メインコンテンツへスキップ
見出し画像

3つのお題に空想のひらめきを

    🐾お題②:「世界の終わりを見た猫」

    人間達は頑張ってたよ。
    この星を守るために必死だった。
    あの、大きな隕石群。
    炎に包まれながら地上に落ちて、あらゆるものを焼き払った。
    僕の飼い主の女の子は、僕を抱いて必死に走ったよ。
    だけど、行くあてなんて無かった。
    見渡す限りの焼け野原で、今まで見たこともない風景が広がってた。

    「もう、ダメかもしれないね」
    飼い主の女の子が弱音を吐いた。
    そんなの、この状況を見れば一目瞭然だよ。
    でも僕はね、昨日までの幸せな日々があるから、全然平気なんだ。
    先のことなんか、あんまり考えたりしないからね。
    今だって、君にこうして抱かれていることが幸せ。
    少しお腹が空いたけど、こんな迫力のある光景が見られるんなら、もう少しここにいてもいいかな。
    君はなんだか、少し泣いてるみたいだったけど、この前、彼氏にフラれたって泣いてた時よりは落ち着いてるかも。

    僕ね、この星のこと、好きだったよ。
    たくさん仲間がいてね。人間達も優しかった。
    そして君に出会えた。僕は保護猫として。
    それからの日々を振り返れば、この星を選んだことは正解だったって思えるよ。
    たとえこんな日が来るとしても。

    君は瓦礫に座り、疲れ果てて眠ってしまった。
    僕はその隣で、ゴロゴロと喉を鳴らす。
    暗黒の空を、花火のように照らす地獄の炎。
    君はこのまま、それを目にすることなく眠り続けるのだろうか。
    そうであって欲しい。
    この星の最期は、僕が見届けるから、君はずっとそのまま、安らかな寝顔のままで。

    まだ子猫だった僕を、温かく抱きしめてくれた。
    キャットタワーのてっぺんに登れた僕を見て、自分のことのように喜んでくれた。
    雷鳴に怯える僕に寄り添って、「自然が奏でる音はね、自分も自然の一部になったつもりで聞けば、全然怖くなくなるよ」と教えてくれた。
    そうであるなら、この世界の終わりを告げる鎮魂歌も、すべてを受け入れるつもりで聴けば、僕はもう怖くなんかない。

    またいつか、ここに戻ってくるよ。
    この星に。君に会うために。
    いつの日かまた、君の声を聞きたいんだ。
    僕の名前を呼んで欲しいよ。

    「ねえ、マシュ」って。

    画像
    待ってるよ

    こちらの企画に参加させていただきました。
    よろしくお願いいたします。

     
     

    Ryu

     
     
    書くことは好きだった。まずは教科書の片隅に。 2、3行ほどの妄想から始まったように思う。 きっと今じゃあんなのは書けない。 あの頃が懐かしい。 でも、頑張ります。

    あなたへのおすすめ