僕も有効に活用しようじゃないと。


    では

    僕のことを爽やかなおじさんだと思っている人は少なくない。


    うん。なんかいい感じ。


    普段から僕の記事を読んでいる人は変わり者が少なくない。


    うんうん。なかなか確信をついているんじゃないか?


    ここまで読んでこの記事を読むことを止めようかと思っている人は少なくない。


    おぉ~。なんだかそれっぽい。


    でも最後にはきっと最高のオチが待っているはずだから我慢して読み進めようと思っている人も少なくない。


    こりゃ便利な言い回しを見つけたかもしれない。

    なんでも言い放題だ。

    実際に少なくないかは確かめようがないからウソをついている訳でもない。

    まさに無敵の言い回し。

    そりゃ出版界隈で流行するはずだ。


    この記事にスキを押そうとしている人は少なくない。

    少なくないを自分も使ってみようかなと思い始めている人は少なくない。

    最後まで読んだのに特に得るものはなかったなとガッカリしている人は少なくない。




    こういうアホなことを書いているヤツが世の中の誤用を招くんだろうなぁ。


    え?

    誤用・・を拡散するヤツは御用・・だって?

    えぇ〜ッ!?そこはなんとかご容・・赦ください。










    ついニヤっとしてしまった人は少なくない。

    ではまた。




    次回予告(ウソ)
    「著者の癖を把握して本を読むとニヤニヤする界隈(ニヤ読界隈)誕生」
    の巻き。



     
     
     
    混沌としたアタマの中を隠して「爽やか」に生きることを目指す。 ぜんけいが書くショートショートで描かれる不可思議なことは未来の予言かもしれない。 爽やかエッセイと混沌ショートショートをお楽しみあれ。

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